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脂肪酸アルキルエステルの製造方法

国内特許コード P07A010143
整理番号 1151
掲載日 2007年7月27日
出願番号 特願2005-365631
公開番号 特開2007-169173
登録番号 特許第4378534号
出願日 平成17年12月19日(2005.12.19)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
登録日 平成21年10月2日(2009.10.2)
発明者
  • 坂 志朗
出願人
  • 京都大学
発明の名称 脂肪酸アルキルエステルの製造方法
発明の概要 【課題】脂肪酸アルキルエステルの収率の向上を達成すること。
【解決手段】原料油脂中に含まれている脂肪酸グリセリドを用いた脂肪酸アルキルエステルの製造方法において、(1)脂肪酸グリセリドと超臨界又は亜臨界条件のアルコールとの間のエステル交換反応、(2)脂肪酸グリセリドと超臨界又は亜臨界条件のカルボン酸エステルとの間のエステル交換反応、これら(1)と(2)とを含み、それぞれの反応から原料油脂からBDF燃料として有用な脂肪酸アルキルエステルを効率良く製造する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】一般に「BDF」と略称されるバイオディーゼル燃料は、植物性油脂、動物性油脂又はこれらの廃油脂(例えば、廃食油)の主成分である脂肪酸トリグリセリド(「脂肪酸グリセリド」とも言う。)をアルコールでエステル交換する方法、又は加水分解をして得られる脂肪酸をアルコールでエステル化する方法などによって得られる脂肪酸エステルからなる燃料である。この燃料は、ディーゼル機関を有する車両、船舶、農工業機械、発電機等に使用可能である。このバイオディーゼル燃料は、軽油に比べてその排気ガス中の黒煙や酸性雨の原因となる硫黄酸化物が少なく、浮遊粒子状物質(PM)の発生も少ないため、環境負荷を軽減できるという利点やバイオマス資源由来の燃料であるので、地球上の炭素バランスを崩さないという利点を有することなどから、既に化石燃料の代替としての利用が始まっている。また、油脂類から脂肪酸エステルを工業的に製造する方法も幾つか開発されており、この方法は、概ねアルカリ触媒法、酸触媒法、リパーゼ酵素法に大別できる。アルカリ触媒法は、油脂にメタノールと塩基性触媒を加えてエステル交換反応を行うことにより、目的の脂肪酸メチルエステルを得る方法である。この方法は、比較的穏やかな温度・圧力条件で反応を進行させることができるが、精製段階でアルカリ触媒の除去工程が必要となる。また、原料油脂中の遊離脂肪酸とアルカリ触媒が反応してアルカリセッケンを生成したり、原料油脂中の水が触媒機能を低下させたりして、エステル収率の低下を招くなどの問題を抱えている。酸触媒法は、アルカリ触媒法のようなアルカリセッケンの生成は起こらないが、前記アルカリ触媒法同様に、原料油脂中の水分によって触媒機能が低下し、また、反応速度も遅いため、この方法単独で工業的製法とすることは困難である。リパーゼ酵素法は、リパーゼ酵素の触媒作用によって、原料油脂をバイオディーゼル燃料へ変換する方法であり、生産物の中和が不要であり、原料中の遊離脂肪酸の影響を受けないなどの利点があるが、メタノール添加量の制御が不可欠であり、反応速度が遅く、コストも高いなどの問題を抱えている。これらの製法に対し、本願発明者は、無触媒条件下で脂肪酸エステルを製造する技術を提案している。例えば、特許文献1では、原料油脂を、高温・高圧の超臨界状態又は亜臨界状態のアルコールを溶媒に用いてエステル交換反応及びエステル化反応を行うことによって、脂肪酸エステル組成物を無触媒で製造する技術を提案している。この技術では、脂肪酸アルキルエステルとグリセリンとが反応して脂肪酸モノグリセリドに戻る逆反応が存在するため、脂肪酸アルキルエステル生成方向へ反応を傾けるために大過剰量のアルコールを用いる必要があり、また温度・圧力の条件も厳しく、改良の余地があった。また、本願発明者は、特許文献2や非特許文献1において、前記特許文献1の改良技術を提案している。より詳しくは、脂肪酸トリグリセリドを含む原料油脂と水を共存させて加水分解し、前記脂肪酸トリグリセリドから脂肪酸とグリセリンを得る第1工程と、この第1工程の生成物にアルコールを添加し、所定の温度・圧力条件で前記生成物中の脂肪酸を脂肪酸アルキルエステルに変換する第2工程(即ち、エステル化工程)と、から構成される製造方法(以下、「無触媒・二段階方法」と称する)を提案している。この無触媒・二段階方法では、第1工程後に、グリセリンを分離除去することにより第2工程での逆反応を有効に阻止し、かつ第1工程から得られた脂肪酸中の水分を除去しておくことで、第2工程のエステル化反応をより優勢に進行させることができるため、脂肪酸アルキルエステルを効率良く製造できる。この方法は、特に、水や遊離脂肪酸を含む廃油などの原料油脂を用いる脂肪酸アルキルエステルの工業的製法として有用な技術である。加えて、特許文献3には、トリグリセリドとカルボン酸エステルとをエステル交換反応させて得られてくるトリアセチン(グリセリントリアセタート)などのトリグリセリドとカルボン酸エステルとからなる燃料を製造する技術が開示されている。即ち、アルコールを溶媒として用いない脂肪酸アルキルエステルの製造技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000-204392号公報。
【特許文献2】PCT国際公開 WO03/106604号公報。
【特許文献3】特開2004-149742号公報。
【非特許文献1】Journal of the Japan Institute of Energy,Vol.84,413-419(2005)。
産業上の利用分野 本発明は、脂肪酸アルキルエステル(「脂肪酸エステル」とも言う。)の製造方法に関する。より詳しくは、バイオディーゼル燃料として使用する脂肪酸アルキルエステルの製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 原料油脂中に含まれている脂肪酸グリセリドと超臨界又は亜臨界条件のアルコールとの間でエステル交換する反応と、 前記脂肪酸グリセリドと超臨界又は亜臨界条件のカルボン酸エステルとの間でエステル交換する反応と、を含み、これら二つの反応のそれぞれから脂肪酸アルキルエステルを得ることを特徴とする原料油脂から脂肪酸アルキルエステルを製造する方法。
【請求項2】 前記エステル交換の反応系に第三成分を添加することによって、脂肪酸グリセリド相とカルボン酸エステル相との相溶化を行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】 前記エステル交換の反応系に第三成分を添加することによって、脂肪酸グリセリド相とカルボン酸エステル相とアルコール相との相溶化を行うことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 液体燃料・油脂
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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