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PID制御装置及びそのPID制御系の制御要素を設定する方法

国内特許コード P07P004415
整理番号 RJ008P68
掲載日 2007年7月30日
出願番号 特願2006-006309
公開番号 特開2007-188322
登録番号 特許第4759391号
出願日 平成18年1月13日(2006.1.13)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
登録日 平成23年6月10日(2011.6.10)
発明者
  • 長縄 明大
  • 平元 和彦
  • 森 英季
  • 渋谷 嗣
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 国立大学法人秋田大学
発明の名称 PID制御装置及びそのPID制御系の制御要素を設定する方法
発明の概要

【課題】PID制御装置において目標サーボ帯域に亘って高速高精度での位置決めを実現する制御要素の決定方法を提供することにある。
【解決手段】PID制御系の制御要素を設定する方法においては、制御対象の周波数応答特性が測定されてこの周波数応答特性に近似させたフィードバック制御系の2次遅れ系の伝達関数が特定される。制御対象を制御する制御器の伝達関数が比例、積分及び微分ゲイン係数を含む不完全微分型に設定され、制御器の伝達関数と前記制御対象との伝達関数の積で表される開ループ伝達関数が定められ、制御対象が有する共振特性を打ち消すように制御器の比例、積分及び微分ゲイン係数が求められ、制御器に設定される。
【選択図】図10

従来技術、競合技術の概要


ハードディスクの開発が進み、その記録容量は、急速に増加して200Gbit/in2の記録密度が達成されようとしている。この高密度化の背景には、線記録密度の向上と共にトラック密度の向上が著しく、近い将来に1Tbit/in2の記録密度が達成された場合、トラックピッチは、50nm以下になるものと予想される。磁気ヘッドが記録トラック上で許容される追従誤差は、トラックピッチの10%程度とされ、磁気ヘッド並びにメディアの開発に用いられる磁気記録評価装置(スピンスタンド)では、トラックプロファイル或いはオフトラックマージン等を計測するために更に1/10以下、即ち、サブナノメートルの位置決め技術が要求されている。



このようにスピンスタンド上で高速高精度なトラッキングを実現する為に微動アクチュエータ(Nano-motion Actuator: NMA)及びその制御系の開発が要請されている。



このような背景から、発明者等は、既に特許文献1において高速高精度なトラッキングを実現する為の微動アクチュエータを提案しているが、更に、この微動アクチュエータを高速高精度に位置決め制御する為の制御系の改良が要請されている。制御系としてPID制御装置が適用されるが、PID制御装置は、比例要素(P)、微分要素(D)及び積分要素(I)の3つの要素を組み合わせて構成され、一般的には、これら3つの要素のゲインが仕様として与えられるサーボ帯域を実現するように試行錯誤して決定される。このように制御要素を決定するには、サーボ帯域を制限する機構の共振特性を打ち消すように、PID制御装置に反共振特性を与えて広帯域化を実現している。また、位置決めにおけるオーバーシュート量を抑制するようにゲインを決定している。サーボ帯域を制限する機構の共振特性を打ち消すように、PID制御装置に反共振特性を与える為にノッチフィルタを利用する制御系があるが、高速での応答実現の妨げになる場合がある。

【特許文献1】特開2005-261167

産業上の利用分野


この発明は、目標サーボ帯域を実現するPID制御装置及びそのPID制御系の制御要素を設定する方法に係り、特に、圧電素子及び並行バネ機構からなるアクチュエータを高速高精度に位置決めするための制御装置及び制御系の制御要素を設定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
フィードバック制御系における制御対象の周波数応答特性を測定してこの周波数応答特性に近似させた制御対象の2次遅れ系の伝達関数を特定し、
前記制御対象を制御する制御器の伝達関数を比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を含む不完全微分型に設定し、
前記制御対象が有する共振特性を打ち消すように前記制御器の伝達関数と前記制御対象の伝達関数との積で表される開ループ伝達関数を下記式L(s)に定め、この式L(s)の関係となるように前記制御器の比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を前記不完全微分器に含まれるパラメータα、前記2次遅れ系の伝達関数に含まれるゲイン定数K、減衰率ζ及び固有角周波数ωn並びにパラメータL1を含む関係式で定め、
【数式1】


仕様として与えられるサーボ帯域を角周波数ω実現するように、上記式L(s)における前記パラメータL1を下記式に定め、
【数式2】


前記不完全微分器に含まれる前記パラメータαを当該フィードバック制御系に混入する高周波数域におけるノイズの影響及び目標応答特性におけるオーバーシュート量を考慮して決定し、
前記パラメータL1及びα並びにゲイン定数K、減衰率ζ及び固有角周波数ωnで特定される前記比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を制御要素として前記制御器に与えるPID制御系の制御要素を設定する方法。

【請求項2】
前記2次遅れ系の伝達関数は、下記制御対象の式P(s)
【数式3】


(ここで、ζは、減衰率、ωは、固有角周波数であり、Kは、ゲイン定数である。)で表されることを特徴とする請求項1のPID制御系の制御要素を設定する方法。

【請求項3】
前記制御器の伝達関数が下記式で表される伝達特性K1(s)を有し、比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を含む不完全微分型に設定することを特徴とする請求項1のPID制御系の制御要素を設定する方法。
【数式4】



【請求項4】
前記パラメータL1は、L(s)の周波数応答の角周波数ωにおけるゲインが1となるように定めることを特徴とする請求項1のPID制御系の制御要素を設定する方法。

【請求項5】
前記比例ゲインKは、マイナスに定められるように減衰率、パラメータαが2ζα<ωnに関係に定められることを特徴とする請求項1のPID制御系の制御要素を設定する方法。

【請求項6】
フィードバック制御系におけるあるモデルの2次遅れ系の伝達関数で近似されている周波数応答特性を有する制御対象と、
比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を含む伝達関数が不完全微分型に設定されている前記制御対象を制御する制御器であって、前記制御対象が有する共振特性を打ち消すように前記制御器の伝達関数と前記制御対象の伝達関数との積で表される開ループ伝達関数が下記式L(s)に定められ、この式L(s)の関係となるように前記制御器の比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)が前記不完全微分器に含まれるパラメータα、前記2次遅れ系の伝達関数に含まれるゲイン定数K、減衰率ζ及び固有角周波数ω並びにパラメータL1を含む関係式で定められ、
【数式5】


ここで、前記開ループ伝達関数L(s)のパラメータL1が仕様として与えられるサーボ帯域を角周波数ω実現するように、下記式で定められ、
【数式6】


また、前記不完全微分器に含まれる前記パラメータαが当該フィードバック制御系に混入する高周波数域におけるノイズの影響及び目標応答特性におけるオーバーシュート量を考慮して決定され、
前記パラメータL1及びα並びにゲイン定数K、減衰率ζ及び固有角周波数ωで特定される前記比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を制御要素として与えられている制御器と、
から構成されることを特徴とするPID制御装置。

【請求項7】
前記2次遅れ系の伝達関数は、下記制御対象の式P(s)
【数式7】


(ここで、ζは、減衰率、ωは、固有角周波数であり、Kは、ゲイン定数である。)で表されることを特徴とする請求項のPID制御装置。

【請求項8】
前記制御器の伝達関数が下記式で表される伝達特性K1(s)を有し、比例、積分及び微分ゲイン係数(K,K,K)を含む不完全微分型に設定することを特徴とする請求項7のPID制御装置。
【数式8】



【請求項9】
前記パラメータL1は、L(s)の周波数応答の角周波数ωにおけるゲインが1となるように定めることを特徴とする請求項7のPID制御装置。

【請求項10】
前記比例ゲインKは、マイナスに定められるように減衰率、パラメータαが2ζα<ωnに関係に定められることを特徴とする請求項7のPID制御装置。
産業区分
  • 制御調整
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006006309thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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