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寄生発振防止レーザー装置 新技術説明会

国内特許コード P07P004417
整理番号 RJ008P84
掲載日 2007年7月30日
出願番号 特願2006-004307
公開番号 特開2007-188980
登録番号 特許第5070519号
出願日 平成18年1月12日(2006.1.12)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発明者
  • 常包 正樹
  • 平等 拓範
出願人
  • 大学共同利用機関法人自然科学研究機構
発明の名称 寄生発振防止レーザー装置 新技術説明会
発明の概要

【課題】寄生発振を防止しかつ側面からの励起光の導入も阻害しない寄生発振防止レーザー装置を提供する。
【解決手段】中央部にレーザー発振元素を含むコア47を有し、そのコア47に近接あるいは一体化された、励起光に対し透明な光ガイド48を有し、その外側面より励起光を光ガイド48に導入し、光ガイド48内を伝搬させた励起光により前記コア47を励起する構成の薄型固体レーザー媒質を搭載したレーザー装置において、励起光を導入する光ガイド48の側面の励起光窓につながる前記光ガイド48の上下面の少なくとも一方の面上に沿って発振光を散乱する散乱体あるいは発振光を吸収する吸収体50を配置した。
【選択図】図10

従来技術、競合技術の概要


図11に示すように、固体レーザー媒質あるいはそれに隣接して設置された光ガイドなどの固体媒質101と外側の大気102の境界(表面)103では屈折率の違いにより反射や透過が起こる。特に固体レーザー媒質内部から発せられる光を考えた場合、表面103への入射角がθのとき反射の角度は同じくθで、入射角と変わらないが、反射率(=1-透過率)が変化する。特に、媒質の屈折率をnとするとθが、全反射角
θc =sin-1(1/n)
より大きな入射角θの場合(θ>θc )、光はすべて内部で反射され外部には光エネルギーが漏れない。媒質が典型的な固体レーザー母材のYAGの場合、屈折率n=1.82であるため全反射角θc =33.3°と計算される。このため例えば入射角45°でYAG内を進む光はすべて反射されエネルギーを保ったまま媒質内部を進むことができる。また、全反射角33.3°より小さな入射角で表面に入射する光は一部の光が外部(大気)に透過するため、反射した光はエネルギーを損失する。



さて、固体レーザー媒質の形状には様々な物が考えられるが、典型的な板状の直方体の固体レーザー媒質では、図12に示すようにB-B′(図9を参照)断面の長方形面内で全反射角33.3°より大きな入射角で媒質内を周回するような光路112が存在できる。図12では各面に対し入射角約45°で進行する光路の例を示す。レーザー媒質111内にこのような光路112が存在する場合、レーザー媒質111内部での励起エネルギー密度が高くなると本来レーザー光を取り出したい方向113とは違う方向に媒質内部でレーザー発振(寄生発振)あるいはASE(増幅された誘導放出光)が発生し、媒質内部のエネルギーが媒質外部に取り出せない状態となる。この現象はレーザー装置の出力、効率の大幅な低下をもたらし、また、レーザー媒質111内の大幅な温度上昇をもたらすためにレーザー装置の信頼性の低下にもつながる問題である。



また、図13に示すように、細長い固体レーザー媒質121に隣接して励起のための光ガイド122を設けた場合も同様で、周回光路123内に励起されたレーザー媒質121がある場合、周回光路123に沿ってレーザー発振(寄生発振)あるいはASE(増幅された誘導放出光)が発生する可能性がある。なお、124はレーザー光取り出し方向を示している。



さらに、図14に示すように、励起光ガイドの中央にレーザー媒質(コア)131が設置されている場合も同様である。なお、132は非固体レーザー媒質(励起光ガイド)、133は寄生発振の周回光路、134はレーザー光取り出し方向を示している。

【特許文献1】なし

産業上の利用分野


本発明は、寄生発振を防止したレーザー装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
中央部にレーザー発振元素を含む薄板状のコアを有し、該コアの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面に近接あるいは一体化された、該コアと厚みが等しい薄板状の光ガイドであって、励起光に対し透明なものを有し、該光ガイドの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面より前記励起光を前記光ガイドに導入し、前記光ガイド内を伝搬させた前記励起光により前記コアを励起する構成の薄型固体レーザー媒質を搭載し、前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面に設けた励起光窓につながる前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面の一方のみの面上に、前記励起光窓に沿って発振光を散乱する散乱体あるいは励起光を吸収する吸収体を配置した寄生発振防止レーザー装置において、
前記励起光窓につながる前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面の一方のみの面上に配置される前記散乱体あるいは吸収体の領域幅wが、下記の条件
w≧d/{tan(θc )}
ただし、dは光ガイドの厚み(励起光窓の高さ)、θc 光ガイドにおける全反射角
を満足することを特徴とする寄生発振防止レーザー装置。

【請求項2】
中央部にレーザー発振元素を含む薄板状のコアを有し、該コアの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面に近接あるいは一体化された、該コアと厚みが等しい薄板状の光ガイドであって、励起光に対し透明なものを有し、該光ガイドの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面より前記励起光を前記光ガイドに導入し、前記光ガイド内を伝搬させた前記励起光により前記コアを励起する構成の薄型固体レーザー媒質を搭載し、前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面以外の外側面に設けた励起光窓につながる前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面の両方の面上に、前記励起光窓に沿って発振光を散乱する散乱体あるいは励起光を吸収する吸収体を配置した寄生発振防止レーザー装置において、
前記励起光窓につながる前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面に同じ幅で配置される前記散乱体あるいは吸収体の領域幅w′が、下記の条件
w′≧d/{2tan(θc )}
ただし、dは光ガイドの厚み(励起光窓の高さ)、θc 光ガイドにおける全反射角
を満足することを特徴とする寄生発振防止レーザー装置。

【請求項3】
請求項2記載の寄生発振防止レーザー装置において、前記励起光窓につながる前記光ガイドの厚み方向に垂直な上下面に配置される前記散乱体あるいは吸収体の上下面の領域幅の和が、下記の条件
d/{tan(θc )}
ただし、dは光ガイドの厚み(励起光窓の高さ)、θc 光ガイドにおける全反射角
より大きいことを特徴とする寄生発振防止レーザー装置。

【請求項4】
請求項1、2又は3記載の寄生発振防止レーザー装置において、前記コアは細長い形状を有し、該コアの両側に前記光ガイドが形成され、該光ガイドの前記コアに接する面に対向する外側面に前記励起光窓が形成され、レーザー発振光は前記細長い形状のコアの長手方向に取り出されるようにしたことを特徴とする寄生発振防止レーザー装置。

【請求項5】
請求項1、2又は3記載の寄生発振防止レーザー装置において、前記コアは中央に円筒状に形成され、該コアの周囲に前記光ガイドが形成され、該光ガイドの外周面に前記励起光窓が形成され、レーザー発振光は前記円筒状のコアから垂直方向に取り出されるようにしたことを特徴とする寄生発振防止レーザー装置。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006004307thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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