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手術用縫合糸

国内特許コード P07A010210
整理番号 16-3
掲載日 2007年8月8日
出願番号 特願2004-205078
公開番号 特開2006-025867
登録番号 特許第4670037号
出願日 平成16年7月12日(2004.7.12)
公開日 平成18年2月2日(2006.2.2)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発明者
  • 森 隆治
出願人
  • 学校法人島根大学
発明の名称 手術用縫合糸
発明の概要

【課題】 手術縫合部を早く且つ確実に治癒させるために、緩み難い強固な結び目乃至は結節を確実に形成することが出来る手術用縫合糸を提供すること。また、生体組織の癒合促進や感染症の防止を図るための薬液を、効率良く、簡便に付与することの出来る手術用縫合糸を提供すること。
【解決手段】 内部が長手方向に中空状となるように編組された筒状糸18の一方の端部に、該筒状糸18をその直径方向に刺通し得るサイズの糸結び補助用の丸針14を、固定的に取り付け、糸結びの途中において、結び目に位置する筒状糸18の部位に丸針14を刺通させることにより、該筒状糸同士が縫い合わされ得るように、構成した。
【選択図】 図 2

従来技術、競合技術の概要


従来より、アキレス腱断裂の治療には、手術を行わずに、ギブス固定のみで治す保存的治療と、断裂したアキレス腱を縫合する手術的治療とが、採用されてきている。そして、それらの中でも、前者の保存的治療には、手術を行わないというメリットがあるものの、ギブスにて長期間に亘って固定する必要があり、また、再断裂を起こし易い傾向があることが認められている。このため、例えば、スポーツ選手等、早期回復を望む患者に対しては、一般に、手術的治療法が採用されているのであるが、この手術的治療法にあっても、手術後の一定期間、ギブスにて固定することが必要であり、スポーツ復帰には、通常、6ケ月程度の期間を要している。従って、手術後、より一層早く且つ確実に手術縫合部を治癒せしめることが、切望されている。



ところで、断裂したアキレス腱の縫合には、従来より各種の縫合糸が使用されて来ているのであるが、よく知られているように、アキレス腱は非常に強い力が加わる部分であるところから、アキレス腱を縫合する縫合糸としては、糸自身において、抗張力が強く、伸び難いことに加えて、縫合糸の結び目(結節)部分が解け難いもの(表面がツルツルして滑り易いものではないもの)、更には、解離した組織の癒合を促進することが出来るものが、より一層望ましいと考えられる。なぜなら、縫合糸の結び目が解け易い場合には、縫合したアキレス腱に力が加わった際に、縫合糸が生体組織から引き抜けてしまい、再断裂に至らないまでも、縫合部が再解離し、ギャップが生じて、治癒が遅れてしまうことになりかねないからである。



例えば、図1は、縫合された腱に対して各種引張力を作用せしめた際における縫合部の状態を示す写真であるが、そこでは、大きな引張力が作用したときには、縫合部が解離し、更には断裂してしまう状態が示されているのである。より具体的には、図1の(a)には、引張力が加えられていない場合の、また(b)には、100Nの引張力が加えられた場合の、更に(c)には、340Nの引張力が加えられた場合の、縫合された腱の写真が、それぞれ、示されている。このように、縫合糸自体が切断したり、また縫合糸が伸び易いものであったり、更には結節部が解け易いものであったりすると、癒合した組織が再解離し、ギャップが生じ易く、その結果、治癒が遅れることとなるのである。



加えて、手術には、一般に、感染症の予防が常に重要となっているのであるが、上記のアキレス腱の縫合術に用いられる縫合糸は、免疫機構が働かない生体以外の組織(異物)であるために、感染に弱い等といった欠点をも内在しているのである。



なお、アキレス腱縫合術を含む手術用の縫合糸としては、これまでに、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1~4参照)が、大きな力が加えられるアキレス腱等の腱や靱帯の縫合に際しては、より一層優れた結節性を実現するもの、更には、生体組織の癒合を促進せしめ得るものが、要求されており、従来の縫合糸は、そのような要求に充分に応え得るものではなかったのである。



また、スポーツ選手においては、アキレス腱の断裂の他にも、膝を捻る等して、膝靱帯である前十字靱帯を断裂する場合があるが、この場合の治療法としては、靱帯縫合術は殆んど採られず、一般に、自家の他の健全な腱を採取して移植する靱帯再建術が採用されている。これは、前十字靱帯の縫合がアキレス腱の縫合よりも難しいことや、前十字靱帯の組織が癒合し難く、しかも、膝には力がかかり易くて、再断裂し易いからである。従って、優れた結節性を実現し、且つ膝靱帯組織の癒合を促進できる縫合糸が登場すれば、前十字靱帯においても、その縫合術が有効となる可能性を秘めている。




【特許文献1】実公平4-2668号公報

【特許文献2】実開平6-44548号公報

【特許文献3】特開平6-14987号公報

【特許文献4】特開平6-245989号公報

産業上の利用分野


本発明は、実用性に優れた手術用縫合糸に係り、特に、強固な結節部を形成し得ると共に、薬液を確実に注入することが可能な手術用縫合糸に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
内部が長手方向に中空状となるように編組された筒状糸から少なくとも構成されてなる長手の糸本体と、該糸本体の前記筒状糸の一方の端部に固定的に取り付けられた、該筒状糸をその直径方向に刺通し得るサイズの糸結び補助用の丸針とを有し、該筒状糸の他方の端部に取り付けられる縫合針によって目的とする縫合が行われるようにする一方、該糸本体の糸結びの途中において、結び目に位置する筒状糸の部位に前記丸針を刺通させることにより、該筒状糸同士が縫い合わされ得るようにしたことを特徴とする手術用縫合糸。

【請求項2】
前記目的とする縫合を行うための縫合針が、前記筒状糸の他方の端部に固定的に取り付けられている請求項1に記載の手術用縫合糸。

【請求項3】
前記糸本体が、前記筒状糸と、該筒状糸の中空部内の長手方向に非固定状態で収容された芯糸とを含んで、構成されていると共に、該芯糸の少なくとも一方の端部が該筒状糸から外部に突出せしめられており、該芯糸がその突出端部を用いて該筒状糸から引き抜かれることにより、該筒状糸の中空部内が空洞と為され得るようになっている請求項1又は請求項2に記載の手術用縫合糸。

【請求項4】
前記芯糸の突出端部が、前記筒状糸の筒壁部を内側から外側に貫通して突出せしめられた芯糸端部にて構成される請求項3に記載の手術用縫合糸。

【請求項5】
前記芯糸の突出端部が、前記筒状糸の前記他方の端部から長手方向に突出せしめられた芯糸端部にて構成されている請求項3又は請求項4に記載の手術用縫合糸。

【請求項6】
前記筒状糸の中空部内に注射針の針部が挿入、固定され、該注射針を通じて所望の薬液が該筒状糸の中空部内に注入せしめられ得るようになっている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の手術用縫合糸。

【請求項7】
前記糸本体を挟み込み得るスリットを設けた固定用部材が取り付けられた注射針が組み合わされてなり、該注射針の針部が前記筒状糸の中空部内に挿入せしめられる一方、該固定用部材のスリットに前記糸本体を挟み込むようにすることによって、該注射針が該糸本体に固定されるようになっている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の手術用縫合糸。

【請求項8】
前記糸本体を挟持し得るクリップが取り付けられた注射針が組み合わされてなり、該注射針の針部が前記筒状糸の中空部内に挿入せしめられる一方、該クリップにて前記糸本体を挟持することによって、該注射針が該糸本体に固定されるようになっている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の手術用縫合糸。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004205078thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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