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聴覚補助装置、音声信号処理方法、音声処理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器

国内特許コード P07A010247
整理番号 TUK20030589
掲載日 2007年8月16日
出願番号 特願2005-014568
公開番号 特開2006-203683
登録番号 特許第4150795号
出願日 平成17年1月21日(2005.1.21)
公開日 平成18年8月3日(2006.8.3)
登録日 平成20年7月11日(2008.7.11)
発明者
  • 赤松 則男
出願人
  • 学校法人徳島大学
発明の名称 聴覚補助装置、音声信号処理方法、音声処理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器
発明の概要

【課題】低負荷な演算処理で聞き取りやすい音声に補正可能な聴覚補助装置等を提供する。
【解決手段】聴覚補助装置は、音声入力部10で入力された音声信号の振幅を量子化し、量子化された各点のデータにつき、隣接する所定の範囲のデータの振幅値を加算し、これを加算したデータの個数で除算して該データを中心とする部分平均値を求め、各点のデータの振幅値と各々の部分平均値とを比較し、比較結果の真偽に基づいて凹凸波形に変換するための凹凸波形変換部14と、音声信号の凹凸波形から、人の声に対応する声成分を抽出するための声成分抽出部16と、声成分の凸部を高く、凹部を低くすることで強調し、強調声波形を生成するための強調処理部18を備える。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


聴覚障害者に対し、高い生活環境を提供するために、その聴覚(聴力)を補助する装置として、補聴器がある。補聴器には、例えば小型マイク、増幅器、およびイヤホンからなるものがあるが、このような補聴器は、マイク(小型マイク)に入力された音を、単純に増幅して出力するだけであるため、その出力にはノイズが多く含まれ、さらには会話相手の声や注意すべき物音(重要な環境音)などが、そのノイズに埋もれてしまうこともあり、視覚障害者の聴覚を補助するのに充分とは言えなかった。



そこで、人間の音声が、特定の周波数帯域(中音域)に局在していることを利用して、マイクに入力された音声を、中音域を抜き出すバンドパスフィルタを通してから増幅する補聴器が開発されている。しかしながら、このような補聴器でも、会話相手の音声や注意すべき物音などが、快適かつ明瞭に聞こえるとは言い難かった。



一方、最近のデジタル信号処理デバイスの発達により、デジタル回路やプロセッサを超小型化することが可能になり、このような技術が、補聴器の分野にも応用されている。デジタル信号処理を応用した補聴器では、アナログ信号の音声信号をA/D変換し、デジタル信号としてから、このデジタル信号に対し、デジタルフィルタによるフィルタリング、雑音除去、周波数空間処理などのデジタル信号処理を施すことにより、可聴性を高めるようになされている。



ここで、図16は、従来の聴覚補助装置としての補聴器の一例の構成を示している。この補聴器においては、まずマイク301で、周囲の音声やその他の物音を拾い、これを電気信号に変換し、原音声信号A11として出力する。この原音声信号A11はアナログフィルタ108に供給され、そこでは、人間の音声の周波数分布が集中する中音域だけが通過され、他はカットされる。これにより、アナログフィルタ108からは、中音域音声信号A12が出力される。中音域音声信号A12は、A/D変換器109に供給され、そこでA/D変換され、これによりデジタル信号としての音声信号A13にされる。



音声信号A13はメモリ302に供給され、一時記憶される。メモリ302は、信号バスを介してデジタルシグナルプロセッサ(DSP)303に接続されており、このDSP303は、メモリ302に格納された音声信号に対して、例えばデジタルフィルタリングや、雑音除去、FFT(高速フーリエ変換)等の周波数成分分解処理や周波数空間処理等を施す。このような信号処理が施された音声信号は、処理音声信号A15として、メモリ302からD/A変換器117に供給される。D/A変換器117では、デジタル信号である処理音声信号A15がD/A変換され、アナログ音声信号A16にされる。アナログ音声信号A16は、増幅器118に供給されて増幅される。そして、増幅器118からは、増幅された音声信号A17がイヤホン304に供給され、そこから出力される。以上のようにして、マイク301に入力された音が、使用者(視覚障害者)の耳に届く。



しかしながら、上述したような補聴器では、単一のマイク301に入力された音から人間の音声に相当すると考えられる周波数成分を取り出して、可聴性を高めるようになされているため、会話相手の音声と、そうでない他人の音声とがともに増幅され、使用者が聞こうとしている会話相手の音声が聞き取り難くなる課題があった。さらに、人間の音声と、それと同じような周波数成分を有する外部の物音とも区別されずに増幅されるため、やはり使用者が聞こうとしている音が聞き取りにくい課題があった。また、例えば自動車のクラクションや、警報音、電話のベルなどは、生活上重要な環境音(重要音)であり、常時聞こえる状態にあることが望ましいが、上述した補聴器を使用した場合には、このような重要音を聞き逃すおそれもある。



このような課題に対して、特許文献1に示す聴覚補助装置が開発されている。この聴覚補助装置は、図17に示すように、無指向性マイク102Lおよび102Rに入力された環境音と、指向性マイク107に入力された会話相手の音声とが、プロセッサユニット150でそれぞれ独立に処理され、いずれか一方が増幅されて、イヤースピーカ119Rおよび119Lから出力されるよう構成され、会話相手の音声および注意すべき物音(重要音)が、快適かつ明瞭に聞こえるようにしている。



しかしながら、この補聴器ではDSP等の音声処理回路がフーリエ変換を行っているため、浮動小数点演算などの複雑な演算処理が必要となり、高速で高性能の演算回路が要求され、装置が大型で高価になるという問題があった。補聴器においてはリアルタイム処理が求められるため、高速な処理が可能なハードウェア仕様が要求される一方で、携帯可能な、可能な限り小型軽量化が望まれている。

【特許文献1】特開平8-79897号公報

産業上の利用分野


本発明は、例えば聴力の衰えた高齢者や、難聴者などの聴覚障害者の聴覚を補助する補聴器等の聴覚補助装置、音声信号処理方法、音声処理プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記録した機器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
音声信号を入力するための音声入力部と、
前記音声入力部で入力された音声信号の振幅を量子化し、量子化された各点のデータにつき、隣接する所定の範囲のデータの振幅値を加算し、これを加算したデータの個数で除算して該データを中心とする部分平均値を求め、各点のデータの振幅値と各々の部分平均値とを比較し、比較結果の真偽に基づいて凹凸波形に変換するための凹凸波形変換部と、
前記凹凸波形変換部で得られた音声信号の凹凸波形から、予め登録された人の声に関する登録パターンに従い人の声に対応する声成分を抽出するための声成分抽出部と、
前記声成分抽出部で抽出された声成分の凸部を高く、凹部を低くすることで強調し、強調声波形を生成するための強調処理部と、
強調声波形を出力するための音声出力部と、
を備えることを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項2】
請求項1に記載の聴覚補助装置であって、
前記凹凸波形変換部が、凹凸波形に変換するサンプリング個数を2のべき乗とし、前記声成分抽出部が、べき指数を調整することで声成分を抽出することを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の聴覚補助装置であって、
前記声成分抽出部が、周波数成分を人の声の高域に対応する成分、低域に対応する成分に応じたべき指数をそれぞれ設定して声成分を抽出することを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の聴覚補助装置であって、
前記凹凸波形変換部が部分平均値を演算する際に、所定の範囲の加算すべきデータの個数を2のべき乗として、前記所定の範囲の加算したデータの個数で除算をビット・シフト演算で行うことを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項5】
請求項4に記載の聴覚補助装置であって、
前記凹凸波形変換部が部分平均値を演算する際に、一のデータにつき平均値を求めるために所定の範囲のデータの振幅値を加算した加算値を保持しておき、次のデータの加算値を求める際に、保持された加算値から、不要な振幅値を減算すると共に、必要な振幅値を加算することで、加算値を演算することを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項6】
請求項5に記載の聴覚補助装置であって、k点を中心とする前後nの区間N(=2n)における平均値αを、
【数式1】


として表現する際、平均値の演算において、平均値αを、その前段の位置である(k-1)点における平均値αkー1を用いて
【数式2】


で演算することを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の聴覚補助装置であって、
前記声成分抽出部で抽出された声成分につき、子音が認識されると前記音声出力部から出力される音量を大きくし、子音の後に母音が認識されると、母音から所定時間で音量増幅を解除することを特徴とする聴覚補助装置。

【請求項8】
入力された音声信号に基づいて人の声を補正して出力する音声信号処理方法であって、
音声信号を入力する工程と、
入力された音声信号の振幅を量子化し、量子化された各点のデータにつき、隣接する所定の範囲のデータの振幅値を加算し、これを加算したデータの個数で除算して該データを中心とする部分平均値を求め、各点のデータの振幅値と各々の部分平均値とを比較し、比較結果の真偽に基づいて凹凸波形に変換すると共に、得られた音声信号の凹凸波形から人の声に対応する声成分を抽出する工程と、
抽出された声成分を強調して強調声波形を生成する工程と、
強調声波形を再生する工程と、
を有することを特徴とする音声処理方法。

【請求項9】
入力された音声信号に基づいて人の声を補正して出力する音声信号処理プログラムであって、
音声信号を入力する機能と、
入力された音声信号の振幅を量子化し、量子化された各点のデータにつき、隣接する所定の範囲のデータの振幅値を加算し、これを加算したデータの個数で除算して該データを中心とする部分平均値を求め、各点のデータの振幅値と各々の部分平均値とを比較し、比較結果の真偽に基づいて凹凸波形に変換すると共に、得られた音声信号の凹凸波形から人の声に対応する声成分を抽出する機能と、
抽出された声成分を強調して強調声波形を生成する機能と、
強調声波形を再生する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする音声処理プログラム。

【請求項10】
請求項9に記載されるプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器。
産業区分
  • 治療衛生
  • 電子応用機器
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005014568thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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