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新規リビングラジカル重合法 新技術説明会

国内特許コード P07A010252
掲載日 2007年8月16日
出願番号 特願2006-014431
公開番号 特開2007-092014
登録番号 特許第4543178号
出願日 平成18年1月23日(2006.1.23)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
登録日 平成22年7月9日(2010.7.9)
優先権データ
  • 特願2005-254209 (2005.9.1) JP
発明者
  • 後藤 淳
  • 福田 猛
  • 辻井 敬亘
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 新規リビングラジカル重合法 新技術説明会
発明の概要

【課題】活性が高く、環境に優しいリビングラジカル重合触媒を提供すること
【解決手段】リビングラジカル重合方法のための触媒であって、ゲルマニウム、スズ、またはアンチモンから選択される中心元素と、該中心元素に結合した少なくとも1つのハロゲン原子とを含む触媒が提供される。この触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させることにより、分子量分布の狭いポリマーを得ることができる。本発明は、触媒の低毒性、低使用量、高溶解性、温和な反応条件、無着色・無臭(成形品の後処理が不要)などの利点を有し、従来のリビングラジカル重合方法に比べて格段に環境に優しく経済性に優れる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


従来から、ビニルモノマーを重合してビニルポリマーを得る方法として、ラジカル重合法が周知であったが、ラジカル重合法は一般に、得られるビニルポリマーの分子量を制御することが困難であるという欠点があった。また、得られるビニルポリマーが、様々な分子量を有する化合物の混合物になってしまい、分子量分布の狭いビニルポリマーを得ることが困難であるという欠点があった。具体的には、反応を制御しても、重量分子平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)として、2~3程度にまでしか減少させることができなかった。



このような欠点を解消する方法として、1990年頃から、リビングラジカル重合法が開発されている。すなわち、リビングラジカル重合法によれば、分子量を制御することが可能であり、かつ分子量分布の狭いポリマーを得ることが可能である。具体的には、Mw/Mnが2以下のものを容易に得ることが可能であることから、ナノテクノロジーなどの最先端分野に用いられるポリマーを製造する方法として脚光を浴びている。



リビングラジカル重合法に現在用いられる触媒としては、主に、ニトロキシル系触媒、ジチオエステル系触媒、および遷移金属錯体系触媒が知られている。



しかしながら、ニトロキシル系触媒およびジチオエステル系触媒においては、触媒と組み合わせて特殊な保護基をポリマー成長鎖に導入する必要があり、この保護基が非常に高価であるという欠点がある。また、重合反応に高温(例えば、100℃以上)が必要であるという欠点がある。さらに、生成するポリマーが好ましくない性能を有しやすいという欠点がある。すなわち、生成するポリマーがその高分子本来の色と異なる色に着色されたものになりやすく、また、生成するポリマーが臭気を有するものになりやすいという欠点がある。



他方、遷移金属錯体系触媒としては、例えば、Cu、Ni、Re、Rh、Ruなどを中心金属とする化合物に配位子を配位させた錯体が使用されている。このような触媒は、例えば、以下の文献に記載されている。

【特許文献1】特開2002-249505号公報

【特許文献2】特開平11-322822号公報

【非特許文献1】Journal of The American Chemical Society 119,674-680(1997) 特許文献1は、Cu、Ru、Fe、Niなどを中心金属とする錯体を触媒として使用することを開示する。



特許文献2は、ヒドリドレニウム錯体を触媒として使用することを開示する。



非特許文献1は、4,4’-ジ-(5-ノニル)-2,2’-ビピリジンを臭化銅に配位させた化合物を触媒として使用することを開示する。



しかしながら、このような遷移金属錯体触媒を用いる場合には、使用量として多量の遷移金属錯体触媒が必要であり、反応後に使用された大量の触媒を製品から完全に除去することが容易でないという欠点があった。また不要となった触媒を廃棄する際に環境上の問題が発生し得るという欠点があった。さらに、遷移金属には毒性の高いものが多く、製品中に残存する触媒の毒性が環境上問題となる場合があり、遷移金属を食品包装材、生体・医療材料などに使用することは困難であった。また、反応後に製品から除去された触媒の毒性が環境上問題となる場合もあった。さらに、導電性の遷移金属がポリマーに残存するとそのポリマーに導電性が付与されてしまって、レジストなどの電子材料に使用することが困難であるという問題もあった。また、錯体を形成させないと反応液に溶解しないため、配位子となる化合物を用いなければならず、このために、コストが高くなり、かつ、使用される触媒の総重量がさらに多くなってしまうという問題もあった。さらに、配位子は、通常、高価であり、あるいは煩雑な合成を要するという問題もあった。

産業上の利用分野


本発明は、リビングラジカル重合に用いられる高活性触媒およびそれを用いた重合方法に関する。より具体的には、本発明は、典型元素(ゲルマニウム、スズ、またはアンチモン)を中心元素として有する触媒をリビングラジカル重合に用いる。

特許請求の範囲 【請求項1】
ラジカル反応開始剤を用いるリビングラジカル重合法においてドーマント種からラジカルを可逆的に生成させるための触媒であって、該触媒は、以下の一般式(I)の化合物からな
MX (I)
[式中、Rはアリールまたは置換アリールであり、
nは1~3の整数であり、
Mは中心元素であって、ゲルマニウムあり、
はハロゲンであり、
mは1~3の整数である。
該リビングラジカル重合法は、該触媒、ラジカル反応開始剤及び有機ハロゲン化物の存在下にラジカル重合性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含する方法であり、
該有機ハロゲン化物は、下記一般式(II):
CR (II)
[式中、R及びRは、独立して、ハロゲン、水素またはアルキルであり、Rは、アリールまたはシアノであり、Xはハロゲンである。]で表される化合物である、
リビングラジカル重合法に使用する触媒。

【請求項2】
請求項1に記載の触媒であってはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素であり、mは2または3である、触媒。

【請求項3】
請求項2に記載の触媒であって、nは1であり、mは3である、触媒。

【請求項4】
請求項3に記載の触媒であって、Rはフェニル、メチルフェニルまたはメチルオキシフェニルである、触媒。

【請求項5】
リビングラジカル重合を行う方法であって、有機ハロゲン化物、ラジカル反応開始剤および請求項1に記載の触媒の存在下で、ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させる工程を包含し、
ここで、該モノマーが、一般式CH=C(CH)Rで示される化合物であり、Rがカルボシキシレートまたはカルボン酸であ
該有機ハロゲン化物が、下記一般式(II):
CR (II)
[式中、R及びRは、独立して、ハロゲン、水素またはアルキルであり、Rは、アリールまたはシアノであり、Xはハロゲンである。]
で表される化合物である、
方法。

【請求項6】
請求項5に記載のリビングラジカル重合を行う方法であって、前記式(II)において、ハロゲンたはアルキルである、方法

【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物は、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化置換アルキルであり、該アルキルが3級アルキルである、方法。

【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物は、C(CH(CN)Iである、方法。

【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記触媒化合物のはフェニル、低級アルキルフェニルまたは低級アルキルオキシフェニルであり、Xはヨウ素である、方法。

【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記触媒化合物のnは1であり、mは3である、方法。

【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記触媒化合物のRはフェニル、メチルフェニルまたはメチルオキシフェニルである、方法。

【請求項12】
請求項7に記載の方法であって、触媒濃度が、反応溶液のうちの1重量%以下であり、反応温度が、20℃~90℃である、方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 食品
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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