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燃料電池用電極触媒及びその製造方法並びに該触媒を用いた燃料電池 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P07P005125
整理番号 IP17-076
掲載日 2007年8月24日
出願番号 特願2006-027005
公開番号 特開2007-207662
登録番号 特許第4452889号
出願日 平成18年2月3日(2006.2.3)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
登録日 平成22年2月12日(2010.2.12)
発明者
  • 尾崎 純一
  • 大谷 朝男
  • 佐藤 匡弘
  • 谷藤 信一
  • 木村 直文
  • 守屋 清志
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
  • 日清紡ホールディングス株式会社
発明の名称 燃料電池用電極触媒及びその製造方法並びに該触媒を用いた燃料電池 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】酸素還元活性を炭素化材自体にもたせ、これにより炭素化材の酸素還元活性を向上し、高価な白金や白金合金等の貴金属を担持せずに、或いは僅かな貴金属の使用で、高い酸素還元活性を発現する。
【解決手段】燃料電池用電極触媒は遷移金属共存下で炭素化調製して得られた炭素化材からなり、この炭素化材は、多数の平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子が非凝集状態で集合して形成される。また上記シェル状構造の炭素粒子の(002)面反射に対応するX線回折線図における先鋭成分面積と略平坦成分面積との合計面積に対する先鋭成分面積の割合が0.1以上である。更にシェル状構造の炭素粒子の炭素網面のエッジ面に、シェル状構造の炭素粒子表面の炭素に対して原子比で0.01~0.2の窒素を含む。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


高効率、無公害の燃料電池の実用化は、地球温暖化、環境汚染問題に対する重要な対処手段である。とくに昨今、電気自動車(FCEV)や定置用電熱併供システム(CG-FC)に用いられる固体高分子型燃料電池は、低コスト化の可能性が大きく、広く研究、開発競争が展開されている。
こうした固体高分子型燃料電池において、その反応は多孔質ガス拡散電極内で起こる。十分な電流密度I(A/投影電極面積)を得るために、その電極としては、比表面積が大きくかつ導電性のあるカーボンブラックを多孔質構造体兼触媒担体としたものが一般に使用されている。また、その触媒としては白金(Pt)あるいは白金合金系触媒(Pt-Fe,Pt-Cr,Pt-Ru)が使用され、これら貴金属触媒が担体に高分散担持(粒径2~数十nm)されている。



固体高分子型燃料電池では、これまで特に、カソード極で起こる酸素の還元反応が非常に起こりにくいため、標準的担体材料としてのある決まった銘柄の炭素担体に、触媒である白金が、例えば、1mg/cm2の割合で多量に投入されてきた。即ち、白金の標準的担体材料としては、(1)カーボンブラック、例えばカーボンブラック(Carbon Black)B1 Degussa-Huels社(フランクフルト)、(2)ファーネスブラック、例えばバルカン(Vulcan)XC-72 Cabot社(マサチューセッツ)、(3)アセチレンブラック、例えばシャウイニガンブラック(Shawinigan Black)Chevron Chemicals社(ヒューストン、テキサス)などが挙げられる。
しかしながら、従来の標準的担体材料であるカーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックへの白金の担持の仕方は、白金をできるだけ微分散させることに多くの努力が傾注されてきた。そこでは、カーボンブラック等の標準的担体材料は、単に白金を分散させ易くするとともに、担体自体が導電性を与える媒体に過ぎず、担持された白金の活性化を十分に図ることができなかった。



この点を改良するために、難黒鉛化性炭素を主成分とする炭素材料であって、その構造の少なくとも一部に乱層構造を有するものを電極触媒として用いる燃料電池用電極触媒が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この燃料電池用電極触媒では、難黒鉛化性炭素を生成する原材料に金属化合物を添加混合した後、焼成による炭素化処理により得られかつその構造の少なくとも一部に乱層構造を有するものが電極触媒として用いられる。
このように構成された燃料電池用電極触媒では、白金又は白金系合金等の貴金属触媒の代替として廉価で触媒活性の高い電極触媒が得られ、容易に製造することができるとともに、炭素化過程を制御することにより望み通りの触媒機能を備える炭素材料が得られるようになっている。
また白金又は白金合金を担持した炭素基材が窒素原子又はホウ素原子がドープされた平均粒径45μm以下のカーボンアロイ微粒子であって、炭素基材が含窒素化合物又は含ホウ素化合物と熱硬化性樹脂の前駆体とを加熱反応させて重合し、これにより得られた窒素化合物含有熱硬化性樹脂又はホウ素化合物含有硬化性樹脂を熱処理して炭素化し、炭素化された窒素化合物含有熱硬化性樹脂又はホウ素化合物含有硬化性樹脂を微粉砕してなるカーボンアロイ微粒子である燃料電池用電極触媒が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
このように構成された燃料電池用電極触媒では、炭素中に窒素又はホウ素のいずれか一方又は双方が導入された場合、導入した元素は炭素構造の発達を妨げる。これに伴い、基底面とは垂直方向のエッジ面の割合が増加する。エッジ面は基底面に比べて電子的、化学的に活性であり、このため、これと接触した白金は活性化される。また、同時に電極触媒では電子が増加し、炭素基材中にホウ素原子がドープされた場合、電極触媒では電子が減少する。これにより窒素原子又はホウ素原子がドープされない場合と比較して、窒素原子又はホウ素原子がドープされた炭素基材は導電性材料としての機能だけでなく、酸素還元の機能が付加され、担持された白金の活性化がより高まるようになっている。
【特許文献1】
特開2003-249231号公報(請求項1及び2、段落[0046]、段落[0047])
【特許文献2】
WO 2006/003831 A1(請求項1及び4、段落[0017])

産業上の利用分野


本発明は、白金や白金合金等の貴金属を全く担持しないか、或いはその使用量を極力抑えた燃料電池用電極触媒と、この触媒を製造する方法と、この触媒を用いた燃料電池に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
遷移金属共存下で炭素化調製して得られた炭素化材からなる燃料電池用電極触媒において、
前記炭素化材は、多数の平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子が非凝集状態で集合して形成され
前記シェル状構造の炭素粒子の炭素網面のエッジ面に、前記シェル状構造の炭素粒子表面の炭素に対して原子比で0.01~0.2の窒素を含む
ことを特徴とする燃料電池用電極触媒。

【請求項2】
シェル状構造の炭素粒子の(002)面反射に対応するX線回折線図における先鋭成分面積と略平坦成分面積との合計面積に対する前記先鋭成分面積の割合が0.1以上である請求項1記載の燃料電池用電極触媒。

【請求項3】
ェル状構造の炭素粒子表面の炭素に対して原子比で0.01~0.7のホウ素を含む請求項1又は2記載の燃料電池用電極触媒。

【請求項4】
遷移金属をイオン交換樹脂に導入して前記遷移金属含有イオン交換樹脂を調製する工程と、
前記遷移金属含有イオン交換樹脂を600~2000℃の温度で熱処理して平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子の集合体である炭素化材を調製する工程と、
前記炭素粒子の炭素網面のエッジ面に窒素又は窒素及びホウ素を液相ドープ法により導入する工程と
を含む燃料電池用電極触媒の製造方法。

【請求項5】
遷移金属をイオン交換樹脂に導入して前記遷移金属含有イオン交換樹脂を調製する工程と、
前記遷移金属含有イオン交換樹脂を600~2000℃の温度で熱処理して平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子の集合体である炭素化材を調製する工程と、
前記炭素粒子の炭素網面のエッジ面に窒素又は窒素及びホウ素を気相ドープ法により導入する工程と
を含む燃料電池用電極触媒の製造方法。

【請求項6】
遷移金属をイオン交換樹脂に導入して前記遷移金属含有イオン交換樹脂を調製する工程と、
前記遷移金属含有イオン交換樹脂を炭素前駆体中に導入してポリマー混合物を調製する工程と、
前記ポリマー混合物を600~2000℃の温度で熱処理して平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子の集合体である炭素化材を調製する工程と、
前記炭素粒子の炭素網面のエッジ面に窒素又は窒素及びホウ素を液相ドープ法により導入する工程と
を含む燃料電池用電極触媒の製造方法。

【請求項7】
遷移金属をイオン交換樹脂に導入して前記遷移金属含有イオン交換樹脂を調製する工程と、
前記遷移金属含有イオン交換樹脂を炭素前駆体中に導入してポリマー混合物を調製する工程と、
前記ポリマー混合物を600~2000℃の温度で熱処理して平均粒径10~20nmのシェル状構造の炭素粒子の集合体である炭素化材を調製する工程と、
前記炭素粒子の炭素網面のエッジ面に窒素又は窒素及びホウ素を気相ドープ法により導入する工程と
を含む燃料電池用電極触媒の製造方法。

【請求項8】
請求項1ないしいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒を固体高分子電解質膜の一方又は双方の面に層状に形成した電解反応層を有する燃料電池。

【請求項9】
請求項4ないし7いずれか1項に記載の方法で製造された燃料電池用電極触媒を固体高分子電解質膜の一方又は双方の面に層状に形成した電解反応層を有する燃料電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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