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青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法及び青色系蛍光体の製造方法

国内特許コード P07A010267
掲載日 2007年8月24日
出願番号 特願2005-050456
公開番号 特開2006-233047
登録番号 特許第4670079号
出願日 平成17年2月25日(2005.2.25)
公開日 平成18年9月7日(2006.9.7)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発明者
  • 井上 幸司
  • 庄山 昌志
  • 村山 正樹
  • 鳥居 保良
出願人
  • 三重県
発明の名称 青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法及び青色系蛍光体の製造方法
発明の概要

【課題】 酸化亜鉛にマグネシウムが多量に固溶した青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体及びその製造方法、並びに紫外線、電界及び電子線に対して安定であり、優れた青色発光特性を有する青色系蛍光体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本酸化亜鉛系固溶体は、ZnとMgとOとを含み、一般式Zn1-xMgOで表した場合に、xが0.05≦x≦0.25を満たす。本青色系蛍光体は、上記酸化亜鉛系固溶体が酸素欠陥しており、450~490nmの波長領域に発光ピークを有する。本酸化亜鉛系固溶体の製造方法は、Zn及びMgを溶解状態で含み且つこれらのモル比(Zn/Mg)が、0.95/0.05~0.75/0.25である混合水溶液と、有機酸成分(例えば、シュウ酸アンモニウム等)と、を混合することにより有機酸複塩を共沈させる共沈工程と、得られた有機酸複塩を450~1000℃で熱分解する熱分解工程と、を備える。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


従来、青色系の蛍光体としては、ZnS:Agなどの硫化物が使われていた。しかし、硫化物には毒性があり、更には真空中では高温で熱分解してしまうので、蛍光体としての安定性に欠ける難点があった。
そのため、色の3原色(赤、緑、青)の内、赤色系や緑色系の発光を示す酸化物系蛍光体がこれまでに多数見い出されてきたが、波長の短い青色系の発光を示す酸化物系蛍光体としては、スピネル型酸化物であるZnGaのみしか知られていない。
しかしながら、上記ZnGaにおいては、Gaが原料として極めて高価であり、発光輝度も低いという難点があるため、安価で、且つ発光効率が高く、更には環境に優しい酸化物系の青色系蛍光体の開発が望まれている。また、このような蛍光体としては更に、微細な粒子であり、粒径が揃っており、組成の均一性が高く、不純物の混入や機械的な歪みがないことが強く要望されている。



また、上記緑色の蛍光体としては、従来より、酸化物系蛍光体の1種である自己付活型ZnO蛍光体(ZnO:Zn)が、真空中或いは水素還元雰囲気での熱処理によって、ZnO結晶中に生成する酸素欠陥が発光中心となり、緑色系の発光を示し且つ導電性も示すことから、蛍光表示管用蛍光体等として使用されている。
ZnO:Znの緑色発光は自由キャリアと束縛キャリアの再結合によると云われている。その発光機構は長い間にわたって議論され、酸素欠陥が発光中心として働くことは確かであるが、詳細にはまだ確定していない。有力な説の1つとして、「ZnO格子中の酸素欠陥は伝導帯から比較的深い位置にドナー準位を形成し、ドナー準位の束縛キャリア(非局在電子)と価電子帯に存する束縛キャリア(正孔)との再結合によって緑色発光を起こす」ことが挙げられる。



蛍光を示す半導体などでは、粒子を極端に小さくすると、発光波長は赤、緑、青と短くなる現象が知られている。これはナノサイズ量子効果によって半導体のバンドギャップが大きくなり、伝導帯に励起された自由電子が価電子帯の正孔と再結合する際の発光エネルギーが大きくなるからである。いわゆる、エキシトン発光である。
上記ZnOはGaNやZnSと同様の結晶構造を持ち、酸化物としては共有結合性が極めて強く、ワイドバンドギャップ半導体としての特殊な例である。
ナノサイズ量子効果により半導体のバンドギャップを大きくするという点では、ZnOに対しても原理的に適用でき、ZnO:Znの青色発光への可能性は十分にあるが、数nm以下のZnOナノ粒子を作製することは一般には難しく、複雑なプロセスを要し、製造コストは非常に高くなる。また、ナノ粒子粉体は、反応活性が高くて嵩ばることから、蛍光体粉体として工業的には取り扱いづらくなることが予測される。

産業上の利用分野


本発明は、青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法及び青色系蛍光体の製造方法に関する。更に詳しくは、酸化亜鉛にマグネシウムが多量に固溶した青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法、並びに紫外線、電界及び電子線に対して安定であり、優れた青色発光特性を有する青色系蛍光体の製造方法に関する。
本発明は、蛍光表示管や電界放射型ディスプレイなどの蛍光体を用いた表示装置分野等において幅広く利用できる。

特許請求の範囲 【請求項1】
Zn及びMgを溶解状態で含む混合水溶液と、有機酸成分と、を混合することにより有機酸複塩を共沈させる共沈工程と、得られた有機酸複塩を熱分解する熱分解工程と、を備える青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法であって、
上記混合水溶液における上記Znと上記Mgのモル比(Zn/Mg)が、0.92/0.080.85/0.15であり、
上記熱分解工程における熱分解温度が、450~1000℃であり、
得られる青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体が、一般式Zn1-xMgO(0.08≦x≦0.15)で表され
上記混合水溶液は、亜鉛化合物及びマグネシウム化合物を含有するものであり、
上記亜鉛化合物が、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、フッ化亜鉛、硝酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リン酸亜鉛又は硫酸亜鉛であり、
上記マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、シュウ酸マグネシウム又は硫酸マグネシウムであり、
上記有機酸成分が、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、蟻酸、酢酸又はシュウ酸アンモニウムであり、
上記青色系蛍光体が、470.1~478.2nmの波長領域に発光ピークを有することを特徴とする青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法。

【請求項2】
Zn及びMgを溶解状態で含む混合水溶液と、有機酸成分と、を混合することにより有機酸複塩を共沈させる共沈工程と、得られた有機酸複塩を熱分解する熱分解工程と、を備える青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法であって、
上記混合水溶液は、塩化亜鉛及び塩化マグネシウムを含有するものであり、
上記有機酸成分が、シュウ酸アンモニウムであり、
上記混合水溶液における上記Znと上記Mgのモル比(Zn/Mg)が、0.92/0.08~0.85/0.15であり、
上記熱分解工程における熱分解温度が、450~1000℃であり、
得られる青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体が、一般式Zn1-xMgO(0.08≦x≦0.15)で表され、
上記青色系蛍光体が、470.1~478.2nmの波長領域に発光ピークを有することを特徴とする青色系蛍光体用酸化亜鉛系固溶体の製造方法。

【請求項3】
Zn及びMgを溶解状態で含む混合水溶液と、有機酸成分と、を混合することにより有機酸複塩を共沈させる共沈工程と、得られた有機酸複塩を熱分解する熱分解工程と、得られた熱分解物を還元雰囲気下において加熱処理する加熱処理工程と、を備える青色系蛍光体の製造方法であって、
上記混合水溶液における上記Znと上記Mgのモル比(Zn/Mg)が、0.92/0.080.85/0.15であり、
上記熱分解工程における熱分解温度が、450~1000℃であり、
得られる熱分解物が、一般式Zn1-xMgO(0.08≦x≦0.15)で表される酸化亜鉛系固溶体であり、
上記加熱処理工程における熱処理温度が、800~1100℃であり、
得られる青色系蛍光体が、470.1478.2nmの波長領域に発光ピークを有し、
上記混合水溶液は、亜鉛化合物及びマグネシウム化合物を含有するものであり、
上記亜鉛化合物が、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、フッ化亜鉛、硝酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リン酸亜鉛又は硫酸亜鉛であり、
上記マグネシウム化合物が、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、シュウ酸マグネシウム又は硫酸マグネシウムであり、
上記有機酸成分が、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、蟻酸、酢酸又はシュウ酸アンモニウムであることを特徴とする青色系蛍光体の製造方法。

【請求項4】
Zn及びMgを溶解状態で含む混合水溶液と、有機酸成分と、を混合することにより有機酸複塩を共沈させる共沈工程と、得られた有機酸複塩を熱分解する熱分解工程と、得られた熱分解物を還元雰囲気下において加熱処理する加熱処理工程と、を備える青色系蛍光体の製造方法であって、
上記混合水溶液は、塩化亜鉛及び塩化マグネシウムを含有するものであり、
上記有機酸成分が、シュウ酸アンモニウムであり、
上記混合水溶液における上記Znと上記Mgのモル比(Zn/Mg)が、0.92/0.08~0.85/0.15であり、
上記熱分解工程における熱分解温度が、450~1000℃であり、
得られる熱分解物が、一般式Zn1-xMgO(0.08≦x≦0.15)で表される酸化亜鉛系固溶体であり、
上記加熱処理工程における熱処理温度が、800~1100℃であり、
得られる青色系蛍光体が、470.1~478.2nmの波長領域に発光ピークを有することを特徴とする青色系蛍光体の製造方法。
産業区分
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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