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細胞固定化材 新技術説明会

国内特許コード P07A010269
掲載日 2007年8月24日
出願番号 特願2004-317106
公開番号 特開2006-124346
登録番号 特許第4686703号
出願日 平成16年10月29日(2004.10.29)
公開日 平成18年5月18日(2006.5.18)
登録日 平成23年2月25日(2011.2.25)
発明者
  • 増田 秀樹
  • 猪股 智彦
  • 舩橋 靖博
  • 松本 健司
  • 小澤 智宏
  • 実川 浩一郎
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 細胞固定化材 新技術説明会
発明の概要

【課題】 標的細胞を基材上に固定する固定化材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する固定化材であって、基材と、該基材の表面に単分子膜状に配列した所定の鎖長のリンカーと、該リンカーを介して前記基材上に配置されたシデロフォア又はそのアナログとを備える。前記リンカーの鎖長は、前記基材上に配置された状態の前記標的細胞の細胞膜を理論上貫通しない長さに規定されている。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


細胞内に鉄(Fe)を取り込む機構の一つとしてシデロフォアを介する機構が知られている。シデロフォアは、細菌や真菌がFeイオンを取り込むために体外に分泌する分子である。分泌されたシデロフォアは環境中のFeを捕捉して錯体(シデロフォア-Fe複合体)を形成する。この錯体は、膜タンパク質であるシデロフォアレセプターにより認識され、該レセプター部位を透過して細胞内に取り込まれる。そして、取り込まれた錯体からFeイオンが遊離され、細胞活動に利用される。なお、自らシデロフォアの生産及び分泌を行わない細菌等のなかにも、他の細菌等により生産され分泌された(外来性の)シデロフォアを利用して同様にFeを取り込むものがある。
特許文献1には、基板表面から少なくとも所定長さ離して該基材表面にリンカーで繋ぎ止めたリガンド(ヘム、シデロフォア、多糖類等)を用いて、生物学的分析対象物を同定する方法が記載されている。シデロフォア等を利用して病原体を同定する技術に関する他の従来技術文献として特許文献2が挙げられる。




【特許文献1】特開2003-185668号公報

【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0137428号明細書

産業上の利用分野


本発明は、所定の標的細胞を基材上に固定する細胞固定化材及びその製造方法に関する。また本発明は、そのような固定化材の製造に適した新規な人工シデロフォアに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する固定化材であって、
基材と、
該基材の表面に単分子膜状に配列した所定の鎖長のリンカーと、
該リンカーに結合し、該リンカーを介して前記基材上に配置された人工シデロフォアであって、少なくとも一種の金属をキレートし得る部分を備え、下記式(1):
-C[R1N(OH)C(=O)R23 (1)
(式中、R1は二価の有機基である。R2は炭素数1~6のアルキル基である。);
で表される構造部分を備える人工シデロフォアと、
を備えており、ここで前記リンカーの鎖長は、前記基材上に配置された状態の前記標的細胞の細胞膜を理論上貫通しない長さに規定されていることを特徴とする細胞固定化材。

【請求項2】
前記人工シデロフォアにキレートされた金属を含む、請求項1に記載の細胞固定化材。

【請求項3】
シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する固定化材であって、
基材と、
該基材の表面に単分子膜状に配列した所定の鎖長のリンカーと、
該リンカーに結合し、該リンカーを介して前記基材上に配置された人工シデロフォアであって、少なくとも一種の金属をキレートし得る部分を備え、下記式(1):
-C[R1N(OH)C(=O)R23 (1)
(式中、R1は二価の有機基である。R2は炭素数1~6のアルキル基である。);
で表される構造部分を備える人工シデロフォアと、
前記人工シデロフォアにキレートされた重金属であって前記標的細胞内において該人工シデロフォアから実質的に遊離されない重金属と、
を備えることを特徴とする細胞固定化材。

【請求項4】
前記リンカーの鎖長は、前記基材上に配置された状態の前記標的細胞の細胞膜を理論上貫通する長さに規定されている、請求項3に記載の細胞固定化材。

【請求項5】
前記標的細胞が細菌細胞である、請求項1~4のいずれかに記載の細胞固定化材。

【請求項6】
前記基材、前記リンカー及び前記人工シデロフォアは、該基材と前記人工シデロフォアとの間で該リンカーを介した電子伝達が可能となる物質により構成されている、請求項1~5のいずれかに記載の細胞固定化材。

【請求項7】
前記人工シデロフォアは、下記式(3):
Y-C[R3NHC(=O)R4N(OH)C(=O)R53 (3)
(式中、R3及びR4は同一の又は異なるアルキレン基であってR3の炭素数とR4の炭素数との合計は3~6である。R5は炭素数1~6のアルキル基である。Yはアミノ基、アルキルアミノ基又はニトロ基である。);
または下記式(4):
【化学式1】



で表される人工シデロフォアがリンカーに結合したものである、請求項1~6のいずれかに記載の細胞固定化材。

【請求項8】
シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する固定化材を製造する方法であって、以下の工程:
所定の鎖長のリンカーが表面に単分子膜状に配列した基材を用意する工程、ここで該リンカーの鎖長は、該基材上に配置された状態の前記標的細胞の細胞膜を理論上貫通しない長さに規定される;及び
少なくとも一種の人工シデロフォアであって少なくとも一種の金属をキレートし得る部分を備え、下記式(2):
X-C[R1N(OH)C(=O)R23 (2)
(式中、R1は二価の有機基である。R2は炭素数1~6のアルキル基である。Xは前記リンカーの先端と結合し得る官能基である。);
で表される人工シデロフォアを、前記リンカーに結合する工程;
を包含する方法。

【請求項9】
前記人工シデロフォアに所定の金属をキレートする工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する固定化材を製造する方法であって、以下の工程:
所定の鎖長のリンカーが表面に単分子膜状に配列した基材を用意する工程;及び
少なくとも一種の人工シデロフォアであって、少なくとも一種の金属をキレートし得る部分を備え、下記式(2):
X-C[R1N(OH)C(=O)R23 (2)
(式中、R1は二価の有機基である。R2は炭素数1~6のアルキル基である。Xは前記リンカーの先端と結合し得る官能基である。);
で表される人工シデロフォアを、前記リンカーに結合する工程;及び
前記人工シデロフォアに、少なくとも一種の重金属であって前記標的細胞内において該人工シデロフォアから実質的に遊離されない重金属をキレートする工程;
を包含する方法。

【請求項11】
前記人工シデロフォアとして、下記式(3):
Y-C[R3NHC(=O)R4N(OH)C(=O)R53 (3)
(式中、R3及びR4は同一の又は異なるアルキレン基であってR3の炭素数とR4の炭素数との合計は3~6である。R5は炭素数1~6のアルキル基である。Yはアミノ基、アルキルアミノ基又はニトロ基である。);
で表される人工シデロフォア、もしくは、
下記式(4):
【化学式2】



で表される人工シデロフォアを用いる、請求項8~10のいずれかに記載の方法。

【請求項12】
下記式(3):
Y-C[R3NHC(=O)R4N(OH)C(=O)R53 (3)
(式中、R3及びR4は同一の又は異なるアルキレン基であってR3の炭素数とR4の炭素数との合計は3~6である。R5は炭素数1~6のアルキル基である。Yはアミノ基、アルキルアミノ基又はニトロ基である。)
で表される人工シデロフォア。

【請求項13】
下記式(4):
【化学式3】


で表される人工シデロフォア。

【請求項14】
シデロフォアを介して鉄を内部に取り込む機構を有する所定の標的細胞を基材上に固定する方法であって、以下の工程:
請求項1~7のいずれかに記載の固定化材を用意する工程;及び
前記固定化材に含まれる人工シデロフォアによってキレートされ得る少なくとも一種の金属の存在下において該固定化材に前記標的細胞を接触させる工程;
を包含する方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004317106thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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