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浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性の推定方法及び推定プログラム

国内特許コード P07A010289
掲載日 2007年8月24日
出願番号 特願2005-078548
公開番号 特開2006-258391
登録番号 特許第4797157号
出願日 平成17年3月18日(2005.3.18)
公開日 平成18年9月28日(2006.9.28)
登録日 平成23年8月12日(2011.8.12)
発明者
  • 長野 靖尚
  • 服部 博文
  • 森田 昭生
  • 松井 秀也
出願人
  • 学校法人名古屋工業大学
発明の名称 浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性の推定方法及び推定プログラム
発明の概要

【課題】熱移動によって発生した浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性を推定する方法およびコンピュータによって実行可能な,浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性の推定プログラムを提供する.
【解決手段】熱移動を伴う流れ場についての乱流の2方程式モデルにおいて,レイノルズ応力を


,強制対流に関する項をF,浮力に関する項をG
とすると


の式を用いてレイノルズ応力を算出して,速度場の計算をし,乱流熱流束を


,乱流熱流束の強制対流に関する項をFt,乱流熱流束の浮力に関する項をGtとすると,


の式を用いて乱流熱流束を算出して,上記速度場における温度場の計算をすることを特徴とする,乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値の推定方法
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


熱移動を伴う流れ場を有する場合の,放熱特性や流体の圧力損失を算出することは,たとえば電気機器等の電子部品の実装密度を高め,省スペースに設計する場合などに必要である.これらを実験的に求めることが一般に行われているが,試作等を要するため多くの時間とコストがかかるという問題がある.
熱移動を伴う流れ場を,シュミレーションし解析的に解く為には,連続の方程式,運動の方程式であるナビエストークス方程式及びエネルギー式を解く必要がある. 流れが層流である場合は,流れの現象をあらわす運動方程式等は乱流の場合に比較して簡単であり,方程式を解くことにより計算できる場合が多いが,実際の機器においては,多くの場合流れは乱流となっており,解析的に解を求めることはできないのが実情である.
乱流の場合にこれらの方程式を解くことを困難にしているのは,レイノルズ平均化されたナビエストークス方程式のなかにあるレイノルズ応力項と,同じくレイノルズ平均化されたエネルギー式の中にある乱流熱流束項である.レイノルズ応力項は速度変動部分の積の平均であり,乱流熱流束項は速度変動と温度変動の積の平均であるから,乱流現象を厳密に小変動にいたるまで計算しなければ算出できない.厳密に解析する方法として,DNS(Direct Numerical Simulation)があるが,計算できるのはレイノルズ数の小さな(つまり寸法と,速度の積が小さな)場合に限られ,機器設計等での実際の流れ場においては,
計算すべき格子点数が膨大になりコンピューターの計算容量から計算は実質的には不可能である.
そこで,このレイノルズ応力項や乱流熱流束項を簡単な式に代表させ,方程式を解くことが行われている.この簡単な式をモデル式と言っている.従来モデルの例としてMKCOモデル式がある.以下にMKCOモデル式を示す.レイノルズ応力項は次のように表される.





ここで,




は,速度場における浮力のダンピング関数であって,次式で表される.





乱流熱流束項は次式で表される.





ここで,




は,速度場における浮力のダンピング関数であって,次式で表される.





以上のMKCOモデル式の記号の意味は以下のとおりである.





はそれぞれ乱流エネルギーkの速度平均勾配における生成項,浮力による生成項,散逸率である.大文字Cで表される項は係数であり,式または値で与えられる.その他の記号は他の式の場合とあわせ,この後に記載する.

このモデル式は浮力を伴う乱流を計算するのに優れたモデル式とされているが,次の欠点がある.
1)乱流熱流束項




が平均温度勾配




に比例するため,平均温度勾配がほとんどない場合に乱流熱流束が計算上ゼロになるが,実際はゼロでない.つまり,現象を正しく表していないため,この項が影響する場合の計算精度が悪くなる.
2)式が場合分けによって選択する形になっているため,座標依存性があり,座標軸と重力方向によって,同一の式で計算ができない.つまり重力方向に対し流路が斜め形状の場合などでは計算が困難である.

【非特許文献1】村上周三著 「CFDによる環境設計工学」東京大学出版 2000年153~165―ページ

産業上の利用分野


本発明は,各種機械,電子機器等の流体による放熱設計や,冷暖房時の室内気流の解析等において必要となる,熱移動によって発生した浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性を推定する方法およびコンピュータによって実行可能な,浮力を伴う乱流の流体的及び熱的諸特性の推定プログラムに関するものである.

特許請求の範囲 【請求項1】
熱移動を伴う流れ場についての乱流の2方程式モデルを用いて,乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値を推定するコンピュータによって実行される,流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値の推定方法であって,
前記コンピュータは,流れ場の温度,速度等を定める条件となる必要なデータを入力するための入力手段と,乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値を求める演算手段とを有しており,
前記演算手段が,前記入力手段によって入力されたデータに基づいてレイノルズ応力を

,強制対流に関する項をF,浮力に関する項をGとすると



の式を用いてレイノルズ応力を算出して,速度場の計算をし,乱流熱流束を

,乱流熱流束の強制対流に関する項をFt,乱流熱流束の浮力に関する項をGtとすると,



の式を用いて乱流熱流束を算出して,上記速度場における温度場の計算をすることを特徴とする,乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値の推定方法

【請求項2】
熱移動を伴う流れ場についての乱流の2方程式モデルを用いて,
乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値の推定するコンピュータを,流れ場の温度,速度等を定める条件となる必要なデータを入力するための入力手段,入力手段によって入力されたデータに基づいてレイノルズ応力を


,強制対流に関する項をF,浮力に関する項をGとすると



の式を用いてレイノルズ応力を算出して,速度場の計算を行い,乱流熱流束を


,乱流熱流束の強制対流に関する項をFt,乱流熱流束の浮力に関する項をGtとすると,



の式を用いて乱流熱流束を算出して,上記速度場における温度場の計算をすることを特徴とする,乱流流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値を求める演算手段,および演算手段によって求められた速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値を表示する出力手段,として機能させるコンピュータによって実行可能な熱移動を伴う流れ場の速度分布,温度分布,レイノルズ応力,乱流熱流束等の特性値の推定プログラム
産業区分
  • 加熱冷却
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005078548thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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