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液晶の流動による液晶分子場歪み発生機構並びにこの機構を用いた速度・変位量センサ並びに歪み速度・歪み量センサ

国内特許コード P07A010332
整理番号 H16026
掲載日 2007年10月11日
出願番号 特願2005-032129
公開番号 特開2006-220457
登録番号 特許第4803344号
出願日 平成17年2月8日(2005.2.8)
公開日 平成18年8月24日(2006.8.24)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 蝶野 成臣
  • 辻 知宏
出願人
  • 高知県公立大学法人
発明の名称 液晶の流動による液晶分子場歪み発生機構並びにこの機構を用いた速度・変位量センサ並びに歪み速度・歪み量センサ
発明の概要 【課題】 液晶分子場を歪ませ、該歪み発生現象から得られるさまざまな物理的変動を利用するための機構並びに該機構を利用した応用装置の提供。
【解決手段】 液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する第1部材と、前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶配向に対する束縛力を有する第2配向面を備える第2部材と、前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶からなり、前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に歪みを生じせしめることを特徴とする液晶の流動による液晶分子場歪み発生機構である。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


すべての物質には気体・液体・結晶の3状態があることは、一般によく知られている。ある種の物質は、この3状態に加えて、液体と結晶の中間的状態をとる場合があり、該中間的状態が「液晶状態」と呼ばれる。「液晶状態」をとる物質は、該物質の構成分子が棒状或いは円板状等の特別な形状を有する。



「液晶状態」をとる物質は、「結晶状態」とされると、その分子配列が重心位置及び分子の向きがともに規則正しく並んでいる状態となり、「液晶状態」とされると、重心位置が不規則となる一方で、分子の向きの規則性は略維持された状態となり、「液体状態」とされると、重心位置及び分子の向きが不規則な状態となる。「液晶状態」のときの、液晶分子の局所的平均配向方向は、「配向方向」或いは「ディレクタ」と表される。
液晶は、その構成分子の配向状態により、「ネマティック液晶」、「コレステリック液晶」、「スメクティック液晶」の3種類に大別される。
このような「液晶状態」をとる物質、即ち、液晶は液晶ディスプレイを筆頭に様々な工業製品に応用されている。近年になり、液晶における圧電効果が発見され圧電材料としての利用用途が期待されている。



液晶の圧電効果について説明する。図1は、分子の分極状態を示す図であり、図1(a)は液晶分子の永久双極子モーメントが分子長軸方向を向いている楔形状分子において、液晶分子の配向場に歪みを生じさせる前の状態を示し、図1(b)は、図1(a)に示す配向場に歪みを生じさせた後の状態を示す。図1(c)は液晶分子の永久双極子モーメントが分子軸に対して垂直方向を向いているバナナ形状分子において、液晶分子の配向場に歪みを生じさせる前の状態を示し、図1(d)は、図1(c)に示す配向場に歪みを生じさせた状態を示す。図1中矢印は永久双極子モーメントの方向を示す。
ある物質は、特定の方向に力を加えると応力に応じた電気分極を生じ、一対の物質表面に正負の電荷が生ずる。この現象は、圧電効果或いは正圧電効果と呼ばれる。また、このような物質に電場をかけると電場に応じた歪みが発生する。この現象は、逆圧電効果と呼ばれる。
このような圧電効果は、気体や液体の状態にある物質においては、該物質を構成する分子がたとえ永久双極子モーメントを有するものであったとしても、自由な分子運動のためにその分子の向きはランダムとなり、巨視的な分極を生じ得ない。また、結晶状態の物質においても、その構成分子が反転対称中心を有する場合には、その分子配列の対称性から巨視的な分極を生ずるものとはならない。
液晶は、流動性を有するものの、短距離とはいえ分子配向の秩序を有する。したがって、液晶分子の配向場に歪みを与えると、巨視的な分極を生ずるものとなる。これは、フレクソエレクトリック効果と呼ばれる。



図1(a)及び(c)に示すように、分子が外力を受けていない場合においては、永久双極子モーメントが対称性を保つ。したがって、分子の形状効果は相殺され、巨視的な分極は発生しない。しかしながら、図1(b)及び(d)に示すように、液晶分子の配向場に歪みを生じさせると、分子配列の対称性が崩れ、巨視的な分極を生ずる。



上述の如く、液晶材料は液晶ディスプレイ等の既によく知られた工業製品への応用のみならず、新たな技術的利用分野への応用が試みられている。特許文献1には、液晶の特性を応用した新規な技術的応用装置が開示されている。特許文献1に開示される装置は、一対の平板間に封入された液晶に所定電圧を加えることによって、該液晶の分子を回転させ、平板間の液晶を流動可能とするものである。この装置は液晶の流動エネルギを利用してアクチュエータなどの装置に利用可能なものである。



【特許文献1】
特開2003-113814号公報

産業上の利用分野


本発明は、液晶分子場に歪みを生じさせる液晶分子場歪み発生機構並びに該液晶分子場歪み発生機構の応用装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶配向に対する束縛力を有する第2配向面を備える第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶からなり、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に歪みを生じせしめ、
前記第1配向面が配向処理により形成され、
該配向処理の方向が、前記第2部材の移動方向に対して平行であり、
時間変動しない液晶配向場の歪みを発生することができる
ことを特徴とする液晶の流動による液晶分子場歪み発生機構。

【請求項2】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶配向に対する束縛力を有する第2配向面を備える第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶からなり、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に歪みを生じせしめ、
前記第1配向面が配向処理により形成され、
該配向処理の方向が、前記第2部材の移動方向に対して平行ではなく、一定周期で変動する液晶配向場の歪み発生することができる
ことを特徴とする液晶の流動による液晶分子場歪み発生機構。

【請求項3】
前記第1部材及び前記第2部材が平行平板であることを特徴とする請求項1記載の液晶分子場歪み発生機構。

【請求項4】
前記第1部材及び前記第2部材が平行平板ではないことを特徴とする請求項2記載の液晶分子場歪み発生機構。

【請求項5】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶配向に対する束縛力を有する第2配向面を備える第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶と前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって誘起される液晶の配向場の時間変動しないか、又は一定周期で変動する歪みにより生ずる第1配向面と第2配向面間の電位差を計測する電位差測定手段を備えることを特徴とする速度・変位量センサ。

【請求項6】
前記電位差測定手段が、前記第1配向面と前記第2配向面のそれぞれ対向する位置に配設される導電体と、
該導電体と電気的に接続する電圧計からなることを特徴とする請求項5記載の速度・変位量センサ。

【請求項7】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する光透過性の第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶に対する束縛力を有する第2配向面を備える光透過性の第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶と、
前記第1部材及び前記第2部材に光を照射し、前記第1部材及び前記第2部材との間に
形成される液晶配向場を通過する光を測定する光測定手段を備え、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に時間変動しないか、又は一定周期で変動する歪みを生じせしめることを特徴とする速度・変位量センサ。

【請求項8】
前記光測定手段が、前記液晶配向場に光線を照射する光源と、
前記光源からの光線を受光する受光器からなることを特徴とする請求項7記載の速度・変位量センサ。

【請求項9】
前記光測定手段が、前記光源からの光の光量を測定することを特徴とする請求項8記載の速度・変位量センサ。

【請求項10】
前記光測定手段が、前記光源からの光の波長を測定することを特徴とする請求項8記載の速度・変位量センサ。

【請求項11】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶配向に対する束縛力を有する第2配向面を備える第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶と、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって誘起される液晶の配向場の歪みにより生ずる第1配向面と第2配向面間の電位差を計測する電位差測定手段と、
前記計測された電位差から、前記第1部材と前記第2部材との間の速度差を算出し、該速度差を前記第1配向面と前記第2配向面との間の間隔で除する演算装置からなり、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に時間変動しないか、又は一定周期で変動する歪みを生じせしめることを特徴とする液晶の流動による歪み速度・歪み量センサ。

【請求項12】
前記電位差測定手段が、前記第1配向面と前記第2配向面のそれぞれに対向する位置に配設される導電体と、
該導電体と電気的に接続する電圧計からなることを特徴とする請求項11記載の歪み速度・歪み量センサ。

【請求項13】
液晶に対する配向処理を施された第1配向面を有する光透過性の第1部材と、
前記第1配向面に対向する面に該第1配向面と異なる強さの液晶に対する束縛力を有する第2配向面を備える光透過性の第2部材と、
前記第1配向面と前記第2配向面の間に形成される空間内に流動可能に封入される液晶と、
前記第1部材及び前記第2部材に光を照射し、前記第1部材及び前記第2部材との間に形成される液晶配向場を通過する光を測定する光測定手段と、
前記計測された光から、前記第1部材と前記第2部材との間の速度差を算出し、該速度差を前記第1配向面と前記第2配向面との間の間隔で除する演算装置からなり、
前記第1部材と前記第2部材との間の速度差によって、前記液晶の配向場に時間変動しないか、又は一定周期で変動する歪みを生じせしめることを特徴とする液晶の流動による歪み速度・歪み量センサ。

【請求項14】
前記光測定手段が、前記液晶配向場に光線を照射する光源と、
前記光源からの光線を受光する受光器からなることを特徴とする請求項13記載の歪み速度・歪み量センサ。

【請求項15】
前記光測定手段が、前記光源からの光の光量を測定することを特徴とする請求項14記載の歪み速度・歪み量センサ。

【請求項16】
前記光測定手段が、前記光源からの光の波長を測定することを特徴とする請求項14記載の歪み速度・歪み量センサ。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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