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短光パルス発生装置

国内特許コード P07A010335
整理番号 H17049
掲載日 2007年10月11日
出願番号 特願2005-211995
公開番号 特開2007-035661
登録番号 特許第5342096号
出願日 平成17年7月22日(2005.7.22)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
登録日 平成25年8月16日(2013.8.16)
発明者
  • 野中 弘二
出願人
  • 公立大学法人高知工科大学
発明の名称 短光パルス発生装置
発明の概要

【課題】 短光パルスが立ち上がる際に生じるタイミングジッタを極めて効果的に抑制することができる短光パルス発生装置の提供。
【解決手段】 電気的制御により間欠的に短光パルスを発振させる半導体レーザを備える短光パルス発生装置であって、前記半導体レーザから照射される出射光の経路となる偏光保持光ファイバと、前記偏光保持光ファイバの下流端に設けられる部分反射部と、前記部分反射部から延設される光ファイバと、前記光ファイバの下流端に設けられる光パルスの逆送を防止する反射戻り防止部を有することを特徴とする。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


近年になって光パルス列を利用する技術の開発が急速に発展している。
この光パルスとは、レーザ照射等により発生される、極端に短い時間幅で点滅する光波束のことであり、一定の間隔で点滅する光の波連のことを光パルス列という、この光パルス列の正確性を利用することにより、光計測や光通信といった技術分野に利用されている。



この光パルス列を発生させるための装置として、モード同期ファイバレーザを利用した装置が知られている。このモード同期ファイバレーザは高品質な短パルスを発生できるが、高精度の制御機構等の多数の付属部品を必要とするため、装置自体が大掛かりな装置となり、取り扱いが極めて困難になるという問題点を有していた。また、発生するパルス光波長もファイバ増幅器の波長帯域により、1.55マイクロメートル近傍に限定されていた。
また、このような装置は、高価な光部品を多数必要としているので、大変高価な装置となる問題点を有していた。



このような問題点を解決するために、半導体レーザを使用して、励起電流によって短光パルスを発生させる技術が開発研究されている。この半導体レーザは、励起電流を制御することにより、発生する短光パルスを制御しようとするものである。この半導体レーザでは、励起電流を制御することにより、発生パルスの繰り返し周波数やパルス幅を直接変調することができるため、従来の光パルス発生装置よりも、短光パルスを発生させるための必要な付属部品を少なくし、装置自体の大きさを低減させることができることが知られている。また、半導体レーザは、発生するパルス光波長も半導体材料の種類による発光帯域を組み合わせることにより、近赤外から可視光まで多くの波長の中から選択することができる利点を有している。



このような半導体レーザを利用する短光パルス発生装置の光パルスの発生機構は、正孔と自由電子である励起キャリアが再結合する過程で発生する自然放出光を共鳴させることにより、レーザ光を発振させる機構である。つまり、半導体に注入される電流値により、励起キャリア密度を所定の値(閾値励起キャリア密度値)以上となるように電圧を印加して、励起キャリア密度を閾値励起キャリア密度値より高くすることによってレーザ発振を発生させている。
このようにして、短光パルスを印加電圧の周期と同じ周期で繰り返し発振させることができるようになる。発生するパルス光波長も半導体材料の種類による発光帯域を組み合わせることにより、近赤外から可視光まで多くの波長の中から選択することができる。



しかしながら、このような短光パルス発生装置では、励起キャリア密度の量が、閾値励起キャリア密度値に近づくと、わずかではあるが励起キャリアの一部が再結合して、増強自然放出光と呼ばれる光の放出が自然的に発生し、励起キャリア密度が低下する現象が起こる。このため、レーザ発振直前の励起キャリア密度が変動し、発振するタイミングの開始にずれが生じることになり、短光パルスが立ち上がるタイミングの大きなばらつき(タイミングジッタ)を生じさせる結果となっていた(図6参照)。
特に、この増強自然放出光は、確率的且つランダムに生じるものであるから、それによって生ずるキャリア密度の揺らぎによるタイミングのばらつきもランダム課程となる。このため、増強自然放出光を抑制することや、増強自然放出光の発生によって減少する励起キャリアの量を調整することは極めて困難であった。



このような問題点を解決するために、特許文献1に開示される短光パルス発生装置が創出されている。
この特許文献1に開示される発明は、半導体レーザから出力された出射光を分光して、この分光された帰還光を半導体レーザに入射させることのできる帰還光入射部が設けられている。更に、位相調整機構を設けることにより、半導体レーザがレーザ発振を開始するタイミングより少し早いタイミングで、半導体レーザの発振方向と偏光方向が一致した帰還光を半導体レーザに入射させることができるようになる。このため、入射される帰還光の影響によってレーザ発振する直前の励起キャリアを補填することができ、発振直前の励起キャリア密度の変動を防止することによってタイミングジッタを抑制することを目的としている。



しかしながら、この特許文献1に開示される発明では、発光制御部や位相調整手段を利用してタイミングジッタの抑制を促していたが、これらの部品や装置は複雑なものであったため、廉価に短光パルス発生装置を製造することができない問題点を有していた。
また、この特許文献1の発明では、レンズにより半導体レーザ導波路の光出力を一旦空間ビームに変換した後、光路長調整を行い、並行平板ミラーで折り返して帰還するため出力光ファイバとの結合効率、帰還光の半導体レーザ導波路との結合効率が調整した光路長により変化するという不安定要因の問題を有していた。このようなため、パルス出力パワーの取り出し効率も悪かった。




【特許文献1】WO2005/006508

産業上の利用分野


本発明は、短光パルス発生装置に関し、より詳しくは、短光パルスが立ち上がる際に生じるタイミングジッタを極めて効果的に抑制することができる短光パルス発生装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電気的制御により間欠的に短光パルスを発振させる半導体レーザを備える短光パルス発生装置であって、
前記半導体レーザから照射される出射光の経路となる偏光保持光ファイバと、
前記偏光保持光ファイバの下流端に設けられる部分反射部と、
前記部分反射部から延設される光ファイバと、
前記光ファイバの下流端に設けられる光パルスの逆送を防止する反射戻り防止部を有し、
前記偏光保持光ファイバの長さは10m以上であり、
前記部分反射部が、前記偏光保持光ファイバの下流端と前記光ファイバの入射端の屈折率の差を利用して形成されており、
前記偏光保持光ファイバの長さが、所望の光パルスの繰り返し周波数による光路長の整数倍を、該偏光保持光ファイバが有する屈折率の2倍で除した長さより1~10mm短い長さであることを特徴とする短光パルス発生装置。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005211995thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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