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難溶性多糖類の溶解剤および該溶解剤と多糖類を含有してなる組成物

国内特許コード P07A010358
掲載日 2007年8月31日
出願番号 特願2004-326165
公開番号 特開2006-137677
登録番号 特許第4951750号
出願日 平成16年11月10日(2004.11.10)
公開日 平成18年6月1日(2006.6.1)
登録日 平成24年3月23日(2012.3.23)
発明者
  • 大野 弘幸
  • 深谷 幸信
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 難溶性多糖類の溶解剤および該溶解剤と多糖類を含有してなる組成物
発明の概要


【課題】 セルロース、キチン等の難溶性多糖類の溶解性に優れ、且つ、環境に対して低負荷であり、取り扱いの際に危険性を伴わない難溶性多糖類の溶媒および該溶媒と多糖類とを含有する組成物を提供すること。
【解決手段】 高極性の非ハロゲン系イオン液体からなる難溶性多糖類の溶解剤および該溶解剤と難溶性多糖類とを含有してなる組成物。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


天然界で合成される多糖類(天然多糖類)は、再生型の天然高分子資源として、古くから様々な利用が検討されてきた。天然多糖類には、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の水可溶性の多糖類もあるが、キチン・キトサンや綿花などの主成分であるセルロース等の難溶性多糖類は、その分子内・分子間に存在する強固な水素結合により、熱可塑性を示さず,水や一般的な有機溶剤にも不溶である。



難溶性多糖類の例としてセルロースを挙げ、その溶媒についてまとめると、1857年にセルロースを溶解する銅アンモニウム溶液が発見されて以来、現在までに100以上のセルロース溶解溶媒が報告されている。それらの溶媒はほとんどが単一成分の溶媒でなく、特定の比率で混合された多成分系溶媒であり、例えば、DMSO/二酸化硫黄/アミン(特許文献1)、DMSO/パラホルムアミド(特許文献2)、DMF/四酸化二窒素(非特許文献1)、DMF/塩化ニトロシル(非特許文献2)、DMF/クロラール/ピリジン(非特許文献3)等が知られている。



現在のところ、これらの多成分系溶媒を用いて工業的にセルロースの応用がなされている。また、単一成分で使用できる溶媒として、N-メチルモルホリン-N-オキシド(特許文献3及び4)や、ヒドラジン(非特許文献4)等も知られている。しかしながら、これらの公知の溶媒は、毒性の高いものや、爆発性に富むものが多く、その取り扱いには注意が必要である。また、セルロースを誘導体化して溶解させる方法も知られているが、天然状態での溶解ではないので、その利用は限定される。



近年、工業化には至っていないものの、学術レベルにおいて、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド等のハロゲン系オニウム塩がセルロースを溶解すること、セルロースの誘導体化を起こさずに天然状態で溶解が可能となることから、溶解後にセルロースの化学修飾をこのイオン液体中で行うことができることが報告されている(非特許文献5)。しかしながら、これらのイオン液体は、環境に好ましくないハロゲンを含み、且つ、セルロースを溶解させるには、100℃以上の高温加熱とマイクロウェーブ等の物理的処理を必要とする。また、これらセルロースを溶解するイオン液体であっても、セルロースよりも難溶なキチンを溶解するには至っていない。




【特許文献1】特公昭44-2592号公報

【特許文献2】英国特許第1309234号明細書

【非特許文献1】W. F. Folwer ; J. Am. Chem. Soc., 69, 1639 (1947)

【非特許文献2】中尾、山崎;19回高分子討論会予稿集、1143(1970)

【非特許文献3】K. H. Meyer ; Monatsch., 81, 151 (1950)

【特許文献3】特公昭46-1854号公報

【特許文献4】特公昭47-13529号公報

【非特許文献4】M. Litt ; Cellu. Div. Preprints. Mtg. NY (1976)

【非特許文献5】R. P. Swatloski et.al., J. Am. Chem. Soc., 124, 4974 (2002)

産業上の利用分野

本発明は、難溶性多糖類の溶解剤および該溶解剤と多糖類を含有してなる組成物に関する。より詳細には、イオン液体の極性がKamlet-Taftβ値で1.02から1.08である非ハロゲン系イオン液体からなるセルロース、キチン等の難溶性多糖類の溶解剤および当該溶解剤とセルロース、キチン等の難溶 性多糖類とを含有してなる組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ブチルメチルイミダゾリウムホルメイト、ブチルメチルイミダゾリウムアセテート、アリルメチルイミダゾリウムホルメイト、プロピルメチルイミダゾリウムホルメイトより選ばれるイオン液体又はプロピルメチルイミダゾリウムホルメイトとエチルメチルイミダゾリウムホルメイトよりなる多成分系イオン液体からなる、セルロース又はキチンの溶解剤。


【請求項2】
ブチルメチルイミダゾリウムホルメイト、ブチルメチルイミダゾリウムアセテート、アリルメチルイミダゾリウムホルメイト、プロピルメチルイミダゾリウムホルメイトより選ばれるイオン液体又はプロピルメチルイミダゾリウムホルメイトとエチルメチルイミダゾリウムホルメイトよりなる多成分系イオン液体にセルロース又はキチンを溶解し含有してなることを特徴とする組成物。

【請求項3】
前記組成物中のセルロース又はキチンの含有量が1乃至5質量%である請求項記載の組成物。
産業区分
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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