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アプタマーの同定方法 新技術説明会

国内特許コード P07A010381
掲載日 2007年8月31日
出願番号 特願2005-200823
公開番号 特開2007-014292
登録番号 特許第4706019号
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
登録日 平成23年3月25日(2011.3.25)
発明者
  • 池袋 一典
  • 早出 広司
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 アプタマーの同定方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 標的分子に特異的に結合しうるアプタマーを効率よく取得する方法を提供すること。
【解決手段】 標的分子と結合しうるアプタマーを同定する方法であって、
(a) 標的分子を固定化した第1の担体と、少なくとも1つの非標的分子を固定化した第2の担体とを用意し、
(b) 1本鎖核酸のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(c) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、そして
(d) 回収した1本鎖核酸の塩基配列を決定する、
の各工程を含む方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


アプタマーとは、特定の分子に結合する核酸リガンドである。アプタマーは、1990年にGoldらによって初めてその概念が報告されており、Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment (SELEX)と呼ばれる方法を用いて獲得される(Tuerk, C. and Gold L. (1990), Science, 249, 505-510)。この方法では、通常1種類の標的分子を担体に固定化し、これに核酸ライブラリを添加し、標的分子に結合する核酸を回収し、これを増幅して再び標的分子を固定化した担体に添加する。この工程を10回程度繰り返すことにより、標的分子に対して結合力の高いアプタマーを濃縮し、その塩基配列を決定して、標的分子を認識するアプタマーを取得する。



従来のSELEX法では、原理的にはすべての標的分子に対してこれに結合するアプタマーを探索できるはずであるが、実際には固定化に用いる担体に対して非特異的に吸着するアプタマーを排除することができない。



SELEX法は、基本的に、(1)標的分子を固定化した担体へのライブラリの添加、(2)結合しなかった核酸の除去、(3)標的分子に結合したアプタマーの回収、(4)回収したアプタマーのPCR等による増幅の4つの工程を繰り返す手法である。この(4)の増幅の過程は、通常PCRにより行われるが、PCRでは安定な高次構造を形成する核酸は増幅されにくいため、増幅されやすいアプタマーが大量に増幅され、標的分子に強く結合するアプタマーが必ずしも増幅されない。これは、標的分子に結合するアプタマーは安定な高次構造をとっている場合が多いと考えられ、したがって、PCRの段階で標的分子に強く結合するアプタマーが排除され、固定化担体に非特異的に結合した核酸ばかりが増幅されるためであると考えられる。実際、原理的にはすべての標的分子に対してアプタマーを取得できるはずであるが、これまで取得されたアプタマーの種類は必ずしも多くはない。



すなわち、従来技術のSELEXの問題点は、非特異的に固定化担体に結合するアプタマーを排除することが難しいことと、増幅段階でその非特異的吸着アプタマーが増幅されやすい点にある。



本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある。

【特許文献1】特許2763958

【非特許文献1】Tuerk, C. and Gold L. (1990), Science, 249, 505-510

産業上の利用分野


本発明はアプタマーを同定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
標的分子と結合しうるアプタマーを同定する方法であって、
(a) 標的分子を固定化した第1の担体と、少なくとも1つの非標的分子を固定化した第2の担体とを用意し、
(b) 1本鎖核酸のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(c) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、そして
(d) 回収した1本鎖核酸の塩基配列を決定する、
の各工程を含む方法。

【請求項2】
工程(b)と工程(c)との間に、第1の担体を第2の担体から分離する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
標的分子と結合しうるアプタマーを同定する方法であって、
(a) 標的分子を固定化した第1の担体と、少なくとも1つの非標的分子を固定化した第2の担体を用意し、
(b) 1本鎖核酸のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(c) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、
(d) 回収した1本鎖核酸を増幅し、
(e) 増幅した1本鎖核酸を、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(f) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、
(g) 必要により工程(d)-(f)を繰り返し、そして
(h) 回収した1本鎖核酸の塩基配列を決定する、
の各工程を含む方法。

【請求項4】
工程(b)と工程(c)との間に、第1の担体を第2の担体から分離する工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
工程(e)と工程(f)との間に、第1の担体を第2の担体から分離する工程をさらに含む、請求項3または4に記載の方法。

【請求項6】
標的分子と結合しうるアプタマーを同定する方法であって、
(a) 標的分子を固定化した第1の担体と、少なくとも1つの非標的分子を固定化した第2の担体を用意し、
(b) 1本鎖核酸のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(c) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、
(d) 回収した1本鎖核酸の塩基配列を決定し、
(e) 決定された塩基配列に基づいて1本鎖核酸の第2のライブラリを用意し、ここで、1本鎖核酸の第2のライブラリは、一部の配列が前記決定された塩基配列と同じであり残りの配列が前記決定された塩基配列と異なる塩基配列を有する複数の1本鎖核酸から構成されており、
(f) 1本鎖核酸の第2のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(g) 第1の担体上に固定化された標的分子と結合した1本鎖核酸を回収し、
(h) 必要により工程(e)-(g)を繰り返し、そして
(i) 回収した1本鎖核酸の塩基配列を決定する、
の各工程を含む方法。

【請求項7】
工程(b)と工程(c)との間に、第1の担体を第2の担体から分離する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
工程(f)と工程(g)との間に、第1の担体を第2の担体から分離する工程をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。

【請求項9】
第1の標的分子と結合しうるアプタマーと第2の標的分子と結合しうるアプタマーとを同定する方法であって、
(a) 第1の標的分子を固定化した第1の担体と、第2の標的分子を固定化した第2の担体とを用意し、
(b) 1本鎖核酸のライブラリを、前記第1の担体と第2の担体とが1本鎖核酸との結合について競合する条件下で、前記第1の担体および第2の担体と接触させ、
(c) 第1の担体と第2の担体とを分離し、
(d) 第1の担体上に固定化された第1の標的分子と結合した1本鎖核酸と第2の担体上に固定化された第2の標的分子と結合した1本鎖核酸を別々に回収し、そして
(e) 回収した各1本鎖核酸の塩基配列を決定する、
の各工程を含む方法。

【請求項10】
1本鎖核酸を回収する工程が、標的分子に結合することが知られているリガンドを用いて行われる、請求項1-9のいずれかに記載の方法。

【請求項11】
担体が蛋白質を固定化しうる膜である、請求項1-10のいずれかに記載の方法。

【請求項12】
担体が蛋白質を固定化しうるビーズである、請求項1-10のいずれかに記載の方法。

【請求項13】
担体がマイクロ流路上に備えられている、請求項1-10のいずれかに記載の方法。

産業区分
  • 微生物工業
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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