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表面加工制御方法、及び表面加工制御プログラム コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P07A010386
掲載日 2007年8月31日
出願番号 特願2005-261239
公開番号 特開2006-263904
登録番号 特許第4461256号
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
公開日 平成18年10月5日(2006.10.5)
登録日 平成22年2月26日(2010.2.26)
優先権データ
  • 特願2005-052532 (2005.2.28) JP
発明者
  • 笹原 弘之
  • 中迫 雅弥
出願人
  • 学校法人東京農工大学
発明の名称 表面加工制御方法、及び表面加工制御プログラム コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】 数値制御工作機械を使用し金属を加工する際に、加工物の加工面を切削する工具や切削条件を設定することで、加工面の機械的特性、表面あらさ、残留応力、表面硬さを要求する加工面に加工する方法を提供する。
【解決手段】 あらかじめ加工実験を行い、加工曲面の機械的特性と切削因子とを参照付け、加工面の機械的特性が得られる切削条件を選定する。そして、切削条件と加工面に得られる機械的特性を曲面加工のシミュレーションすることにより、加工面の機械的特性とその加工条件のパターンを参照表として作成・保存する。この参照表を用いて金属を加工する際に得られる加工面を、所望する機械的特性を保有する加工面に切削加工できるように数値制御機械を制御する。
【選択図】図6

従来技術、競合技術の概要


近年、航空機産業、宇宙産業、金型産業などにおいて、高能率かつ高精度の金属表面の加工に対する要求が厳しくなっており、また、これまで3軸同時加工で充分対応可能であった産業の業種においても、更なる加工効率の改善を求める傾向にある。このため、一部の特殊形状に対してのみ採用されてきた多軸加工が注目されるようになり、多軸加工装置へのニーズが急激に高まってきている。例えば、5軸制御工作機械は、従来からの直進駆動3軸に回転駆動2軸を付加した工作機械であり、工作物に対して任意の工具姿勢を与えることができるため、複雑な形状の加工が可能となっている。



この5軸制御工作機械は、様々な曲面を持つ金型の製作に使用されている。これまで5軸制御によるボールエンドミル加工については、工具経路の決定方法が主に研究されてきており、このための様々なアルゴリズムが提案されている。また、市販のCAM(Computer Aided Manufacturing:コンピュータ支援製造)システムも4軸以上のマシニングセンタに対応するようになり、比較的簡単に工具経路を作成することができるようになっている。しかし、これら従来のソフトウエア(アルゴリズム)による工具経路の決定方法は、工具と工作物とが干渉しないようにチェックすることに重きが置かれているのが現状であった。



そこで、機械加工した表面のあらさ寸法精度を向上させる表面仕上げのために、通常、研磨や放電加工などの後処理工程が必要とされている。例えば、エンドミルを用いて金属を切削加工するエンドミル加工においては、仕上げ面の表面あらさを制御する方法として、外周刃にかかる切削抵抗を変動させずに、ほぼ一定に維持するようにして、切削抵抗の変動に起因して生じていた工具本体の倒れ量の変動が生じるのを抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。そして、この特許文献1に記載されているエンドミル加工方法によれば、加工面の形状精度が向上し、より高精度の切削加工を実現することができるとされている。



また、金属材料の表面加工方法において、加工面の残留応力を改善する方法として、加工面の表面の浸炭処理(切削加工した後で表面層の炭素量を増加させる処理)を行う浸炭処理法、あるいは、加工面に小さな硬質の金属球(例えば、粒径40μm~1.3mm程度の小球)を被加工部品に高速で衝突させるショットピーニングにより、高い圧縮残留応力を付与する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、浸炭処理は、切削加工した後に、加工物の表面層のみを焼入硬化する処理工程が必要であり、また、ショットピーニングは、同じく切削加工した後に、加工物表面に金属球を衝突させるという処理工程が必要であり、いずれも、切削加工とは別の大掛かりな作業工程を必要とするという不都合があった。



また、機械加工において、加工条件を制御して、加工面の圧縮残留応力を生成させる方法として、工具の切削速度を限定すると共に、工具軸方向と工具径方向の切り込み量を限定して圧縮残留応力を発生させる方法(例えば、特許文献2参照)や、先端部に切刃が形成された工具の該先端部で所定の被加工面層を切削加工する際に、前記被加工面層を塑性流動させながら切削することにより該被加工表面層に圧縮残留応力を生成する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)

【特許文献1】特開2004-34171号公報

【特許文献2】特開2000-61735号公報

【特許文献3】特開2003-266228号公報

産業上の利用分野


本発明は、数値制御工作機械を用いて金属加工物を加工する際に、加工面の機械的特性である表面あらさ、残留応力、表面硬さを予測して加工物の切削条件を決定する加工物の表面加工制御方法及びその制御プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
数値制御工作機械を用いて加工物の表面を加工する表面加工制御方法であって、工具の形状、工具の送り方向を定めるとともに、工具径、切り込み深さ、ピックフィード、一刃当たりの送り量、2方向の工具姿勢の各切削因子の組合せによる切削条件を定め、該切削条件と前記加工物加工面の表面あらさ、残留応力、表面硬さの各機械的特性バランスとを関連付けた参照テーブルを作成し、
前記参照テーブルに基づいて、前記各機械的特性を必要とする前記加工面部位の加工時に、前記加工面の形状から工具経路を設定するとともに、目標とする加工面部位の機械的特性バランスが得られる切削条件を設定する
ことを特徴とする表面加工制御方法。

【請求項2】
前記数値制御工作機械はボールエンドミルであることを特徴とする請求項1に記載の表面加工制御方法。

【請求項3】
前記各切削因子の組み合せからなる切削条件と、前記加工面の表面あらさ、残留応力、表面硬さの機械的特性を関連付ける前記参照テーブルを、コンピュータシュミュレーションにより作成することを特徴とする請求項1に記載の表面加工制御方法。

【請求項4】
前記加工面における表面あらさ、残留応力、表面硬さの各機械的特性の分布を、ディスプレイ上に色彩または色の濃淡で表示することを特徴とする請求項1に記載の表面加工制御方法。

【請求項5】
前記残留応力は圧縮の残留応力であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の表面加工制御方法。

【請求項6】
数値制御工作機械を用いて加工物の表面を加工するための表面加工制御プログラムであって、
コンピュータに、
工具の形状、工具の送り方向、工具径、切り込み深さ、ピックフィード、一刃当たりの送り量、2方向の工具姿勢の各切削因子を入力し、前記切削因子の組合せによる切削条件を定める機能と、
前記切削条件と前記加工物加工面の表面あらさ、残留応力、表面硬さの各機械的特性バランスとを関連付けた参照テーブルを作成する機能と、
前記加工物加工面が所望する表面あらさ、残留応力、表面硬さの各機械的特性を入力して、前記参照テーブルに基づいて、前記各機械的特性を必要とする前記加工面部位の加工時に、前記加工物表面の形状から工具経路を設定するとともに、目標とする加工面部位の機械的特性バランスを得ることができる切削条件を設定する機能を
実現させることを特徴とする表面加工制御プログラム。
産業区分
  • 切削
  • 制御調整
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005261239thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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