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アレルギーを診断するエピトープポリペプチド

国内特許コード P07P005706
整理番号 A-010
掲載日 2007年9月7日
出願番号 特願2006-036900
公開番号 特開2007-217303
登録番号 特許第4961577号
出願日 平成18年2月14日(2006.2.14)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
登録日 平成24年4月6日(2012.4.6)
発明者
  • 江藤 望
  • 中村 裕美
  • 布井 博幸
  • 佐藤 さくら
  • 海老澤 元宏
出願人
  • 国立大学法人 宮崎大学
発明の名称 アレルギーを診断するエピトープポリペプチド
発明の概要

【課題】本発明は、簡便で正確なアレルギー疾患の診断法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は卵アレルギーの診断のために有用なPro-Val-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr、Pro-Ile-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr、またはGly-Gly-Cys-Arg-Lys-Glu-Leu-Ala-Ala-Valで表されるアミノ酸配列のポリペプチドに関する。本発明はまたアレルギー疾患の診断薬のスクリーニング方法であって、診断対象のアレルギー疾患のアレルゲンに特異的なIgEを有し且つアレルギー症状を示す患者の前記IgEにより認識されるエピトープのアミノ酸配列(1)と、診断対象のアレルギー疾患のアレルゲンに特異的なIgEを有し且つアレルギー症状を示さない患者の前記IgEにより認識されるエピトープのアミノ酸配列(2)とを比較し、アミノ酸配列(1)を含むポリペプチドを選択することを特徴とする方法に関する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


食物アレルギーは増加の一途をたどり、極端な食事制限による成長障害などが社会問題化している。I型アレルギー疾患の診断法において最も信頼がおける方法として食物負荷試験(摂食試験)がある。食物負荷試験は確定診断に用いられる信頼性の高い試験ではあるが、被験者への身体的負担が大きく、実施できる機関も少ないため普及していない。そのため、現在では、患者血清中にアレルゲン特異的なIgE抗体が存在するかどうかによって診断を行うRAST法(放射性アレルゲン吸着試験法)が頻用されている。RAST法は簡便な方法であるが、非常に多くの誤った陽性を示し、RAST陽性患者のうち約4割は食物負荷試験で陰性となることが報告されている(非特許文献1)。すなわち実際には不要な食事制限を行っている場合が多いのである。



RAST法による診断結果と、食物負荷試験による診断結果が食い違う原因として、健常者であっても血清中にアレルゲン特異的なIgE抗体を持つ者が存在することが挙げられる。これは、最初から抗原特異的IgEを持ち且つアレルギー症状を示さない者であったり、幼少期は食物アレルギーであったが成長に伴い食物アレルギーを克服し症状を示さなくなった者(アウトグローした者)であると考えられる。そのため、アレルゲン特異的なIgE抗体の有無による診断ではなく、アレルギー症状の有無に応じて診断することが望まれている。



前記RAST法は、抗原としてアレルゲンタンパク質分子そのものを利用しているが、アレルゲンタンパク質分子上のアレルギー症状発症に関与するエピトープ部分を特定し、その部分のみを切り出して、例えばRAST用抗原とすることで、アレルギー症状の有無に応じた診断が可能になると考えられる。



アレルゲン上のIgEエピトープに関しては、IgEエピトープとIgEの結合および架橋構造の形成がアレルギー症状発症に不可欠なため、これまで様々なアレルゲンをモデルとして数多くの報告がなされている。卵アレルギーのアレルゲンであるオボムコイドのIgEエピトープについても、これまでに幾つか報告がなされている(非特許文献2~4)。これらの報告はすべて、卵アレルギー患者の血清を用いて、オボムコイド上のエピトープを特定することを主題としており、臨床症状との相関について検討したものではない。また、これまでに、成長に伴いアウトグローする患者と、成長しても食物アレルギーを持ち続ける患者との血清中IgEが認識するエピトープの違いについて比較した報告もある(非特許文献5)。しかし、この報告も、患者に食物アレルギーを克服する素因があるかどうかを予測するエピトープの発見であり、臨床症状の有無を判断し得るエピトープの発見ではない。




【非特許文献1】伊藤繁、食物アレルギーの血液検査の問題点、治療 2001; 3(7): 128-129

【非特許文献2】Mine Y., and Zhang J.W. Identification and find mapping of IgG and IgE epitopes in ovomucoid. Biochem Biophys Res Commun 2002; 292: 1070-1074

【非特許文献3】Hoken E., Bolann B., and Elsayed S. Novel B and T cell epitopes of Chicken ovomucoid (Gal d 1) induce T cell secretion of IL-6, IL-13, and IFN-gamma. Clin Exp Allergy 1999; 31: 952-964.

【非特許文献4】Cooke S.K., and Sampson H A. Allergenic properties of ovomucoid in Man. J Immunol1997; 159: 2026-2032.

【非特許文献5】Takagi K, Teshima R, Okunuki H, Itoh S, Kawasaki N, Kawanishi T, Hayakawa T, Kohno Y, Urisu A, and Sawada J. Kinetic analysis of pepsin digestion of chicken egg white ovomucoid and allergenic potential of pepsin fragments.Int Arch Allergy Immunol. 2005; 136: 23-32.

産業上の利用分野


本発明は卵アレルギーの診断薬として有用なポリペプチド、それを含む診断薬、および診断用キット、ならびにそれを用いた卵アレルギーの診断方法に関する。本発明はまたアレルギー疾患の診断薬のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Pro-Val-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr(配列番号1)で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項2】
Pro-Val-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr-Tyr(配列番号2)で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項3】
Pro-Ile-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr(配列番号3)で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項4】
Arg-Pro-Ile-Cys-Gly-Thr-Asp-Gly-Val-Thr(配列番号4)で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項5】
Gly-Gly-Cys-Arg-Lys-Glu-Leu-Ala-Ala-Val(配列番号5)で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド。

【請求項6】
配列番号1~5のいずれかにより表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む卵アレルギーの診断薬。

【請求項7】
配列番号1~5のいずれかにより表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを含む卵アレルギーの診断用キット。

【請求項8】
配列番号1~5のいずれかにより表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを被験試料と接触させ、被験試料中の前記ポリペプチドに対する抗体を抗原抗体反応によって検出することを特徴とする、卵アレルギーの診断を補助する方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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