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三次元かご状遷移金属錯体及びその製造法 実績あり

国内特許コード P000000099
整理番号 A051P48
掲載日 2001年11月26日
出願番号 特願平10-259819
公開番号 特開2000-086683
登録番号 特許第3846522号
出願日 平成10年9月14日(1998.9.14)
公開日 平成12年3月28日(2000.3.28)
登録日 平成18年9月1日(2006.9.1)
発明者
  • 藤田 誠
  • 楠川 隆博
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 三次元かご状遷移金属錯体及びその製造法 実績あり
発明の概要 【課題】 本発明は、自己組織化により安定性を持った分子を三次元的に閉じた構造(三次元かご状)を有する化合物を提供するものである。
【解決手段】 本発明は、配位子が、実質的に平面構造であって、遷移金属と配位結合を形成することができる電子対を分子中に3個以上有する化合物である、三次元かご状遷移金属錯体に関する。より詳細には本発明は、配位子が、2,4,6-トリス(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジンである前記の錯体に関する。発明の錯体は、ナノスケールの三次元かご状構造をしており、他の化学物質をその中に選択的に取り込むことができ、化学物質の外界からの保護や、選択的なふるいなどをするのに有用である
従来技術、競合技術の概要


従来、化学物質などを包み込むものとして、ミクロスフェアやリポソームなどが報告されてきている。しかし、これらのものは直径がミクロン(10-6)のオーダーであり、nm単位の分子を正確に制御することはできなかった。
1985年に、約0.7nmの直径を有する炭素60の化合物である「フラーレン」が発見され、1984年には直径数nm~10nmの「デンドリマー」が報告され、一方、nm単位の測定を可能とする走査型トンネル顕微鏡(ナノメーター)の開発も急速に進み、立体構造がナノスケールで把握できる化学物質の開発が行われてくるようになって、近年ナノ(10-9)スケールの化学が急速に進展してきている。ナノスケールの化学により、分子をその大きさなどで正確に制御することができ、21世紀に向けた新しい技術として重要視されている。



一方、生体構造の形成にも見られる自己組織化のしくみを人工的な系に利用することで、高次な構造や機能を持った分子を複数の小分子から自発的に組み立てることができる。このようにして組み立てられた熱力学平衡下で自己組織化した構造体は、それを構成する成分との間に平衡があるため、外的条件の変化により簡単に構成成分に壊れてしまう。
熱力学平衡下で自己組織化した平衡構造を平衡のない構造に固定化し、高次な構造を非可逆的に組織化させることができれば、共有結合に匹敵する安定性を持った分子を自己組織化でつくることが可能となり、新しい物質構築手段として意義がある。



さらに、自己組織化により安定性を持った分子を、適当な刺激、例えば、温度(熱的刺激)や光の照射(光化学的刺激)や電気(電気化学的刺激)などにより可逆的に元の成分に戻すことができれば、自己組織化した分子とそれらを構成する成分とを制御することができることになる。



この概念を実現するためには、外的刺激により可逆性を制御できる結合が必要である。すでに、本発明者は白金-ビリジン核結合(Pt(II)-Py結合)の可逆性が容易に制御できることを見い出し、このような結合に対して、「分子錠」の概念を創出してきた(M.Fujita, et al., J. Am. Chem. Soc., 117, 4175(1995) ; M.Fujita, et al., Chem. Lett., 1031(1991))。すなわち、Pt-Py結合でできた分子錠は、室温では不可逆(施錠状態)であるが、塩を添加して加熱することで可逆(開錠状態)となる。



自己組織化により安定性を持った分子を三次元的に閉じた構造(三次元かご状)にし、かつ、前記の「分子錠」の概念を導入することができれば、ナノスケールの三次元かご状分子を分子錠により任意に制御することができることになる。

産業上の利用分野


本発明は、配位子が、実質的に平面構造であって、遷移金属と配位結合を形成することができる電子対を分子中に3個以上有する化合物である、三次元かご状遷移金属錯体、及び、その製造方法に関する。本発明の錯体は、ナノスケールの三次元かご状構造をしており、他の化学物質をその中に選択的に取り込むことができ、化学物質の外界からの保護や、選択的なふるいなどをするのに有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】 配位子が、実質的に平面構造であって、遷移金属と配位結合を形成することができる電子対を分子中に3個以上有する化合物であり、6員芳香環の1,3,5-位又は2,4,6-位に、ピリジン環が置換した配位子、又はポルフィン環系の対称の位置に4個のピリジン環が置換した配位子である三次元かご状白金錯体。
【請求項2】 配位子が、2,4,6-トリス(4-ピリジル)-1,3,5-トリアジンである請求項1に記載の錯体。
【請求項3】 三次元かご状遷移金属錯体のかごの中に他の化合物をゲスト化合物として含有してなる請求項1又は2に記載の錯体。
【請求項4】 テンプレートの存在下に、実質的に平面構造であって、遷移金属と配位結合を形成することができる電子対を分子中に3個以上有する化合物と、遷移金属塩とを混合して反応させてテンプレートを含有した三次元かご状遷移金属錯体を製造し、所望により当該テンプレートを抽出除去することからなる請求項1~3のいずれかに記載の三次元かご状遷移金属錯体を製造する方法。
【請求項5】 テンプレートが、アダマンタンカルボン酸塩である請求項4に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[C01-02]
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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