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アポトーシス抑制ペプチド

国内特許コード P07A010485
整理番号 P05-39
掲載日 2007年9月14日
出願番号 特願2002-374047
公開番号 特開2004-201566
登録番号 特許第4366455号
出願日 平成14年12月25日(2002.12.25)
公開日 平成16年7月22日(2004.7.22)
登録日 平成21年9月4日(2009.9.4)
発明者
  • 谷原 正夫
  • 尾形 信一
  • 梶原 一美
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 アポトーシス抑制ペプチド
発明の概要

【課題】従来、知られているアポトーシス阻害剤に認められる短所を克服した新しいアポトーシスまたは炎症を阻害する物質を提供することを課題とする。
【解決手段】次のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドまたはその塩であって、アポトーシスまたは炎症の誘導を阻害する活性を有するもの:(a)特定なアミノ酸配列(b)上記(a)のいずれかのアミノ酸配列において6個を越えない任意のアミノ酸残基が欠失、付加および/または置換しているアミノ酸配列を提供する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要
アポトーシスは生体の恒常性を保つために必要な自然死であり、その破綻は癌や自己免疫疾患などの重篤な疾患を招く(Annu. Rev. Immunol., 17, 221-253, 1999)。アポトーシスは放射線や薬剤などの外因によっても引き起されるが、内因性の誘導因子としてTNF、TRAIL、FasLなどが報告されている(Pharm Acta Helv, 74, 281-286, 2000; Exp Cell Res, 256, 58-66, 2000)。これらは、標的細胞上のそれぞれに特異的な受容体と結合し、アポトーシスを誘導する(TIBS, 24 February, 47-53, 1999)。
【0003】
一方、TNF、TRAIL、FasLなどの過剰産生は、リウマチ性関節炎(Rheumatoid arthritis)、多発性硬化症(Multiple sclerosis)、AIDS(Acquired immune deficiency syndrome)、癌、敗血症ショック(Septic shock)、うっ血性心不全(Congestive heart failure)、再性不良性貧血(Aplastic anemia)、脊髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome)、クローン病(Crohn's disease)等の疾患の原因となる(Microsc Res Tech, 50, 229-235, 2000)。
【0004】
FasLに特異的に反応するヒト型化免疫グロブリンが知られており、アポトーシスに代表されるFasLとFasとの生理的反応を抑制することが示されている(WO98/10070)。
【0005】
Fas/FasL系の異常に起因する疾患の治療剤として有用な、抗Fas抗体を有効成分として含有する新規医薬組成物が知られている(特開2000-169393)。
【0006】
Caspase-8と結合しDeath effector domainを持たないタンパク質が、アポトーシス制御能を有することが知られている(特開2000-226400)。
【0007】
Fasの細胞内ドメインに結合するMORT-1、あるいはTRADDに結合して、FasLまたはTNFの効果をモジュレートするタンパク質、さらにはその活性を阻害するペプチドが知られている(特表平11-509422)。
【0008】
上皮細胞増殖因子(EGF)を有効成分とする、細胞障害性T細胞上のFasLと臓器細胞膜上のFasとの相互作用によって惹起されるアポトーシスの抑制剤または予防剤が知られている(特開平10-194988)。
【0009】
天然のTNF結合蛋白のTNF結合機能部分を探索して得られた合成ペプチドが知られており、マウスL-M細胞に対するTNFの細胞毒性を阻害することが示されている(特開平5-194594)。
【0010】
トリアゼピンまたはジアゼピンからなる7員環と2乃至4個の窒素原子を含む5員環との縮合環化合物であることを特徴とするアポトーシス抑制剤が知られている(特開平11-228576)。
【0011】
また、近年カスペースの阻害作用などによりアポトーシスを阻害する薬剤が脳虚血による神経障害(Proc Natl Acad Sci USA, 95, 15769-15774, 1998)、ハンチントン病(Nature Medicine, 6, 797-801, 2000)、パーキンソン病(J Neurosci, 22, 1763-1771, 2002)、筋萎縮性側索硬化症(Nature, 417, 74-78, 2002)、アルツハイマー等の神経変性疾患の動物モデルにおいて有効な治療効果を示すことが報告されている。
【0012】
抗体に代表されるアポトーシス阻害剤は、特異性は高いが分子量が大きいタンパク質であるので、抗原性、投与方法、安定性などに問題がある。天然のTNF結合蛋白のTNF結合機能部分を探索して得られた合成ペプチドであるアポトーシス阻害剤は、天然のTNF結合蛋白との競合による有効性の低下、血液中の滞留時間が短い等の問題がある。また、低分子有機化合物のアポトーシス阻害剤は、アポトーシスの基本経路を阻害するので、選択性が低いことによる副作用が問題である。
【0013】
【特許文献1】
特開2002-138099号公報
産業上の利用分野
本発明は、アポトーシスや炎症を阻害する活性を有する、新規なペプチドおよびその塩に関する。特に、本発明は、TNF、TRAIL、FasLなどによって誘導されるアポトーシスや炎症を阻害し、これが原因となる自己免疫疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、橋本病、慢性関節リューマチ、移植片対宿主病、シェーグレン症候群、悪性貧血、アジソン病、強皮症、グッドパスチャー症候群、クローン病、自己免疫性溶血性貧血、自然不妊、重症筋無力症、多発性硬化症、バセドー病、特発性血小板減少性紫斑病、インスリン依存性糖尿病など)、アレルギー、アトピー、動脈硬化症、心筋炎、心筋症、糸球体腎炎、再生不良性貧血、肝炎(例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎など)、AIDS、臓器移植後の拒絶反応、敗血症ショック、うっ血性心不全、脊髄異形成症候群、神経変性疾患(例えば、脳虚血による神経障害、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマーなど)および癌などの処置に有用なペプチドならびにその薬学的に許容される塩を提供するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 次のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド(ただし、そのN末端のアミノ基はアシル化されていてもよく、C末端のカルボキシル基はアミド化またはエステル化されていてもよい。)またはその塩であって、アポトーシスまたは炎症の誘導を阻害する活性を有するもの:
Tyr Arg His Ala Trp Ser Glu Asn Leu Ala Gln Cys Phe Asn (配列番号:1);
Phe Arg Glu Glu Asp Ser Pro Glu Thr Cys Arg Lys (配列番号:2);
Phe Cys Asn Ser Thr Val Cys Glu His (配列番号:3);
Gln Cys Glu Glu Gly Thr Phe Arg Glu Glu Asp Ser Pro Glu Thr Cys Arg Lys (配列番号:4);
Phe Arg Glu Glu Asp Ser Pro Glu Thr Cys Arg Lys Cys Arg Thr (配列番号:5);
Phe Cys Glu Glu Asp Ser Pro Glu Thr Cys Arg Lys (配列番号:6);および
Phe Ser Asn Ser Thr Val Ser Glu His (配列番号:7)。
【請求項2】 N末端のアミノ基のアシル化により、低級アルカノイル基または低級アルコキシカルボニル基が導入されている、請求項1に記載のペプチドまたはその塩。
【請求項3】 C末端のカルボキシ基のアミド化またはエステル化により、アミド基または低級アルキルエステル基が導入されている、請求項1に記載のペプチドまたはその塩。
【請求項4】 塩が酸塩、金属塩またはアミン塩である、請求項1~3のいずれかに記載のペプチドの塩。
【請求項5】 酸塩が塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、オレイン酸塩またはパルミチン酸塩である、請求項4に記載のペプチドの塩。
【請求項6】 金属塩がアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアルミニウム塩である、請求項4に記載のペプチドの塩。
【請求項7】 アミン塩がトリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩、ジエタノールアミン塩、t-ブチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩またはアルギニン塩である、請求項4に記載のペプチドの塩。
【請求項8】 アポトーシスまたは炎症の誘導がTNFによるものである、請求項1~7のいずれかに記載のペプチドまたはその塩。
【請求項9】 アポトーシスまたは炎症の誘導がTRAILによるものである、請求項1~7のいずれかに記載のペプチドまたはその塩。
【請求項10】 アポトーシスまたは炎症の誘導がFasLによるものである、請求項1~7のいずれかに記載のペプチドまたはその塩。
【請求項11】 自己免疫疾患、アレルギー、アトピー、動脈硬化症、心筋炎、心筋症、糸球体腎炎、再生不良性貧血、肝炎、AIDS、臓器移植後の拒絶反応、敗血症ショック、うっ血性心不全、脊髄異形成症候群、神経変性疾患または癌の処置に有用な請求項1~10のいずれかに記載のペプチドまたはその塩。
【請求項12】 請求項1に記載のペプチドをコードしている核酸。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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