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原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法および原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡

国内特許コード P07A010486
整理番号 P02-14
掲載日 2007年9月14日
出願番号 特願2003-020979
公開番号 特開2004-233166
登録番号 特許第3762993号
出願日 平成15年1月29日(2003.1.29)
公開日 平成16年8月19日(2004.8.19)
登録日 平成18年1月27日(2006.1.27)
発明者
  • 服部 賢
  • 金光 義彦
  • 大門 寛
  • 長村 俊彦
  • 宮武 優
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法および原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡
発明の概要

【課題】観察している試料表面を構成する個々の原子の元素同定を、試料表面の凹凸形状の観察と同時に行なうことのできる原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法、およびそのための原子間力遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡を提供する。
【解決手段】プローブの先端を試料表面から十分の数nmの距離に近接させて、プローブの先端および試料表面にエネルギーを印加し、試料表面を構成する原子の内殻準位に空孔を形成する正孔形成工程と、形成された空孔準位よりも浅い、プローブの先端を構成する原子の内殻準位または価電子帯の電子が空孔へ遷移するときに放出される原子間遷移エネルギーを検出する検出工程とを含むとともに、上記2つの工程のうちの少なくとも1つの工程と、プローブに対して試料表面を相対的に走査させる走査工程とを同時に行なう。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
走査プローブ顕微鏡法とは、走査プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)を用いて、プローブと試料表面との近接相互作用によって決定される原子間力やトンネル電流などの物性値を計測しながら、プローブに対して試料表面を相対的に走査することで、試料表面の凹凸形状を観察する方法である。
【0003】
SPMの例としては、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)や、走査トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)が挙げられる。
【0004】
AFMでは、ピエゾ素子等を利用して3次元的に微小に操作される試料表面に対して、振動する微小な板状のレバーの先端に取り付けられた、先端が先鋭化された微小なプローブを試料表面に接近させて、プローブと試料表面との間に生じる原子間力をレバーの固有振動数の変化として検出する。そしてプローブと試料とを2次元的に走査しつつ、原子間力による振動数の変化が一定になるようにプローブと試料との間隔を調整し、その間隔を調整する場合にピエゾ素子に印加する電圧に基づいて、試料表面の原子間力を反映した凹凸形状が測定される。
【0005】
このとき、原子間力は10分の数nmの間隔で変化するため、AFMを用いれば、試料表面の原子間力を反映した凹凸形状を原子レベルで観察することができる。
【0006】
STMでは、ピエゾ素子等を利用して3次元的に微小に走査される試料に対して、導電性の針状のプローブを接近させて、プローブと試料との間に流れる微小なトンネル電流に基づいて、試料表面の電子状態を反映した凹凸形状が測定される。
【0007】
近年では、SPMと他の分析機器とを組み合わせた様々な複合装置も開発されている。このような複合装置として、例えば、SPMおよび試料内部から放出される二次電子の検出を行なう走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を組み合わせた装置が挙げられる(非特許文献1を参照)。
【0008】
【非特許文献1】
http://www.omicron.de/products/gemini/nanoprobe-gemini.html
産業上の利用分野
本発明は、観察している試料表面を構成する原子のうち、プローブの先端を構成する原子と重なる電子軌道をもつ、局所的な原子のみの元素の種類の同定を、試料表面の観察と同時に行なうことのできる原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法、およびそのための原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 プローブの先端を試料表面から10分の数nmの距離に近接させて、試料表面を構成する原子の電子軌道とプローブの先端を構成する原子の電子軌道とを重なるようにし、該プローブの先端および試料表面にエネルギーを印加することで、試料表面を構成する原子の内殻準位に空孔を形成する空孔形成工程と、
形成された空孔準位よりも浅い、プローブの先端を構成する原子の内殻準位または価電子帯の電子が試料表面を構成する原子の内殻準位に形成された空孔へ遷移するときに放出される試料・プローブ間の原子間遷移エネルギーを検出し、試料表面を構成する原子のうち、プローブの先端を構成する原子と重なる電子軌道をもつ、局所的な原子のみの元素の種類を同定する検出工程とを含むとともに、
上記2つの工程のうちの少なくとも1つの工程と、プローブと試料表面との近接相互作用によって決定される原子間力やトンネル電流などの物性値を計測しながら、プローブに対して試料表面を相対的に走査する走査工程とを同時に行ない、
上記プローブは試料表面に周期的に近接させる構成であって、
上記検出工程では、上記プローブが試料表面に近接する周期に合わせて、原子間遷移エネルギーの検出を行なうことを特徴とする原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法。
【請求項2】 プローブの先端を試料表面から10分の数nmの距離に近接させて、試料表面を構成する原子の電子軌道とプローブの先端を構成する原子の電子軌道とを重なるようにし、該プローブの先端および試料表面にエネルギーを印加することで、プローブの先端を構成する原子の内殻準位に空孔を形成する空孔形成工程と、
形成された空孔準位よりも浅い、試料表面を構成する原子の内殻準位または価電子帯の電子がプローブの先端を構成する原子の内殻準位に形成された空孔へ遷移するときに放出される試料・プローブ間の原子間遷移エネルギーを検出し、試料表面を構成する原子のうち、プローブの先端を構成する原子と重なる電子軌道をもつ、局所的な原子のみの元素の種類を同定する検出工程とを含むとともに、
上記2つの工程のうちの少なくとも1つの工程と、プローブと試料表面との近接相互作用によって決定される原子間力やトンネル電流などの物性値を計測しながら、プローブに対して試料表面を相対的に走査する走査工程とを同時に行ない、
上記プローブは試料表面に周期的に近接させる構成であって、
上記検出工程では、上記プローブが試料表面に近接する周期に合わせて、原子間遷移エネルギーの検出を行なうことを特徴とする原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法。
【請求項3】 空孔形成工程では、電子線またはX線を照射することでエネルギーを印加することを特徴とする請求項1または2に記載の原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法。
【請求項4】 走査工程で、プローブまたは試料表面にバイアス電圧を周期的に印加することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡法。
【請求項5】 プローブと試料表面との近接相互作用によって決定される原子間力やトンネル電流などの物性値を計測する計測手段と、
プローブに対して試料表面を相対的に走査する走査手段と、
試料表面の凹凸形状を観察する観察手段と、
プローブの先端を試料表面から10分の数nmの距離に近接させ、試料表面を構成する原子の電子軌道とプローブの先端を構成する原子の電子軌道とを重なるようにする近接手段と、
試料表面から10分の数nmの距離に近接したプローブの先端および試料表面にエネルギーを印加する印加手段と、
プローブに対して試料表面を相対的に走査しているときに、プローブを構成する原子と、試料表面を構成する原子といった、異なる原子間での電子の遷移によって生じる試料・プローブ間の原子間遷移エネルギーを検出し、試料表面を構成する原子のうち、プローブの先端を構成する原子と重なる電子軌道をもつ、局所的な原子のみの元素の種類を同定する検出手段とを備えており、
上記プローブは試料表面に周期的に近接させる構成であって、
上記検出手段は、上記プローブが試料表面に近接する周期に合わせて、原子間遷移エネルギーの検出を行なうものであることを特徴とする原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡。
【請求項6】 エネルギーの印加手段が、電子銃またはX線発生装置であることを特徴とする請求項5に記載の原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡。
【請求項7】 プローブまたは試料表面にバイアス電圧を周期的に印加するバイアス印加手段をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の原子間遷移エネルギー分析走査プローブ顕微鏡。
産業区分
  • 試験、検査
  • 電子管
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003020979thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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