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共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とするポルフィリン多量体とこれらの製造方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P07A010499
整理番号 P02-9
掲載日 2007年9月14日
出願番号 特願2003-336100
公開番号 特開2004-137273
登録番号 特許第4045339号
出願日 平成15年9月26日(2003.9.26)
公開日 平成16年5月13日(2004.5.13)
登録日 平成19年11月30日(2007.11.30)
優先権データ
  • 特願2002-281616 (2002.9.26) JP
発明者
  • 小夫家 芳明
  • 佐竹 彰治
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とするポルフィリン多量体とこれらの製造方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

【課題】 溶媒の極性等周囲の環境に依存することなく安定に存在し得るポルフィリン多量体であって、その重合度が高いものも容易に製造することができるポルフィリン多量体を提供すること。
【解決手段】 一般式(1)で表わされる共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする直鎖型ポルフィリン多量体{式中、Rは、アルキル基又は
 【化1】

(a,b及びdはH,アルキル基又はアリール基を表す)を表し;Xは-O-,-S-,>NR101(R101はH又はアルキル基を表す),CH2又は単結合を表し;Yは=O,=Sまたは2Hを表し;mは0~4の整数を表し;nは0~6の整数を表し;Zは5~6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表し;Mは典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表し;Q1は単結合または直線状二価の連結基を表し;p1は2以上の整数を表す。}
 【化2】

【選択図】   なし

従来技術、競合技術の概要


ポルフィリンは、4個のピロール核が4個のメチン基により架橋された環状テトラピロールである。ポルフィリンは、18π電子から成る大きな共役系を持つことから、ポルフィリン多量体は、分子電線の材料等としての用途が期待され、その合成例がいくつか報告されている。



例えば、京大の大須賀(非特許文献1及び2等参照)や都立大の杉浦(非特許文献3等参照)は、ポルフィリン多量体を共有結合で伸張する方法を報告しているが、いずれも非常に多段階の合成過程を要するため経済的に不利な方法といえる。また、これらの方法ではポルフィリン単位が数百にも及ぶ多量体は合成自体が困難である。



本発明者はイミダゾリルポルフィリン金属錯体が分子間で互いに配位結合することによってポルフィリン2量体もしくはそれ以上のポルフィリン多量体を形成することをすでに見出している(以下の反応式1及び2を参照されたい。)(非特許文献4及び5、並びに特許文献1及び2参照)。これらのポルフィリン多量体はエネルギー伝達素子としての機能を有するため、分子エレクトロニクス素子としての応用が期待されている。
【化学式18】


【化学式19】




イミダゾリルポルフィリン金属錯体を構成単位とするポルフィリン多量体の特長は、非極性溶媒中でイミダゾリルポルフィリン単量体を混合させるだけで、ポルフィリン多量体が自然に形成する点であり、そのため原料としては最小の構成単位であるポルフィリン単量体のみを作ればよい(上記反応式1及び2参照)。この方法は共有結合によってポルフィリン多量体を伸張する大須賀や杉浦の方法に比べて合成段階が少なく経済的であり、分子量50万にもおよぶ規則正しく並んだ巨大金属錯体多量体を作ることが現実的に可能である。しかしながら、配位結合で伸張したポルフィリン多量体は極性溶媒中では配位結合が切断されてしまうため、利用できる媒体や環境が非極性のものに限られ、適用範囲が狭いことが問題であった(上記反応式1 矢印右から左の反応)。そこで配位結合によって伸張されたポルフィリン多量体を固定化し、ポリマー形成後はもはや切れないような安定な多量体を合成することが望まれていた。

【非特許文献1】N. Aratani, A. Osuka, Y. H. Kim, D. H. Jeong, D. Kim, Angew. Chem. Int. Ed. 39, 1458 (2000)

【非特許文献2】A. Tsuda and A. Osuka, Science, 298, 79 (2001)

【非特許文献3】K. Sugiura, H. Tanaka, T. Matsumoto, T. Kawai, Y. Sakata, Chem. Lett. 1999, 1193.

【非特許文献4】Y. Kobuke, H. Miyaji, J. Am. Chem. Soc. 1994, 116, 4111

【非特許文献5】K. Ogawa, Y. Kobuke, Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 4070

【特許文献1】特開2001-253883公報

【特許文献2】特開2001-213883公報

産業上の利用分野


本発明は、新規なポルフィリン2量体またはそれ以上のポルフィリン多量体、及びその製造方法に関する。



また、本発明は、本発明のポルフィリン多量体を構成するポルフィリン2量体及び単量体にも関する。



本発明のポルフィリン多量体は、効率のよい光エネルギー捕集及び伝達素子として働くことが予測されており、その応用として人工光合成素子、有機太陽電池への利用が考えられている。また、ポルフィリンは光駆動電子移動素子として働くことも知られており、ポルフィリン多量体は分子サイズの光・電子素子としての応用が見込まれている。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)で表わされる共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする直鎖型ポルフィリン多量体。
【化学式1】


{式中、
Rは、アルキル基または
【化学式2】


(式中、a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わす。)を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
1は、単結合または直線状二価の連結基を表わし、
1は、2以上の整数を表わす。}

【請求項2】
次の一般式(1-1)で表わされる直鎖型ポリフィリン多量体誘導体。
【化学式3】


{式中、
R、X、Y、m、X1、Z、M、Q1及びp1は、請求項1において規定したとおりであり、
e及びfは、同時に、Hを表わすか若しくは水酸基を表わすか、またはeとfが互いに結合して、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。}

【請求項3】
次の一般式(2)で表わされる共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする環状ポルフィリン多量体。
【化学式4】


{式中、
aは、H、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
2は、屈曲した二価の基を表わし、
2は、3以上の整数を表わす。}

【請求項4】
次の一般式(2-1)で表わされる環状ポルフィリン多量体誘導体。
【化学式5】


{式中、
X、Y、m、X1、Z、M、Q2及びp2は、請求項3において規定したとおりであり、
e及びfは、同時に、Hを表わすか若しくは水酸基を表わすか、またはeとfが互いに結合して、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。}

【請求項5】
次の一般式(3)で表わされる配位結合によって形成された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする直鎖型ポルフィリン多量体。
【化学式6】


{式中、
a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
1は、単結合または直線状二価の連結基を表わし、
1は、2以上の整数を表わす。}

【請求項6】
次の一般式(4)で表わされる配位結合によって形成された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする環状ポルフィリン多量体。
【化学式7】


{式中、
a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
2は、屈曲した二価の基を表わし、
2は、3以上の整数を表わす。}

【請求項7】
次の一般式(5)で表わされる架橋部を有するビス配位性ヘテロ芳香族置換ポルフィリン単量体。
【化学式8】


{式中、
a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
2は、H、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基、アルキル基またはアリール基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
Qは、単結合または二価の連結基を表わす。}

【請求項8】
次の一般式(6)で表わされる共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香族置換ポルフィリン2量体。
【化学式9】


{式中、
aは、H、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
1は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
【化学式10】


(式中、Dは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の基を表わし、Eは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む三価の基を表わし、R3は、Hまたはアセチル基を表わす。)を表わす。}

【請求項9】
次の一般式(6-1)で表わされるポルフィリン2量体誘導体。
【化学式11】


{式中、
X、Y、m、X1、Z、M及びR1は、請求項8において規定した通りであり、
e及びfは、同時に、Hを表わすか若しくは水酸基を表わすか、またはeとfが互いに結合して、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。

【請求項10】
次の一般式(7)で表わされる配位結合により形成された配位性ヘテロ芳香族置換ポルフィリン2量体。
【化学式12】


{式中、
a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
Zは、5若しくは6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環基を表わし、
Mは、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表わし、
1は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
【化学式13】


(式中、Dは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の基を表わし、Eは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む三価の基を表わし、R3は、Hまたはアセチル基を表わす。)を表わす。}

【請求項11】
請求項5に記載される一般式(3)の直鎖型ポルフィリン多量体を、Grubbs錯体の存在下に、閉環メタセシス反応させることにより請求項1に記載される一般式(1)の直鎖型ポルフィリン多量体を製造する方法。

【請求項12】
請求項1に記載される一般式(1)の直鎖型ポルフィリン多量体を、金属触媒の存在下に水素化することにより、請求項2に記載される一般式(1-1)(式中、e=f=H)の誘導体を製造する方法。

【請求項13】
請求項1に記載される一般式(1)の直鎖型ポルフィリン多量体を、触媒の存在下に酸化することにより、請求項2に記載される一般式(1-1)(式中、e=f=水酸基)の誘導体を製造する方法。

【請求項14】
請求項1に記載される一般式(1)の直鎖型ポルフィリン多量体を、必要に応じて触媒の存在下に酸化することにより、請求項2に記載される一般式(1-1)(式中、eとfは互いに結合し、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。)の誘導体を製造する方法。

【請求項15】
請求項6に記載される一般式(4)の環状ポルフィリン多量体を、Grubbs錯体の存在下に、閉環メタセシス反応させることにより請求項3に記載される一般式(2)の環状ポルフィリン多量体を製造する方法。

【請求項16】
請求項3に記載される一般式(2)の環状ポルフィリン多量体を、金属触媒の存在下に水素化することにより、請求項4に記載される一般式(2-1)(式中、e=f=H)の誘導体を製造する方法。

【請求項17】
請求項3に記載される一般式(2)の環状ポルフィリン多量体を、触媒の存在下に酸化することにより、請求項4に記載される一般式(2-1)(式中、e=f=水酸基)の誘導体を製造する方法。

【請求項18】
請求項3に記載される一般式(2)の環状ポルフィリン多量体を、必要に応じて触媒の存在下に酸化することにより、請求項4に記載される一般式(2-1)(式中、eとfは互いに結合し、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。)の誘導体を製造する方法。

【請求項19】
請求項7に記載される一般式(5)のビス配位性ヘテロ芳香族置換ポルフィリン単量体を、非極性溶媒中で配位結合による自己組織化させることにより請求項5に記載される一般式(3)の直鎖型ポルフィリン多量体または請求項6に記載される一般式(4)の環状ポルフィリン多量体を製造する方法。但し、一般式(5)において、Qが、単結合または直線状二価の基の場合、一般式(3)の直鎖型ポルフィリン多量体が得られ、一方、一般式(5)において、Qが、屈曲した二価の場合、一般式(4)の環状ポルフィリン多量体が得られる。

【請求項20】
請求項10に記載される一般式(7)の配位結合により形成されるポルフィリン2量体を、Grubbs錯体の存在下に、閉環メタセシス反応させることにより請求項8に記載される一般式(6)の共有結合により固定化された2量体を製造する方法。

【請求項21】
請求項8に記載される一般式(6)のポルフィリン2量体を、金属触媒の存在下に水素化することにより、請求項9に記載される一般式(6-1)(式中、e=f=H)の誘導体を得る方法。

【請求項22】
請求項8に記載される一般式(6)のポルフィリン2量体を、触媒の存在下に酸化することにより、請求項9に記載される一般式(6-1)(式中、e=f=水酸基)の誘導体を得る方法。

【請求項23】
請求項8に記載される一般式(6)のポルフィリン2量体を、必要に応じて触媒の存在下に酸化することにより、請求項9に記載される一般式(6-1)(式中、eとfは互いに結合し、これらが結合するC-Cと共にエポキシ環を形成する。)の誘導体を得る方法。

【請求項24】
次の一般式(8)で表される配位性ヘテロ芳香族置換ポルフィリン金属錯体単量体を、非極性溶媒中で配位結合による自己組織化させることにより請求項10に記載される一般式(7)のポルフィリン2量体を製造する方法
【化学式14】


{式中、
Rは、アルキル基または
【化学式15】


(式中、a、b及びdは、各々独立してH、アルキル基またはアリール基を表わす。)を表わし、
Xは、-O-、-S-、>NR101(ここで、R101は、Hまたはアルキル基を表わす。)、CH2または単結合を表わし、
Yは、=O、=Sまたは2Hを表わし、
mは、0~4の整数を表わし、
1は、二価の連結基を表し、
2は、5または6員の含窒素配位性ヘテロ芳香族環を表し、
2は、典型金属及び遷移金属から選択される金属のイオンを表し、
1は、H、直線状二価の連結基もしくは屈曲した二価の連結基から誘導される一価の基、
【化学式16】


(式中、Dは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む二価の基を表わし、Eは、アリーレン基及びアルキレン基の少なくとも一方を含む三価の基を表わし、R3は、Hまたはアセチル基を表わす。)を表す。}
産業区分
  • 有機化合物
  • 太陽熱利用
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。


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