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ヤング率推定方法、ヤング率推定プログラム及びヤング率推定装置 コモンズ

国内特許コード P07P004757
整理番号 NU-0076
掲載日 2007年9月28日
出願番号 特願2006-058443
公開番号 特開2007-232698
登録番号 特許第4696243号
出願日 平成18年3月3日(2006.3.3)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
登録日 平成23年3月11日(2011.3.11)
発明者
  • 佐々木 康寿
  • 山崎 真理子
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 ヤング率推定方法、ヤング率推定プログラム及びヤング率推定装置 コモンズ
発明の概要

【課題】測定対象部材の密度を直接測定することなく保有強度性能を客観的に評価することを可能とするヤング率推定方法、ヤング率推定プログラム及びヤング率推定装置を提供する。
【解決手段】測定対象木材Wの応力波伝播速度vを測定し、この応力波伝播速度vとの間で数式1が成り立つ「ヤング率と密度」の組み合わせを、研究蓄積のある「ヤング率ー密度関係の実測データベース」を基にモンテカルロシュミレーション法によって推定する。即ち、任意に抽出された抽出密度ρiと実測データベースの回帰線情報とに基づき抽出ヤング率Eiを求め、これと応力波伝播速度vとの間で数式1が成り立つ算出密度ρkを求め、これと抽出密度ρiとの誤差範囲が設定許容誤差範囲にある場合に、それに対応する抽出ヤング率Eiを推定ヤング率として決定する。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


例えば、木造建築物の修理・改築・建替え等において、使用されている構造部材の継続使用、再使用が可能かどうかを判定するために、その構造部材の保有強度性能を知る必要がある。従来は、その判定を熟練大工の経験等に基づく主観的な評価によって行われていることが多く、構造部材の保有強度性能を客観的に、すなわち数値的に評価することが求められている。
このように構造部材の保有強度性能を数値的に評価するための方法としては、例えば以下のものがある。
(1)「負荷法」:構造部材に圧縮・引張・曲げなどの静的負荷を加えて、荷重と構造部材の変形との関係における比例定数を求める方法。
(2)「周波数解析法(打撃法)」:構造部材をハンマーで打撃し、打撃音をマイクロフォンで集音し、周波数分析器を用いて固有振動数を求めるとともに、構造部材の重量・体積を測定し、所定の関係式によりヤング率を算出する方法(下記特許文献1参照)。
(3)「超音波法」:超音波センサによって構造部材内の超音波の音速を測定するとともに、構造部材の密度を測定し、これらの超音波の音速及び密度から所定の関係式によりヤング率を算出する方法。
(4)「応力波法」:応力波伝播速度測定器を用いて構造部材内における応力波伝播速度を測定するとともに、構造部材の密度を測定し、これらの応力波伝播速度及び密度から所定の関係式によりヤング率を算出する方法(下記特許文献2参照)。

【特許文献1】特公平6-78974号公報

【特許文献2】特公昭40-18194号公報

産業上の利用分野


本発明は、木材等の部材のヤング率を推定するためのヤング率推定方法、ヤング率推定プログラム及びヤング率推定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
測定対象部材の応力波伝播速度を測定し、部材のヤング率-密度関係の実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出し、当該各第1密度ごとに以下のステップ(A)~(C)を繰り返し行うことで、前記応力波伝播速度に対応する前記測定対象部材のヤング率を推定するヤング率推定方法。
(A)前記実測データベースの回帰線と、前記第1密度とに基づきヤング率を抽出するヤング率抽出ステップ、
(B)所定の第1関係式に基づき、前記ヤング率抽出ステップで抽出された抽出ヤング率及び前記応力波伝播速度に対応する第2密度を算出する密度算出ステップ、
(C)前記第1密度と前記第2密度との誤差が設定許容範囲内にあることを条件に、前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定ステップ。

【請求項2】
測定対象部材の長さ及び固有振動数を測定し、部材のヤング率-密度関係の実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出し、当該各第1密度ごとに以下のステップ(A)~(C)を繰り返し行うことで、前記測定対象部材の長さ及び固有振動数に対応する前記測定対象部材のヤング率を推定するヤング率推定方法。
(A)前記実測データベースの回帰線と、前記第1密度とに基づきヤング率を抽出するヤング率抽出ステップ、
(B)所定の第2関係式に基づき、前記ヤング率抽出ステップで抽出された抽出ヤング率、前記長さ及び前記固有振動数に対応する第2密度を算出する密度算出ステップ、
(C)前記第1密度と前記第2密度との誤差が設定許容範囲内にあることを条件に、前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定ステップ。

【請求項3】
コンピュータに、以下の処理(A)~(D)を実行させることで、部材のヤング率-密度関係の実測データベースと、測定対象部材について実測された応力波伝播速度とに基づき前記測定対象部材のヤング率を推定するためのヤング率推定プログラム。
(A)前記実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出する密度抽出処理、
(B)前記密度抽出処理で抽出された各第1密度について、メモリに記憶された前記実測データベースの回帰線情報と、当該各第1密度とに基づき各ヤング率を抽出するヤング率抽出処理、
(C)前記ヤング率抽出処理で抽出された各抽出ヤング率について、所定の第1関係式に基づき、当該各抽出ヤング率及び前記応力波伝播速度に対応する各第2密度を算出する密度算出処理、
(D)前記各第2密度について、それに対応する前記各第1密度との誤差が設定許容範囲内にある場合に、当該第2密度に対応する前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定処理。

【請求項4】
コンピュータに、以下の処理(A)~(D)を実行させることで、部材のヤング率-密度関係の実測データベースと、測定対象部材について実測された長さ及び固有振動数とに基づき前記測定対象部材のヤング率を推定するためのヤング率推定プログラム。
(A)前記実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出する密度抽出処理、
(B)前記密度抽出処理で抽出された各第1密度について、メモリに記憶された前記実測データベースの回帰線情報と、当該各第1密度とに基づき各ヤング率を抽出するヤング率抽出処理、
(C)前記ヤング率抽出処理で抽出された各抽出ヤング率について、所定の第2関係式に基づき、当該各抽出ヤング率、前記長さ及び前記固有振動数に対応する各第2密度を算出する密度算出処理、
(D)前記各第2密度について、それに対応する前記各第1密度との誤差が設定許容範囲内にある場合に、当該各第2密度に対応する前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定処理。

【請求項5】
前記密度抽出処理は、モンテカルロシミュレーション法により前記実測データベース内の密度についての確率分布に従って前記第1密度を抽出する処理である請求項3または請求項4に記載のヤング率推定プログラム。

【請求項6】
前記ヤング率抽出処理は、前記回帰線上において前記第1密度に対応する平均ヤング率を求める平均ヤング率算出処理と、前記実測データベース内において前記第1密度に対応するヤング率のばらつきに基づき前記平均ヤング率を補正して前記抽出ヤング率とする補正処理とを含む請求項3から請求項5のいずれかに記載のヤング率推定プログラム。

【請求項7】
前記ヤング率抽出処理は、前記回帰線上において前記第1密度に対応する平均ヤング率を求める平均ヤング率算出処理と、当該平均ヤング率に対する回帰残差を、モンテカルロシミュレーション法により正規分布に従って抽出する回帰残差抽出処理と、その抽出された回帰残差に応じて前記平均ヤング率を補正して前記抽出ヤング率とする補正処理とを含む請求項3から請求項5のいずれかに記載のヤング率推定プログラム。

【請求項8】
回帰残差抽出処理では、一様乱数を発生させ、この一様乱数に基づき標準正規確率変数を算出し、当該標準正規確率変数に、前記実測データベース内において前記第1密度に対応するヤング率の標準偏差を乗じて前記回帰残差とする請求項7に記載のヤング率推定プログラム。

【請求項9】
部材の種類及び環境のうち少なくともいずれか一方に基づき分類された複数種の実測データベースのなかから特定の実測データベースを指定させる指定処理を更に含み、
前記指定処理で指定された実測データベースに基づき前記処理(A)~(D)を実行させる請求項3から請求項8のいずれかに記載のヤング率推定プログラム。

【請求項10】
測定対象部材の応力波伝播速度を取得する取得手段と、
部材のヤング率-密度関係の実測データベースの回帰線情報及び密度情報が記憶される記憶手段と、
前記密度情報に基づき前記実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出する密度抽出手段と、
前記密度抽出手段で抽出された各第1密度について、前記回帰線情報と、当該各第1密度とに基づき各ヤング率を抽出するヤング率抽出手段と、
前記ヤング率抽出手段で抽出された各抽出ヤング率について、所定の第1関係式に基づき、当該各抽出ヤング率及び前記応力波伝播速度に対応する各第2密度を算出する密度算出手段と、
前記各第2密度について、それに対応する前記各第1密度との誤差が設定許容範囲内にある場合に、当該第2密度に対応する前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定手段と、を備えるヤング率推定装置。

【請求項11】
測定対象部材の長さ及び固有振動数を取得する取得手段と、
部材のヤング率-密度関係の実測データベースの回帰線情報及び密度情報が記憶される記憶手段と、
前記密度情報に基づき前記実測データベースの範囲内に存在し得る複数の第1密度を規則的または不規則的に抽出する密度抽出手段と、
前記密度抽出手段で抽出された各第1密度について、前記回帰線情報と、当該各第1密度とに基づき各ヤング率を抽出するヤング率抽出手段と、
前記ヤング率抽出手段で抽出された各抽出ヤング率について、所定の第2関係式に基づき、当該各抽出ヤング率、前記長さ及び前記固有振動数に対応する各第2密度を算出する密度算出手段と、
前記各第2密度について、それに対応する前記各第1密度との誤差が設定許容範囲内にある場合に、当該第2密度に対応する前記抽出ヤング率を推定ヤング率として決定する推定ヤング率決定手段と、を備えるヤング率推定装置。

【請求項12】
前記密度抽出手段は、モンテカルロシミュレーション法により前記実測データベース内の密度についての確率分布に従って前記第1密度を抽出する請求項10または請求項11に記載のヤング率推定装置。

【請求項13】
前記ヤング率抽出手段は、前記回帰線上において前記第1密度に対応する平均ヤング率を求める平均ヤング率算出手段と、前記実測データベース内において前記第1密度に対応するヤング率のばらつきに基づき前記平均ヤング率を補正して前記抽出ヤング率とする補正手段とを有する請求項10から請求項12のいずれかに記載のヤング率推定装置。

【請求項14】
前記ヤング率抽出手段は、前記回帰線上において前記第1密度に対応する平均ヤング率を求める平均ヤング率算出手段と、当該平均ヤング率に対する回帰残差を、モンテカルロシミュレーション法により正規分布に従って抽出する回帰残差抽出手段と、その抽出された回帰残差に応じて前記平均ヤング率を補正して前記抽出ヤング率とする補正手段とを有する請求項10から請求項12のいずれかに記載のヤング率推定装置。

【請求項15】
回帰残差抽出手段は、一様乱数を発生させ、この一様乱数に基づき標準正規確率変数を算出し、当該標準正規確率変数に、前記実測データベース内において前記第1密度に対応するヤング率の標準偏差を乗じて前記回帰残差とする請求項14に記載のヤング率推定装置。

【請求項16】
前記記憶手段には、部材の種類及び環境のうち少なくともいずれか一方に基づき分類された複数種の実測データベースの回帰線情報及び密度情報が記憶されており、
前記複数の複数種の実測データベースのなかから特定の実測データベースを指定させる指定手段を備え、
前記密度抽出手段及び前記ヤング率抽出手段は、前記指定手段で指定された実測データベースの回帰線情報及び密度情報に基づき処理を実行する請求項10から請求項15のいずれかに記載のヤング率推定装置。
産業区分
  • 試験、検査
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006058443thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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