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磁気浮上装置並びに磁気浮上方法

国内特許コード P07A010579
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2006-182509
公開番号 特開2007-084338
登録番号 特許第5176097号
出願日 平成18年6月30日(2006.6.30)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
登録日 平成25年1月18日(2013.1.18)
優先権データ
  • 特願2005-243617 (2005.8.25) JP
発明者
  • 大路 貴久
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 磁気浮上装置並びに磁気浮上方法
発明の概要

【課題】 正確な浮上位置制御或いは振動抑制を実現することができる磁気浮上装置並びに励磁側を可動子とし金属レールを固定子とする磁気浮上装置を提供するにある。
【解決手段】 磁気浮上装置においては、浮上させるべき導電性の非磁性金属板の面に対して第1の交流磁界が第1の交流電磁石から印加される。また、金属板の周囲に略対称に配置された第2及び第3の交流電磁石から第1の交流磁界の印加によって前記金属板に生じた渦電流に交差するように第2及び第3の交流磁界が前記金属板に印加されて金属板が磁気的に浮上される。金属板が固定子側レールに定められ、電磁石が移動側キャリッジに載置されることによって磁石装置を搬送する磁気搬送装置も実現することができる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


金属板を磁気的に浮上させる磁気浮上装置として誘導反発式の磁気浮上装置が特許文献1で知られている。また、磁気浮上装置として交流磁気浮上搬送装置が特許文献2及び特許文献3で知られている。



誘導反発式の磁気浮上装置では、交流磁界によって良導体金属板に渦電流(二次電流)を発生させ、この渦電流によって新たに磁界を発生させている。与えられた交流磁界と渦電流によって生ずる磁界とが互いに反発される結果、その相互反発の向きに発生する浮上力を利用して金属板を浮上させている。



誘導反発式の磁気浮上装置として、山梨リニア実験線のような浮上・案内を受動的に制御する8の字コイルが有名である。電磁誘導によって金属板に生じる渦電流は、金属板が有する抵抗によって熱に変換されることから、金属板に熱蓄積が生じないよう配慮が必要であるとされている。



一方、磁気浮上装置において、ローレンツ力によって対象物を制御しようとする試みもある。ローレンツ力は、直流磁界に直流電流を作用させれば発生し、磁界及び電流のいずれにも線形性を有することから、ローレンツ力は、能動制御しやすい力とされている。



また、磁気浮上装置において、吸引力による磁気浮上は、電磁石と磁性材料若しくは永久磁石の間に働く磁気クーロン力を利用するもので、磁気浮上方式として最も多く用いられている。



薄板の浮上搬送に関しては、金属板(特に薄板)であっても、その金属板が強磁性体か否かでその浮上搬送方式が大きく異なっている。金属板が強磁性体の場合は、薄鋼板と呼ばれ、磁気クーロン力を直接作用させることができ、電磁石による吸引制御並びに永久磁石による振動軽減などが考えられている。磁気浮上を利用するタイプとして、
(ア) 有限長の薄鋼板(例えば、縦1m×横1m×厚さ0.5mm)を非接触で搬送するもの
(イ) ローラ上を移動する無限長薄鋼板の振動によって生じる波状の紋様を防止するもの
等がある。強磁性体以外の金属板の搬送に関しては、誘導反発浮上方式で有限長の金属板を搬送する例がある。但し、浮上している金属板には、移動磁界によって誘起される渦電流に基づいて熱が発生するため、長時間亘って連続的な磁気浮上は、困難であるとされている。また、誘導反発浮上方式では、金属板に働く反発力は、浮上力の安定に寄与し、案内力を安定化するには、固定子側若しくは金属薄板自体の形状を工夫することも必要とされている。



更に、金属板が変形を伴わないことを条件に誘導反発浮上方式で金属搬送を実現しているが、金属薄板の搬送は難しいとされている。また、反発力のみを作用させる安定化では、能動的な制御機能が低く、金属薄板の種々の振動モードの抑制は極めて困難であるとされている。

【特許文献1】特開平06-048568

【特許文献2】特開平05-252610

【特許文献3】特開平04-029506

産業上の利用分野


この発明は、金属板を磁気的に浮上させる磁気浮上装置並びに金属板を磁気的に浮上させる方法に係り、特に、交流電磁石によって非磁性金属板に磁束を発生させ、誘導電流と磁束とによって発生するローレンツ力を用いて非磁性金属板に浮上力を与える磁気浮上装置並びに磁気浮上方法に関する。



また、この発明は、金属レール上に磁石装置を磁気的に浮上させる磁気浮上装置並びに金属レール上に磁石装置を磁気的に浮上させる磁気浮上方法に係り、特に、交流電磁石によって非磁性金属レール上に磁束を発生させ、誘導電流と磁束とによって発生するローレンツ力を用いて当該金属レールに対して浮上力が与えられるとともに移動磁界で搬送力が与えられる磁気浮上装置並びに磁気浮上方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
浮上させるべき導電性非磁性金属板の面に対して第1の交流磁界を印加して前記金属板に渦電流を生じさせる第1の交流電磁石と、
前記金属板の周囲に略対称に配置されている第2及び第3の交流電磁石であって、前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有し、前記第1の交流磁界に対して位相差が与えられている第2及び第3の交流磁界を前記渦電流に交差するように前記金属板に印加して前記金属板にローレンツ力を発生させる第2及び第3の交流電磁石と、
を具備し、前記ローレンツ力を含む浮上力で前記金属板を磁気的に浮上させる磁気浮上装置。

【請求項2】
前記金属板の反対面に対して前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有する第4の交流磁界を印加して前記金属板に渦電流を生じさせる第4の交流電磁石を更に具備することを特徴とする請求項1の磁気浮上装置。

【請求項3】
前記金属板は、前記第1の交流磁界と前記渦電流によって生ずる磁束との誘導反発力及び前記第2並びに第3の交流磁界と前記渦電流によって生ずるローレンツ力によって浮上されることを特徴とする請求項1の磁気浮上装置。

【請求項4】
前記第1、第2及び第3の電磁石は、三相交流電磁石で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項3の磁気浮上装置。

【請求項5】
前記第1の交流電磁石に略並列して前記金属板の長手方向の中心軸に関して略対称に配置され、前記金属板の面に対して前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有する第5の交流磁界を印加して前記金属板に渦電流を生じさせる第5の交流電磁石を更に具備することを特徴とする請求項1の磁気浮上装置。

【請求項6】
前記金属板の周囲に前記第2及び第3の交流電磁石とともに略対称に配置されている第6及び第7の交流電磁石であって、前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有し、前記第1の交流磁界に対して位相差が与えられている第6及び第7の交流磁界を前記渦電流に交差するように前記金属板に印加して前記金属板にローレンツ力を発生させる第6及び第7の交流電磁石を更に具備することを特徴とする請求項1の磁気浮上装置。

【請求項7】
前記第1の交流電磁石とともに前記金属板の中心に関して略対称に配置され、前記金属板の面に対して前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有する第8、第9及び第10の交流磁界を印加して前記金属板に渦電流を生じさせる第8、第9及び第10の交流電磁石を更に具備することを特徴とする請求項1又は請求項6の磁気浮上装置。

【請求項8】
前記第1、第2及び第3の交流電磁石は、移動磁界を生成することを特徴とする請求項1の磁気浮上装置。

【請求項9】
前記金属板は、絶縁層を介して金属層が積層された積層構造に構成され、当該金属板積層構造が磁気的に浮上されることを特徴とする請求項1又は請求項6の磁気浮上装置。

【請求項10】
浮上させるべき導電性非磁性金属板の面に対して第1の交流磁界を印加して前記金属板に渦電流を生じさせ
前記金属板の周囲から略対称に第2及び第3の交流磁界を前記金属板に印加して前記金属板を磁気的に浮上させる磁気浮上方法において
前記第2及び第3の交流磁界は、前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有し、前記第1の交流磁界に対して位相差が与えられ、前記渦電流に交差するように前記金属板に印加されて前記金属板にローレンツ力を発生させ、当該ローレンツ力を含む浮上力で前記金属板を磁気的に浮上させる磁気浮上方法。

【請求項11】
固定されている導電性非磁性金属レールと、
この金属レールの面に対して第1の交流磁界を印加して前記金属レールに渦電流を生じさせる第1の交流電磁石、前記金属レールの周囲に略対称に配置されている第2及び第3の交流電磁石であって、前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有し、前記第1の交流磁界に対して位相差が与えられている第2及び第3の交流磁界を前記渦電流に交差するように前記金属レールに印加して前記金属レールにローレンツ力を発生させる第2及び第3の交流電磁石及び前記第1、第2及び第3の交流電磁石を搭載するキャリッジから構成される磁石部と、
を具備し、前記ローレンツ力を含む浮上力で前記金属レール上に前記磁石部を磁気的に浮上させる磁気浮上装置。

【請求項12】
前記磁石部は、前記第1の交流磁界と前記渦電流によって生ずる磁束との誘導反発力及び前記第2並びに第3の交流磁界と前記渦電流によって生ずるローレンツ力によって前記金属レール上に浮上されることを特徴とする請求項11の磁気浮上装置。

【請求項13】
前記第1、第2及び第3の電磁石は、三相交流電磁石で構成されることを特徴とする請求項11の磁気浮上装置。

【請求項14】
前記第1、第2及び第3の交流電磁石は、移動磁界を生成することを特徴とする請求項11の磁気浮上装置。

【請求項15】
前記金属レールは、絶縁層を介して金属レールが積層された積層構造に構成されることを特徴とする請求項11の磁気浮上装置。

【請求項16】
固定されている導電性非磁性金属レールの面に対して第1の交流磁界を印加して前記金属レールに渦電流を生じさせ
前記金属レールの周囲から略対称に第2及び第3の交流磁界を前記金属レールに印加して前記金属レール上に前記第1、第2及び第3の交流電磁石を搭載するキャリッジを磁気的に浮上させる磁気浮上方法において
前記第2及び第3の交流磁界は、前記第1の交流磁界の周波数と略等しい周波数を有し、前記第1の交流磁界に対して位相差が与えられ、前記渦電流に交差するように前記金属レールに印加されて前記金属レールにローレンツ力を発生させ、当該ローレンツ力を含む浮上力で前記金属レール上に前記第1、第2及び第3の交流電磁石を搭載するキャリッジを磁気的に浮上させる磁気浮上方法。
産業区分
  • その他運輸
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006182509thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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