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磁気メモリ装置及びその書き込み方法

国内特許コード P07P004805
整理番号 50039
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2006-059953
公開番号 特開2007-242092
登録番号 特許第4825975号
出願日 平成18年3月6日(2006.3.6)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
登録日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発明者
  • 能崎 幸雄
  • 松山 公秀
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 磁気メモリ装置及びその書き込み方法
発明の概要

【課題】複数の磁気記憶セルについて、それぞれ確実に書き込みを行うことができる磁気メモリ装置を提供することにある。
【解決手段】 合成磁場発生用電流通電回路8から供給する高周波電流Iaの周波数を、第1の書き込み導体線6に直流電流Iwが流れているときに、複数の磁気記憶セル1ごとに定まる複数の最大強磁性共鳴周波数の中で最も高い最大強磁性共鳴周波数よりも高く設定する。そして第1の書き込み導体線6に直流電流Iwが流れておらず且つ第2の書き込み導体線7に高周波電流Iaが流れている1以上の交差点に対応して配置された1以上の磁気記憶セル1の磁化状態を反転させることがないように、第2の書き込み導体線7に流される高周波電流の周波数とその電流値に相関関係を持たせる。
【選択図】 図8

従来技術、競合技術の概要


特表2004-526270号公報(国際公開番号WO02/54407:USP6,351,409)には、強磁性共鳴効果を用いることによりエネルギー効率を高くしたMRAM書き込み装置が開示されている。この書き込み装置では、強磁性共鳴のQ値(直流磁界による磁化振幅に対する与えられた周波数での振幅の比)が1以上の磁気材料からなる自由層を含むMRAMセル(磁気記憶セル)を用いる。そして困難軸書き込み導体線に、対応共振周波数(associated resonant frequency)を含む書き込み信号(高周波電流)を流し、同時に容易軸書き込み導体線に直流電流を流すことにより、1つの磁気記憶セルのスイッチング(磁化状態の変更)を行う。この公報には、「対応共振周波数」とこの「対応共振周波数を含む書き込み信号」については、明確に説明されていない。しかし対応共振周波数とは、強磁性共鳴周波数を意味するものであると考えられる。また、対応共振周波数を含む書き込み信号とは、公報に記載の説明から推測すると、磁気記憶セルの強磁性共鳴周波数または磁気記憶セルの磁化状態が単磁区構造ではなく且つ不均一な磁化構造が形成されている場合の高次の共鳴周波数を有する高周波電流を意味するものと考えられる。この従来の書き込み装置では、直流パルス電流だけで発生した磁界を用いる従来の書き込み装置よりも、低電力でMRAMセルの磁化方向のスイッチングを行うことができる。



具体的には、この磁気メモリ装置では、絶縁層で分離した2系統の書き込み導体線の交差部に、一軸磁気異方性を有する磁気記憶セルが配置されている。そして2系統の書き込み導体線の1本(困難軸書き込み導体線)に高周波電流(交流電流)を流し、交差部直下に配置された磁気記憶セルに交流磁界Hacを印加する。高周波電流の周波数を磁気記憶セルの強磁性共鳴周波数または磁気記憶セルが不均一な磁化状態にあるときの共鳴周波数に相当する高次の強磁性共鳴周波数に設定することにより、磁気記憶セルの磁化が困難軸方向に振動する。このとき、2系統の書き込み導体線の他方の書き込み導体線に直流電流のパルス電流を流し、磁化方向と反転方向にパルス磁界Hswtを発生させる。交流磁界とパルス磁界の共同作用によりセルの磁化方向をスイッチングさせる。一般に、困難軸方向への磁化方向の回転角が大きければ大きいほど、より小さな磁界で磁化方向のスイッチングを行うことができる(臨界スイッチング特性)。

【特許文献1】特表2004-526270号公報

産業上の利用分野


本発明は、磁気記憶セルを用いた磁気メモリ装置及び強磁性共鳴現象を用いた磁気メモリ装置の書き込み方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の間隔をあけて配置されて、それぞれ選択的に直流電流が流される複数本の第1の書き込み導体線と、
所定の間隔をあけて配置され且つ前記複数本の第1の書き込み導体線と交差するように配置されて、それぞれ選択的に高周波電流が流される複数本の第2の書き込み導体線と、
選択された1以上の前記第1の書き込み導体線に前記直流電流を流し、選択された1以上の前記第2の書き込み導体線に前記高周波電流を流して、前記第1及び第2の書き込み導体線の交差点に前記直流電流及び前記高周波電流に基いて合成磁場を発生する合成磁場発生用電流通電回路と、
前記複数の第1の書き込み導体線と前記複数の第2の書き込み導体線とが交差して作られる複数の交差点に1つずつ対応して配置された、情報を保持するための磁性層を備えた複数の磁気記憶セルとを備え、
1つの前記磁気記憶セルに対してその周囲にある他の複数の磁気記憶セルから漏洩した漏洩磁界の影響によって、前記1つの磁気記憶セルが最も大きな順方向磁化作用を受ける状態において、前記直流電流が流れているときにおける前記1つの磁気記憶セルの強磁性共鳴周波数を最大強磁性共鳴周波数とした場合に、前記高周波電流の周波数は、前記直流電流が流れているときに、前記複数の磁気記憶セルごとにそれぞれ定まる複数の前記最大強磁性共鳴周波数の中で最も高い前記最大強磁性共鳴周波数よりも高く設定されており、
前記高周波電流の前記周波数とその電流値は、前記直流電流が流れておらず且つ前記高周波電流が流れている1以上の前記交差点に対応して配置された1以上の前記磁気記憶セルの前記情報を保持させる磁性層のみを磁化反転させることがない相関関係を有していることを特徴とする磁気メモリ装置。

【請求項2】
前記第1の書き込み導体線が、前記情報を保持するための磁性層の磁化容易軸と平行な前記第2の書き込み導体線に対して、45°傾けた状態で配置されており、
前記高周波電流の周波数が、前記直流電流が流れておらず且つ前記高周波電流が流れている1以上の前記交差点に対応して配置された1以上の前記磁気記憶セルの前記情報を保持させる磁性層のみを磁化反転させることができる磁化反転臨界周波数よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ装置。

【請求項3】
前記複数の磁気記憶セルのそれぞれのギルバートのダンピング定数が、0.03以下であり、
前記高周波電流の周波数が、前記最大強磁性共鳴周波数から高周波側に0.69%以上増加させた値であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気メモリ装置。

【請求項4】
所定の間隔をあけて配置されて、それぞれ選択的に直流電流が流される複数本の第1の書き込み導体線と、
所定の間隔をあけて配置され且つ前記複数本の第1の書き込み導体線と交差するように配置されて、それぞれ選択的に高周波電流が流される複数本の第2の書き込み導体線と、
選択された1以上の前記第1の書き込み導体線に前記直流電流を流し、選択された1以上の前記第2の書き込み導体線に前記高周波電流を流して、前記第1及び第2の書き込み導体線の交差点に前記直流電流及び前記高周波電流に基いて合成磁場を発生する合成磁場発生用電流通電回路と、
前記複数の第1の書き込み導体線と前記複数の第2の書き込み導体線とが交差して作られる複数の交差点に1つずつ対応して配置された、情報を保持するための磁性層を備えた複数の磁気記憶セルとを備えた磁気メモリ装置の書き込み方法であって、
1つの前記磁気記憶セルに対してその周囲にある他の複数の磁気記憶セルから漏洩した漏洩磁界の影響によって、前記1つの磁気記憶セルが最も大きな順方向磁化作用を受ける状態において、前記直流電流が流れているときにおける前記1つの磁気記憶セルの強磁性共鳴周波数を最大強磁性共鳴周波数とした場合に、
前記高周波電流の周波数を、前記直流電流が流れているときに、前記複数の磁気記憶セルごとにそれぞれ定まる複数の前記最大強磁性共鳴周波数の中で最も高い前記最大強磁性共鳴周波数よりも高く設定し、
前記高周波電流の電流値を、前記直流電流が流れておらず且つ前記高周波電流が流れている1以上の前記交差点に対応して配置された1以上の前記磁気記憶セルの前記情報を保持させる磁性層のみを磁化反転させることがない値に設定することを特徴とする磁気メモリ装置の書き込み方法。

【請求項5】
前記第1の書き込み導体線を、前記情報を保持するための磁性層の磁化容易軸と平行な前記第2の書き込み導体線に対して45°傾けた状態で配置し、
前記高周波電流の周波数を、前記直流電流が流れておらず且つ前記高周波電流が流れている1以上の前記交差点に対応して配置された1以上の前記磁気記憶セルの前記情報を保持させる磁性層のみを磁化反転させることができる磁化反転臨界周波数よりも高くすることを特徴とする請求項4に記載の磁気メモリ装置の書き込み方法。

【請求項6】
前記複数の磁気記憶セルのそれぞれのギルバートのダンピング定数が、0.03以下であり、
前記高周波電流の周波数を、前記最大強磁性共鳴周波数から高周波側に0.69%以上増加させた値に設定することを特徴とする請求項4または5に記載の磁気メモリ装置の書き込み方法。
産業区分
  • 記憶装置
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006059953thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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