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バイオマスの固形化素材への変換法および当該固形化素材の利用法

国内特許コード P07A010624
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2005-279086
公開番号 特開2007-090131
登録番号 特許第5024848号
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 徳安 健
  • 五十部 誠一郎
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 バイオマスの固形化素材への変換法および当該固形化素材の利用法
発明の概要

【課題】 産業廃棄物資源であるバイオマスを活用するにあたり、当該バイオマスの発酵工程を工夫することによって、固形化素材への変換のためのバイオマスの成形時あるいはその前処理時の特性および成型物としての固形化素材の特性を向上させ、バイオマスの利用性を高めること。
【解決手段】 農林水産業や食品産業に由来する廃棄物バイオマスの発酵において、当該バイオマスを構成する植物細胞壁成分、甲殻類外殻成分、タンパク質成分および植物貯蔵多糖成分のうちの少なくとも一つの成分に対する分解能を有する微生物を用いて発酵を行うことよって向上させることを特徴とする当該バイオマスの固形化素材への変換法、並びに、当該バイオマスの固形化素材を肥料、飼料、発酵培地、土壌改質剤、炭化物および熱分解物のうちの少なくとも一つの原料として利用することを特徴とするバイオマスの固形化素材の利用法を提供する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


持続可能な資源利用を目指したバイオマスのリサイクルの重要性が重視される中で、農林水産業、食品産業を中心とした生物系産業において生成する廃棄物バイオマスの多くは腐敗性の高い有機物を多量に含んでおり、その処理が問題となっている。
これらの廃棄物としては、例えば、農林水産業からは、稲わら、籾殻等の作物の非食部・一次加工残渣や生産調整時の廃棄農作物、家畜糞尿や食肉加工時の畜産系廃棄物、水産物の一次加工残渣等の廃棄物、間伐材、おがくず、廃菌床等の林産廃棄物、食品産業からは、食品製造時の廃棄物、売れ残り品等の流通時の廃棄物等が生産される。また、一般廃棄物としての厨芥ゴミは、有機物を多量に含むが、成分組成が一定でないことから、一部はメタン発酵によるガス化、堆肥化等が実用化されているものの、殆どの資源が直接燃焼されているのが現状である。その他、建築廃材、剪定残渣、古紙、古布等のバイオマスについてもその処理法の開発が望まれている。



これらのバイオマスを適切に加工して用途開発を行うことにより、そのカスケード利用によってリサイクルが促される。例えば、豆腐製造工程において副生されるオカラやトウモロコシ由来のバイオマスであるゼインを用いた射出成形技術によりペレットや生分解性ポット等に変換する技術などが開発されている(特許文献1)。
一方、乳酸発酵等により、農産バイオマスをサイレージ化したり、堆肥化したり、食品廃棄物バイオマスをリキッドフィードに変換したりする技術が開発・利用されてきた。また、廃棄物バイオマスの分解・減容化およびガスエネルギーへの変換については、メタン発酵が古くから用いられてきた。
さらに、家庭ゴミを中心にコンポスト化技術が普及しており、好気的分解による減容化が行われてきた。しかしながら、農林水産業や食品産業に由来する廃棄物バイオマスの多くは、放置すると直ちに腐敗して悪臭を放つ汚泥等となってしまうことから、迅速な腐敗防止処理を行わない限り、資源としての価値は大幅に低下する。



これらのバイオマスの腐敗防止方法として最も重要な処理の一つは、腐敗前の水分活性の低下である。カビ、酵母、細菌などの微生物は、それぞれ水分活性0.7、0.75および0.8程度以下で増殖が止まることが知られている。
したがって、これらのバイオマスを乾燥することにより、その品質の微生物劣化を防ぎつつ貯蔵することが可能となる。これは厨芥ゴミのような、均一性の低いバイオマスについても同様であり、乾燥させることにより貯蔵性が増し、それだけで付加価値が上昇する。



バイオマスの乾燥処理の目的は、貯蔵性の向上であるが、さらに、適切な大きさと目的に応じた形状をもつ固形化素材に成形することにより、貯蔵性のみならず、運搬性や使用時の作業性が飛躍的に向上する。もしも乾燥バイオマスが微粉末状であると、粉塵として飛散しまい、散布しにくいだけでなく、作業者が吸引・被曝してしまう危険性があることから、適切な形状、大きさへの成形工程の重要性は大きい。
また、成形を行う際には、ペレット状、フィルム状、あるいは用途に応じた形状に成形された固形化素材へ変換することが望ましい。良質な有機物に富むバイオマスを効率的に固形化素材に変換できれば、生分解性素材の他、飼料、肥料、発酵培地、土壌改質剤などへの利用のほか、炭化原料、熱分解原料等の用途の開拓につながるものと期待できる。




【特許文献1】特許第3697234号明細書

産業上の利用分野


本発明は、農林水産業、食品産業を中心とした生物系産業において廃棄物として生じる資源(バイオマス)の固形化素材への変換法および該変換法により製造された固形化素材とその利用法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物細胞壁成分およびタンパク質成分に属する少なくとも1種以上の成分を含むバイオマス原料に対して、以下(A)及び(B)の工程を行うことを特徴とする、以下(C)の性質を示す成分相互の結着性を有する固形化素材の製造方法。
(A):以下(a)及び(b)の特徴を有する1種以上の微生物を用いて、前記バイオマス原料の発酵を行って、バインダー特性を有する菌体外成分を含む発酵物を得る工程。
(a):ポリグルタミン酸生産菌、ゲランガム生産菌、ポリガラクトサミン生産菌およびカードラン生産菌に属する1種以上の微生物。
(b):前記原料に含まれる植物細胞壁成分およびタンパク質成分に属する少なくとも1種以上の成分に対する分解能を有する微生物。
(B):前記発酵物、又は、前記発酵物を含む組成物、を成形して固形化する工程。
(C):加圧によって崩壊しにくく、且つ、水中で崩壊しやくなる性質。

【請求項2】
前記発酵物を含む組成物が、未発酵の前記バイオマス原料を含むものである、請求項1に記載の固形化素材の製造方法。

【請求項3】
前記微生物が、Pseudomonas elodea 及び/又は Bacillus subtilisである、請求項1又は2のいずれかに記載の固形化素材の製造方法。

【請求項4】
前記バイオマス原料が、作物の非食部、廃棄農作物、;家畜糞尿、食肉加工時の廃棄物、;水産物加工時の廃棄物、;間伐材、おがくず、廃菌床、;食品製造時の廃棄物、食品流通時の廃棄物、;厨芥ゴミ、建築廃材、剪定残渣、古紙、および古布、;のうちの1以上のものである、請求項1~3のいずれかに記載の固形化素材の製造方法。
産業区分
  • 処理操作
  • 農林
  • 無機化合物
  • その他無機化学
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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