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魚類用の麻酔剤とその使用方法

国内特許コード P07A010645
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2006-007865
公開番号 特開2007-186476
登録番号 特許第4831409号
出願日 平成18年1月16日(2006.1.16)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
発明者
  • 渡邉 研一
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 魚類用の麻酔剤とその使用方法
発明の概要 【課題】ヒトにも魚にも食の安全性を確保すると共に、従来品よりも使用しやすく、低コストで使用できる新規な魚類用の麻酔剤とその使用方法の提供。
【解決手段】炭酸水素ナトリウムとコハク酸と固形化促進剤を主原料とし、食品添加物として公認されている原料のみで作った固形状炭酸ガス発泡剤からなる魚類用の麻酔剤。炭酸水素ナトリウムとコハク酸と固形化促進剤を混合して成形したものを乾燥させて作る。固形化促進剤として食用グリセリン又は無水エタノールを用いることが好ましい。これらの麻酔剤を魚の種類に応じて定めた希釈倍率によって希釈して用いることが好ましい。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


魚類養殖や栽培漁業の現場では、ワクチン接種、歯切り、標識装着、各種の測定などの種々の用途で麻酔剤が使用されている。魚類用の麻酔剤としては、従来から、FA100(主成分・オイゲノール)が動物用医薬品として承認されていて、使用されているが、高価である。その上、FA100は、麻酔液が濁ったり、また、液表面に泡が発生して観察しづらいとか、麻酔後死亡個体が発生するケースもある上、独特の臭いがあるなどの理由で必ずしも良い麻酔剤とは言えない。



また、未承認の学術的試薬であるが、2-フェノキシエタノールの麻酔効果がニジマスやマダイについて報告されており、オイゲノールよりも廉価である。しかし、2-フェノキシエタノールは食品添加物などに指定されておらず、食の安全性については全く考慮されていない。



また、炭酸ガスには魚類への麻酔効果があることが広く知られている。従来、炭酸ガスを麻酔剤として魚類用に使用するときは、炭酸ガスボンベを用いて炭酸ガスを水中に通気する方法(例えば特許文献1の方法)、又は水中に炭酸水素ナトリウムと酢酸を規定量添加して炭酸ガスを発生させる方法が採られている。しかし、これらの方法は、ボンベを用意したり、炭酸水素ナトリウムや酢酸を計量して別々に保管するなどの手間がかかり、簡便な方法とは言えない。



本発明者は、このような状況に鑑みて、ヒトにも魚にも安全であると共に簡便に使用でき、その上、従来品よりも廉価な魚類用の麻酔剤を開発することを志向し、ヒトの食用として公認されている原料のみを用いることとし、さらに、麻酔剤を固形状に成形すれば使いやすくなること、その麻酔効果を確認するには市販の入浴剤(固形状炭酸ガス発泡剤)を使用すればよいことに気がつき、まず公知文献について調査した。
【特許文献1】
特開平5-260880号公報
【非特許文献1】
1983年社団法人日本水産学会発行「日本水産学会誌」第49巻5号、725~731頁所載『二酸化炭素麻酔の活魚輸送への応用可能性の検討』



公知文献から得られた知見は以下のとおりである。
特許文献1には、pH値を調節した炭酸ガスを溶解させた水溶液を容器Aに入れて、断熱効果が高い容器B内部に吊るか又は置いて、一定量ずつ滴下させて容器B内の水溶液中に拡散させて魚介類に炭酸ガス麻酔を起こさせる方法について開示されている。しかし、この方法は、煩雑であると共に、かなりの設備を必要とする。



非特許文献1には、魚の麻酔剤として、炭酸水素ナトリウムと酸を用いる方法や炭酸ガスと酸素を短時間吹き込む方法などが紹介されているが、魚の麻酔のために固形状の炭酸ガス発泡剤を使用することは何ら開示していない。



よって、本発明者は、あらためて魚類用の固形状の麻酔剤を開発することとし、試験・研究を続けた結果、ようやくにして本発明を完成するに至った。

産業上の利用分野


本発明は、新規な魚類用の麻酔剤とその使用方法に関する。詳しくは、固形状炭酸ガス発泡剤からなる魚類用の麻酔剤とその麻酔剤を用いて魚類を麻酔する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
炭酸水素ナトリウムとコハク酸と固形化促進剤を主原料とし、食品添加物として公認されている原料のみで作った固形状炭酸ガス発泡剤からなる魚類用の麻酔剤。

【請求項2】
炭酸水素ナトリウムとコハク酸と固形化促進剤を混合して成形したものを乾燥させて得られる固形状炭酸ガス発泡剤からなる請求項1に記載の魚類用の麻酔剤。

【請求項3】
炭酸水素ナトリウム40~60重量%とコハク酸40~60重量%の合計量に対して、固形化促進剤として無水エタノールを外割りで10~20重量%加えて作った固形状炭酸ガス発泡剤からなる請求項1又は2に記載の魚類用の麻酔剤。

【請求項4】
炭酸水素ナトリウム40~60重量%とコハク酸40~60重量%の合計量に対して、固形化促進剤として食用グリセリンを外割りで5~15重量%加えて作った固形状炭酸ガス発泡剤からなる請求項1又は2に記載の魚類用の麻酔剤。

【請求項5】
魚類として、シマアジ、カンパチ、マダイ、トラフグ、ブリ、ヒラメ、メバル、クロソイ、コイ、ニジマス、ギンザケ、アユ、ウナギを対象とする請求項1から4のいずれかに記載の魚類用の麻酔剤。

【請求項6】
請求項1から4のいずれかに記載の麻酔剤を溶解した水槽中の水に魚類を収容するか又は魚類を収容してある水槽中の水に請求項1から4のいずれかに記載の麻酔剤を溶解して魚類を麻酔する方法。

【請求項7】
固形状炭酸ガス発泡剤からなる麻酔剤を魚の種類に応じて定めた希釈倍率によって希釈して用いる請求項6に記載の魚類の麻酔方法。

【請求項8】
魚類として、シマアジ、カンパチ、マダイ、トラフグ、ブリ、ヒラメ、メバル、クロソイ、コイ、ニジマス、ギンザケ、アユ、ウナギを対象とする請求項6又は7に記載の魚類用の麻酔方法。



















国際特許分類(IPC)
Fターム
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17474_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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