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超音波による卵子またはクローン胚の活性化方法ならびに該方法により活性化したクローン胚からのクローン動物の作出

国内特許コード P07A010695
掲載日 2007年10月4日
出願番号 特願2005-337656
公開番号 特開2007-135543
登録番号 特許第4774514号
出願日 平成17年11月22日(2005.11.22)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
登録日 平成23年7月8日(2011.7.8)
発明者
  • 三好 和睦
  • 吉田 光敏
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 超音波による卵子またはクローン胚の活性化方法ならびに該方法により活性化したクローン胚からのクローン動物の作出
発明の概要

【課題】超音波照射により卵子またはクローン胚を活性化させる方法であって、超音波照射のduty比を活性化に適した方法に最適化した方法の提供。
【解決手段】動物卵子またはクローン胚に超音波を照射して該卵子または動物クローン胚を、胚発生のために活性化する方法であって、duty比が10~30%の超音波を照射することを含む卵子またはクローン胚活性化方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


卵巣から排卵された卵子は、第2減数分裂中期で休止している。精子が卵子に侵入すると卵細胞質内におけるカルシウムイオン濃度が一時的に増加し、これが引き金となって減数分裂が再開される。この現象は卵子の活性化と呼ばれている。卵子の活性化は、人為的な刺激によって誘起することも可能であり、人為的活性化は顕微授精胚や核移植胚のような通常の受精以外の方法で作出された胚の発生を開始させるために必須である(非特許文献1)。人為的活性化法としては、各種化学物質で処理することにより、卵細胞質内におけるカルシウムイオン濃度の上昇あるいはM期促進因子の活性低下を促進させる方法(非特許文献2から4)と、電気パルスの印加により卵細胞膜に一時的に孔を開け、そこからカルシウムイオンを流入させることにより、卵細胞質内カルシウムイオン濃度を上昇させる方法がある(非特許文献5および6)。体細胞核移植によるクローン動物の作出においては、化学物質での処理が効果的でないことから、電気パルスの印加が広く用いられてきた(非特許文献7および8)。しかし、クローン動物の作出は低い値にとどまっており、電気パルスの印加に替わる新しい活性化法が望まれていた。



最近になって超音波を用いた遺伝子導入法が開発された。超音波による遺伝子導入のメカニズムはまだ完全に解明されていないが、超音波エネルギーにより発生する直径1~100μmのミクロの気泡が関与していると推測されている。細胞外においてこれらの気泡の複雑な物理運動が発生し、細胞膜の透過性を促進する。また、時速600km以上の速さを持つ液体マイクロジェット流が気泡の周囲に発生し、これらが細胞膜に突き刺さるように衝突した際に一時的な孔が出現して細胞膜付近にある遺伝子が細胞内に取り込まれると考えられている。従来は、卵子の活性化と同様に、細胞に電気パルスを印加して細胞膜に一過性の孔を開けることにより、細胞内に遺伝子を導入するエレクトロポレーション法が多く用いられてきたが、超音波導入法はエレクトロポレーション法と比較して、細胞に与えるダメージの少ないことが示唆されている。



本発明者らは、先に超音波を照射することによってブタ卵子の活性化を誘起し得ることを明らかにした(非特許文献9および特許文献1)。
しかしながら、効率的な活性化を誘起する超音波照射条件は解明されてなかった。



体細胞核移植によるクローニング技術は、優良家畜の増産や遺伝子資源の保存に利用できる。さらに遺伝子を改変した体細胞を用いることにより、遺伝子改変動物を作出することも可能である。特にミニブタにおいては、臓器移植用のドナーとして用いるために、免疫反応を制御した遺伝子改変細胞に由来するクローンブタの作出が期待されている。しかしその作出効率は依然低く、改善すべき点も多い。近年、体細胞や受精卵を用いて、クローン動物を作出するためのクローン胚を作出する方法が開発されている(特許文献2および3)。クローン動物の作出のためには、核移植細胞を活性化し、発生を誘起させる必要があるが、発生の誘起には、主に電気刺激を用いて、クローン胚を活性化しているが、効率的なクローン動物の作出については依然報告されていない。




【特許文献1】特開2005-210981号公報

【特許文献2】特表2003-513673号公報

【特許文献3】特表2002-511234号公報

【非特許文献1】Robl JM et al., New York Academic press (1992) pp535-551

【非特許文献2】Funabashi H et al., Biol Reprod (1994) 50:1072-1077

【非特許文献3】Mayes MA et al., Biol Reprod (1995) 53:270-275

【非特許文献4】Machaty Z et al., Biol Reprod (1998) 59:451-455

【非特許文献5】Hagen DR et al., Mol Reprod Dev (1991) 28:70-73

【非特許文献6】Kim NH et al., Biol Reprod (1996) 54: 1397-1404

【非特許文献7】Onishi A. et al, Science (2000) 289:1188-1190

【非特許文献8】Polejaeva IA et al., Nature (2000) 407:86-90

【非特許文献9】Sato et al., Mol Reprod Dev (2005) 72:396-403

産業上の利用分野


本発明は、動物卵子およびクローン細胞の超音波処理による人為的活性化法ならびに該人為的活性化法を用いたクローン動物の作出法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ブタクローン胚に超音波を照射して該ブタクローン胚を、胚発生のために活性化する方法であって、duty比が15、強度が25~85V、出力周波数が1~3MHz及びBurst rateが10~40Hzの超音波を15~45秒照射することを含むクローン胚活性化方法。

【請求項2】
duty比が10%の超音波を照射することを含む、請求項1記載のクローン胚活性化方法。

【請求項3】
ローン胚がミニブタ由来である請求項1記のクローン胚活性化方法。

【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法で活性化した卵割率75%以上、胚盤胞形成率15%以上の動物活性化クローン胚集団。

【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の方法で活性化したブタクローン胚をレシピエント雌動物に移植し、ブタクローン胚を発生させることを含む、クローン動物の作出方法。
産業区分
  • 畜産
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
鹿児島TLOでは鹿児島大学、鹿屋体育大学から特許に関する技術移転を受託しています。
上記の特許・技術に興味を持たれた方はお問合せ下さい。


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