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タンパク質-標的物質の結合検出方法 新技術説明会

国内特許コード P07P005130
整理番号 IP17-077
掲載日 2007年10月11日
出願番号 特願2006-064876
公開番号 特開2007-236312
登録番号 特許第4631058号
出願日 平成18年3月9日(2006.3.9)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
登録日 平成22年11月26日(2010.11.26)
発明者
  • 岩崎 俊晴
  • 鯉淵 典之
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 タンパク質-標的物質の結合検出方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】 ゲル電気泳動の工程やメンブレンへのトランスファー工程を含まないことによって、簡便かつ短時間に大量の検査を高精度で行うことができ、しかもPCBやダイオキシン廃棄物の排出量も抑えることのできる、新しいタンパク質-標的物質検出方法およびスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】 (1) DIG-標的物質を調製する工程、(2) GST融合タンパク質ビーズを調製する工程、(3)DIG-標的物質とGST融合タンパク質ビーズとを接触させる工程、(4)DIG-標的物質を結合したGST融合タンパク質ビーズを回収する工程、
(5)回収したGST融合タンパク質ビーズに結合したDIG-標的タンパク質のDIGを表示する非放射性シグナルを測定する工程、を含む。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


環境ホルモン(内分泌撹乱物質)とは、「生体の恒常性、生殖、発生あるいは行動に関与する種々の生体内ホルモンの合成、貯蔵、分泌、体内輸送、結合、そしてそのホルモン作用そのもの、あるいはクリアランス、などの諸過程を阻害する性質を持つ外来性の物質」と一般に定義されている。



本願発明者らは、環境ホルモンであるポリ塩化ビフェニル(PCB: polychlorinated biphenyl)が甲状腺ホルモン受容体作用を直接撹乱することによって生体機能に対する阻害作用を及ぼすことを世界で初めて報告している(非特許文献1)。さらに本願発明者らは、そのようなPCBによる機能阻害作用は、核受容体である甲状腺ホルモン受容体がDNA上の甲状腺応答配列から解離することによって発現することを見出している(非特許文献2)。



従って、甲状腺ホルモン受容体による生体機能の維持やPCB等の環境ホルモン物質の影響を詳細に解析するためには、甲状腺ホルモン受容体と標的DNAの結合を正確に検出する必要がある。



従来、核受容体とDNA分子との結合は、ゲルシフトアッセイ(Gel Shift Assay: GSAまたはElectropheretic Mobility Shift Assay: EMSA)法によって検出されてきた(例えば非特許文献3、4)。このGSA法は標的DNAを放射性同位元素で標識し、組換え受容体タンパク質と反応させ、アクリルアミドゲル電気泳動で両者の結合体を分離した後、ゲルを乾燥させ、X線フィルム上に感光させて、放射性同位元素のシグナルを測定することによって、受容体タンパク質と標的DNAとの結合を検出する方法である。



しかしながらGSA法は、上記のとおりの多くの工程を含むまめ、作業が煩雑であり、最終的な結果を得るまでに多くの時間(約48時間)を要する。また、放射性同位元素を使用するため、施行者の被爆、周囲の汚染の危険性も存在する。



このようなGSA法の問題点を解決する方法として、DIGゲルシフトアッセイ(DIG Gel Shift Assay:DIG-GSA)法が提案されている(例えば特許文献1、2、3)。この方法は、ジゴキシゲニン(digoxigenin:DIG)で標的DNAを標識し、抗DIG抗体と反応させ、抗体シグナル(非放射性シグナル)を検出することによって、標的DNAを同定する方法(DIGシステム)を応用したものである。すなわちDIG-GSA法では、標的DNAをDIGで標識し、組換え受容体タンパク質と反応させ、アクリルアミドゲル電気泳動で両者の結合体を分離した後、結合体をゲルからメンブレンにトランスファーし、メンブレン上で抗体DIG抗体と反応させて非放射性シグナル(発光シグナル)を生じさせ、このシグナルを測定することによって、受容体タンパク質と標的DNAとの結合を検出する。また、このDIG-GSA法を実施するために必要な試薬等を備えたキット(DIG Gel Shift Kit, 2nd generation:Roche社、製品番号 #3 353 591)も市販されている。



このDIG-GSA法は、放射性同位元素を使用しない点、最終結果を得るまでの時間が約24時間に短縮される点において、GSA法よりも優れた方法である。

【特許文献1】欧州特許第0 324 474号

【特許文献2】米国特許第5,344,757号

【特許文献3】米国特許第5,702,888号

【非特許文献1】Iwasaki, T. et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 299:384-388, 2002

【非特許文献2】Miyazaki, W. et al. J. Biol. Chem. 279:18195-18202, 2004

産業上の利用分野


本願発明は、タンパク質-標的物質の結合検出方法に関するものである。さらに詳しくは、本願発明は、タンパク質-DNAやタンパク質-タンパク質等の結合を短時間で大量に検出する方法、およびタンパク質-DNAやタンパク質-タンパク質等の結合に影響を及ぼす因子を短時間で大量にスクリーニングする方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
タンパク質と標的物質との結合を検出する方法であって、
(1)標的物質をジゴキシゲニン(DIG)で標識化してDIG-標的物質を調製する工程、
(2)タンパク質をグルタチオン-Sトランスフェラーゼ(GST)と融合させ、このGST融合タンパク質をグルタチオン-セファロースビーズと結合させてGST融合タンパク質ビーズを調製する工程、
(3)DIG-標的物質とGST融合タンパク質ビーズとを接触させる工程、
(4)DIG-標的物質を結合したGST融合タンパク質ビーズを回収する工程、
(5)反応溶液中で、GST融合タンパク質ビーズに結合しているDIG-標的タンパク質のDIGを表示する非放射性シグナルを測定する工程、
を含むことを特徴とするタンパク質-標的物質の結合検出方法。

【請求項2】
タンパク質が核受容体タンパク質であり、標的物質がDNA分子である請求項1の検出方法。

【請求項3】
タンパク質がRNA結合タンパク質であり、標的物質がRNA分子である請求項1の検出方法。

【請求項4】
標的物質が、タンパク質と結合するタンパク質である請求項1の検出方法。

【請求項5】
工程(3)-(5)を同一のウェルプレート上で行う請求項1の検出方法。

【請求項6】
タンパク質Aと標的物質との結合を検出する方法であって、タンパク質Aと結合するタンパク質BをGSTと融合化したGST融合タンパク質Bをグルタチオン-セファロースビーズと結合させてGST融合タンパク質ビーズBを調製し、DIG-標的物質とGST融合タンパク質ビーズBとタンパク質Aとを接触させることによって、タンパク質Aを介してDIG-標的物質を結合したGST融合タンパク質ビーズBを回収し、反応溶液中でこのGST融合タンパク質Bに結合しているDIG-標的物質のDIGを表示する非放射性シグナルを測定する請求項1の方法。

【請求項7】
タンパク質と標的物質との結合に影響を及ぼす因子をスクリーニングする方法であって、
(1)標的物質をジゴキシゲニン(DIG)で標識化してDIG-標的物質を調製する工程、
(2)タンパク質をグルタチオン-Sトランスフェラーゼ(GST)と融合させ、このGST融合タンパク質をグルタチオン-セファロースビーズと結合させてGST融合タンパク質ビーズを調製する工程、
(3)DIG-標的物質とGST融合タンパク質ビーズと候補因子とを接触させる工程、
(4)DIG-標的物質を結合したGST融合タンパク質ビーズを回収する工程、
(5)反応溶液中で、GST融合タンパク質ビーズに結合しているDIG-標的タンパク質のDIGを表示する非放射性シグナルを測定する工程、
を含むことを特徴とするスクリーニング方法。

【請求項8】
タンパク質が核受容体タンパク質であり、標的物質がDNA分子である請求項のスクリーニング方法。

【請求項9】
核受容体タンパク質が甲状腺ホルモン受容体タンパク質であり、DNA分子が甲状腺応答配列を含むDNA分子であり、候補因子が環境ホルモン候補物質である請求項8のスクリーニング方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • その他有機化学
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2006064876thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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