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TRPM2遺伝子定常発現細胞の単離方法

国内特許コード P07A010707
整理番号 455
掲載日 2007年10月11日
出願番号 特願2004-318926
公開番号 特開2006-129711
登録番号 特許第4403273号
出願日 平成16年11月2日(2004.11.2)
公開日 平成18年5月25日(2006.5.25)
登録日 平成21年11月13日(2009.11.13)
発明者
  • 森 泰生
  • 原 雄二
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 TRPM2遺伝子定常発現細胞の単離方法
発明の概要

【課題】TRPM2遺伝子を定常的に高発現している細胞を単離することができる方法、及びこの方法により得られるTRPM2遺伝子定常発現細胞などを提供する。
【解決手段】細胞にTRPM2遺伝子発現ベクターを導入する工程と、上記細胞を還元剤を含む培地中で培養することにより生存細胞を選択する工程と、生存細胞の中から上記ベクターが保持する選択マーカーの形質を示す細胞を選択する工程とを含むTRPM2遺伝子定常発現細胞の製造方法。還元剤を溶解させた培地又は緩衝液中に、外来TRPM2遺伝子を染色体中に保持する細胞を含ませてなるTRPM2遺伝子定常発現細胞液。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


TRP(Transient Receptor Protein)ファミリータンパク質は、受容体刺激により活性化されるカチオンチャンネルである。TRPファミリータンパク質は、浸透圧、温度、酸化還元状態の変化など、様々な外的要因に応答して活性化されて細胞内にカチオンを流入させ、細胞の生死、増殖、生殖活動、血管収縮、細胞膜電位の制御など多彩な役割を果たす。



中でも、TRPM2は、哺乳動物の脳、肺、小腸、脾臓、骨髄、血球系細胞などで発現しており、酸化ストレスに応答して細胞死を引き起こす。即ち、細胞は酸化ストレスに応答して、細胞内のβ-NADをβ-NAD+に酸化し、細胞内のADP-リボース濃度を上昇させる。このADP-リボースやβ-NADがTRPM2を活性化して、Ca2+やNa+のようなカチオンを細胞内に流入させ、細胞死を引き起こす(ビタミン,78巻7号,2004)。



TRPM2により引き起こされる細胞死は、パーキンソン病、アツルハイマー病、家族性躁鬱病、虚血性脳疾患などの原因になっていることが考えられている。このため、TRPM2を阻害する物質は、これらの疾患の治療薬として有用である。TRPM2を定常的に高発現する細胞を使用すれば、TRPM2の活性を阻害する物質をスクリーニングすることができるが、TRPM2が高発現している細胞は、弱い酸化ストレスにでも応答して細胞死を引き起こすことから、TRPM2を定常的に高発現している細胞自体を入手することはできなかった。

産業上の利用分野


本発明は、細胞死を介して、パーキンソン病、アルツハイマー病、虚血性脳疾患、家族性躁鬱病などを引き起こすTRP(Transient Receptor Potential) M2を定常的に発現する細胞の単離ないしは製造方法、この方法により得られるTRPM2遺伝子定常発現細胞、TRPM2遺伝子定常発現細胞の保存方法、並びにTRPM2阻害物質のスクリーニング方法及びキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細胞にTRPM2遺伝子発現ベクターを導入する工程と、
上記細胞を還元剤を含む培地中で培養することにより生存細胞を選択する工程と、
生存細胞の中から上記ベクターが保持する選択マーカーの形質を示す細胞を選択する工程と
を含むTRPM2遺伝子定常発現細胞の製造方法。

【請求項2】
請求項1に記載の方法により得られるTRPM2遺伝子定常発現細胞。

【請求項3】
還元剤を溶解させた培地又は緩衝液中に、外来TRPM2遺伝子を染色体中に保持する細胞を含ませてなるTRPM2遺伝子定常発現細胞液。

【請求項4】
還元剤がグルタチオンである請求項3に記載のTRPM2遺伝子定常発現細胞液。

【請求項5】
培地又は緩衝液中の還元剤の濃度が、100~500μMである請求項3又は4に記載のTRPM2遺伝子定常発現細胞液。

【請求項6】
外来TRPM2遺伝子と、チオレドキシン遺伝子、カタラーゼ遺伝子、及びSOD遺伝子からなる群より選ばれる外来性の還元性酵素遺伝子とを染色体中に保持するTRPM2遺伝子定常発現細胞。

【請求項7】
(a) 請求項3~5のいずれかに記載の細胞液から分離したTRPM2遺伝子定常発現細胞、又は請求項2若しくは請求項6に記載のTRPM2遺伝子定常発現細胞に、被験物質の存在下で酸化ストレスを加える工程と、
(b) 請求項3~5のいずれかに記載の細胞液から分離したTRPM2遺伝子定常発現細胞、又は請求項2若しくは請求項6に記載のTRPM2遺伝子定常発現細胞に、被験物質の非存在下で酸化ストレスを加える工程と、
(c) 被験物質の存在下での細胞内カチオン濃度と、被験物質の非存在下での細胞内カチオン濃度とを比較して、細胞内カチオン濃度を低下させる被験物質を選択する工程と
を含むTRPM2阻害物質のスクリーニング方法。

【請求項8】
酸化剤が過酸化水素である請求項7に記載のスクリーニング方法。

【請求項9】
請求項3~5のいずれかに記載の細胞液中のTRPM2遺伝子定常発現細胞液、この細胞液から分離し凍結されたTRPM2遺伝子定常発現細胞、又は請求項2若しくは6に記載のTRPM2遺伝子定常発現細胞と、酸化剤と、カチオン指示薬とを備える、TRPM2阻害物質のスクリーニング用キット。

【請求項10】
TRPM2遺伝子定常発現細胞がさらにカチオン指示タンパク質をコードする遺伝子が導入されたものであり、かつカチオン指示薬を備えない請求項9に記載のキット。

【請求項11】
外来TRPM2遺伝子を染色体中に保持するTRPM2遺伝子定常発現細胞を還元剤を含む培地又は緩衝液中で保存する、TRPM2遺伝子定常発現細胞の保存方法。

産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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