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軸不斉を有する光学活性アミノ酸誘導体及び該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いる光学活性化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P07A010708
整理番号 495
掲載日 2007年10月11日
出願番号 特願2004-333798
公開番号 特開2006-143627
登録番号 特許第4779109号
出願日 平成16年11月17日(2004.11.17)
公開日 平成18年6月8日(2006.6.8)
登録日 平成23年7月15日(2011.7.15)
発明者
  • 丸岡 啓二
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 軸不斉を有する光学活性アミノ酸誘導体及び該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いる光学活性化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】 高収率かつ高立体選択的な不斉反応を達成し得る非金属の新規不斉触媒を開発して、医薬等の合成中間体として有用な光学活性化合物の有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(I):
【化1】

(式中、Rは置換基を有していてもよいアリール基または-COで表される基(ここで、Rは水素原子等を示す。)等を示し、RおよびRは同一または異なって、水素原子等を示す。)で表されるアミノ酸誘導体、およびその光学活性体を不斉触媒として用いる光学活性化合物の製造方法。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年開発される医薬品は、薬効および安全性をより高めるため、そのほとんどがノンラセミックな医薬品になっている。これら光学活性医薬品を合成する上において従来は光学分割法が主流であったが、アトムエコノミーが高い不斉触媒合成に移行しつつあり、高収率かつ高光学純度を達成できる不斉触媒の開発がその根幹をなす技術として注目されている。また、不斉触媒合成は、医薬品のみならず、農薬や高機能性材料(例えば、液晶、非線形光学材料など)等様々な分野での応用も期待される。



直接アルドール反応やO-ニトロソアルドール反応などのアルドール反応は、様々な医薬品の合成に使用されており(例えば、非特許文献1参照)、その不斉触媒合成への応用は極めて有用な技術となり得る。そのため、これまでに様々な不斉アルドール反応のための不斉触媒が報告されているが、そのほとんどは不斉配位子を有する遷移金属触媒を用いるものであった(例えば、非特許文献2参照)。
しかし、遷移金属触媒は毒性が強かったり、触媒活性が不安定なものが多く、その取扱いには注意を要する場合が多々ある。また反応に使用することにより触媒活性が劣化する場合が多く、その回収再利用は一般に困難である。さらには、金属廃液の処理が必要となるためコストが高くなる上に、環境上の問題もある。



遷移金属を使用しない触媒的不斉アルドール反応として、L-プロリンなどのアミノ酸誘導体を不斉触媒として使用する方法が報告されている(非特許文献3または4参照)。しかし、その収率および立体選択性は低く、実用的に実施するには満足できるものではなかった。

【非特許文献1】「ヘルベチカケミカアクタ(Helvetica Chemica Acta)」,1987年,70巻,p.1412-1418

【非特許文献2】「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,1999年,第121巻,p.669-685

【非特許文献3】「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,2001年,第123巻,p.5260-5267

【非特許文献4】「ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)」,2003年,第125巻,p.10808-10809

産業上の利用分野


本発明は、軸不斉を有する新規な光学活性アミノ酸誘導体に関する。本発明のアミノ酸誘導体は、不斉合成用触媒として有用である。
さらに、本発明は、当該アミノ酸誘導体を不斉触媒として用いることを特徴とする光学活性化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I):
【化学式1】



(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または-COで表される基(ここで、Rは水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を示す。)を示し、RおよびRは同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基、低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩。

【請求項2】
が水素原子、置換基を有していてもよいフェニル基またはカルボキシル基である、請求項1記載の化合物またはその塩。

【請求項3】
光学活性である、請求項1または2記載の化合物またはその塩。

【請求項4】
請求項3記載の化合物またはその塩を含有することを特徴とする、不斉アルドール反応、不斉マンニッヒ型反応、不斉ハロゲン化反応または不斉マイケル反応のための不斉触媒。

【請求項5】
不斉アルドール反応のための不斉触媒である、請求項記載の不斉触媒。

【請求項6】
不斉アルドール反応が、不斉直接アルドール反応または不斉O-ニトロソアルドール反応である、請求項記載の不斉触媒。

【請求項7】
請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(II):
【化学式2】



(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはRとRとがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(III):
【化学式3】



(式中、Rは置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される化合物を反応させることを特徴とする、一般式(IV):
【化学式4】



(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。

【請求項8】
が低級アルキル基であり、Rが水素原子であり、Rが置換基を有していてもよいアリール基である、請求項記載の製造方法。

【請求項9】
請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(V):
【化学式5】



(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはRとRとがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(VI):
【化学式6】



(式中、R10は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される化合物とを反応させることを特徴とする、一般式(VII):
【化学式7】



(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。

【請求項10】
請求項3記載の化合物またはその塩の存在下、一般式(V):
【化学式8】



(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示すか、あるいはRとRとがつながり、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。)で表される化合物と、一般式(VI):
【化学式9】



(式中、R10は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。)で表される化合物とを反応させて、一般式(VII):
【化学式10】



(式中、*は不斉炭素を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を製造する工程と、該化合物を還元する工程を包含する、一般式(VIII):
【化学式11】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物の製造方法。

【請求項11】
が水素原子であり、Rが低級アルキル基であり、R10が置換基を有していてもよいアリール基である、請求項または10記載の製造方法。

【請求項12】
以下の工程(i-a)~(vi-a)を包含することを特徴とする、一般式(Ia):
【化学式12】



(式中、Raは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、RおよびRは同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-a)一般式(IX):
【化学式13】



(式中、RおよびRは前記と同義を示し、OTfはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一般式(X):Ra-B(OH) (X)(式中、Raは前記と同義を示す。)で表される化合物と反応させて、一般式(XI):
【化学式14】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(ii-a)得られた一般式(XI)で表される化合物を遷移金属触媒および塩基の存在下、一酸化炭素および一般式(XII):R’OH (XII)(式中、R’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XIII):
【化学式15】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iii-a)得られた一般式(XIII)で表される化合物を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XIV):
【化学式16】



(式中、Xはハロゲン原子を示し、他の各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iv-a)得られた一般式(XIV)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XV):
【化学式17】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-a)得られた一般式(XV)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XVI):
【化学式18】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vi-a)得られた一般式(XVI)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ia)で表される化合物を得る。

【請求項13】
Raが置換基を有していてもよいフェニル基である請求項12記載の製造方法。

【請求項14】
以下の工程(i-b)~(v-b)を包含することを特徴とする、一般式(Ib):
【化学式19】



(式中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示し、RおよびRは、同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-b)一般式(IX):
【化学式20】



(式中、RおよびRは前記と同義を示し、OTfはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す。)で表される化合物を、遷移金属触媒および塩基の存在下に、一酸化炭素および一般式(XII):R’OH (XII)(式中、R’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XVII):
【化学式21】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(ii-b)得られた一般式(XVII)で表される化合物を、ラジカル開始剤の存在下、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XVIII):
【化学式22】



(式中、Xはハロゲン原子を示し、他の各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iii-b)得られた一般式(XVIII)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XIX):
【化学式23】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iv-b)得られた一般式(XIX)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XX):
【化学式24】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-b)得られた一般式(XX)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ib)で表される化合物を得る。

【請求項15】
光学活性な一般式(IX)で表される化合物を用いる、請求項1214のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項16】
以下の工程(i-c)~(vii-c)を包含することを特徴とする、一般式(Ic):
【化学式25】



(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法;
(i-c)一般式(XXI):
【化学式26】



(式中、RおよびRは前記と同義を示し、R11は低級アルキル基を示す。)で表される化合物を、塩基の存在下に、ハロゲン化剤と反応させて、一般式(XXII):
【化学式27】



(式中、R、RおよびR11は前記と同義を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合物を得;
(ii-c)得られた一般式(XXII)で表される化合物を還元して、一般式(XXIII):
【化学式28】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(iii-c)得られた一般式(XXIII)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させて、一般式(XXIV):
【化学式29】



(式中、R、RおよびXは前記と同義を示し、Xは、Xと同一または異なってハロゲン原子を示す。)で表される化合物を得;
(iv-c)得られた一般式(XXIV)で表される化合物をアリルアミンと反応させて、一般式(XXV):
【化学式30】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(v-c)得られた一般式(XXV)で表される化合物を遷移金属触媒および塩基の存在下、
一酸化炭素および一般式(XII):R’OH (XII)(式中、R’は置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を示す。)で表されるアルコールと反応させて、一般式(XXVI):
【化学式31】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vi-c)得られた一般式(XXVI)で表される化合物を、遷移金属触媒の存在下脱保護して、一般式(XXVII):
【化学式32】



(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得;
(vii-c)得られた一般式(XXVII)で表される化合物を加水分解して、上記一般式(Ic)で表される化合物を得る。

【請求項17】
光学活性な一般式(XXI)で表される化合物を用いる、請求項16記載の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 権利存続中
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