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故障点標定方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

国内特許コード P07A010727
整理番号 /NO31101
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2005-002568
公開番号 特開2005-315842
登録番号 特許第4733987号
出願日 平成17年1月7日(2005.1.7)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成23年4月28日(2011.4.28)
優先権データ
  • 特願2004-094623 (2004.3.29) JP
発明者
  • 安喰 浩司
  • 兎束 哲夫
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 故障点標定方法、装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
発明の概要

【課題】 並列き電区間におけるT相-F相間の短絡故障点を、横流、短絡抵抗、電源インピーダンス等の影響を受けることなく、精度よく安定に標定できるようにする。
【解決手段】 電源1Aは上り線5に電流I14を供給し、下り線6に電流I13を供給する。電源1Bは上り線5に電流I12を供給し、下り線6に電流I11を供給する。電源1A,1Bはそれぞれ電源インピーダンス7A,7Bを有し、上り線5は線路インピーダンス8を有する。下り線6は短絡点の両側に線路インピーダンス9,10を有すると共に、短絡点との間に短絡抵抗11を有する。上記構成において、上り線5及び下り線6の全長をD(km)とし、短絡点がA変電所の回線接続点からX(km)の距離にあるとすると、Xは故障点標定式X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|により求めことができる。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


従来より、並列き電区間における故障点標定方式として、並列電源である二つのSS(サブステーション・変電所)の電流値が故障点までの距離に反比例することを利用した電流比例方式や、故障回線電圧・電流から故障点までのリアクタンスを算出して距離に換算するリアクタンス方式等がある。しかしこれらの方式は、次の原因により標定値に誤差を生じるという問題があった。
・横流による誤差:対向する2つの変電所から同一き電区間電力を送る並列き電区間においては、変電所間に横流が流れる。き電回路の短絡故障時において、故障点の短絡抵抗が0Ωであれば、故障回線に横流は流れないが、短絡抵抗が存在し、変電所電圧間に電圧差(ベクトル的な)が存在する場合には故障回線にも横流が流れる。この場合の故障回線電流は横流を含むため、2つの変電所の故障回線電流は故障点までの距離に反比例した電流とはならず、電流比例方式では誤差が発生する。



・短絡抵抗による誤差:並列き電区間で短絡故障が発生した場合、故障点に流れる電流は両方の変電所から供給される。短絡抵抗が存在し、両変電所から供給される電流間に位相差が存在すると、短絡抵抗で発生する電圧の一部は、抵抗による電圧であるのにリアクタンス分で発生した電圧のように見える。このことによりリアクタンス標定方式では誤差が生じる。
・電源インピーダンスによる誤差:電流比方式の場合は、変電所から故障点までの距離に比例した線路インピーダンスの他に、電源側のインピーダンスを含む総合インピーダンスにより電流比が決まる。従って、並列き電区間の場合は、2つの変電所の電源インピーダンスの差により生じる誤差を補正する処理が必要となる。



また、新幹線等における並列き電区間の故障点標定方式として全般的に採用されているAT吸上電流比方式があるが、T相-F相間の短絡故障に対しては、原理的に標定不能であった。
また、き電区間の故障点標定方式としてフィーダ電流の方向が故障区間を挟む両ポストで反転したことを以って、当該区間のき電線とトロリー線間に短絡故障が発生したことを標定する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらこの方式は、並列き電区間におけるT相-F相間の短絡故障に対しては標定不能であった。

【特許文献1】特開2003-72431号公報

産業上の利用分野


本発明は、並列き電区間におけるT相-F相間の短絡故障点を標定するのに用いて好適な故障点標定方法、装置、これらに用いられるプログラム及びこのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定方法であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とし、第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14がベクトル値であり、これら電流値I11、I12、I13及びI14の位相の位相基準を前記第1又は第2の電源の電圧に統一し、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求めることを特徴とする故障点標定方法。

【請求項2】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定方法であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とし、第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14が同期測定された瞬時値であり、各電流値の電流波形の波高値により、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求めることを特徴とする故障点標定方法。

【請求項3】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定方法であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とし、第1及び第2の回線の長さをそれぞれD、第1及び第2の回線の単位長さ当たりの抵抗値をそれぞれR、第1及び第2の回線の単位長さ当たりのリアクタンスをそれぞれLとし、同期測定された瞬時値である前記電流値I11、I13及びI14の各々の変化率をdi11/dt、di13/dt、di14/dtを求め、各電流値の電流波形の波高値を用い、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
【数式1】


により求めることを特徴とする故障点評定方法。

【請求項4】
前記第1の回線は上り線又は下り線であり、前記第2の回線は下り線又は上り線であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の故障点標定方法。

【請求項5】
前記第1及び第2の回線は、前記並列き電区間のトロリー線又はき電線であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載の故障点標定方法。

【請求項6】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定装置であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定手段と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14がベクトル値であり、これら電流値I11、I12、I13及びI14の位相の位相基準を前記第1又は第2の電源の電圧に統一し、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求める演算手段と
を備えたことを特徴とする故障点標定装置。

【請求項7】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定装置であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定手段と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14が瞬時値であり、各電流値の電流波形の波高値により、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求める演算手段と
を備えたことを特徴とする故障点標定装置。

【請求項8】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定する短絡故障点標定装置であって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定手段と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれD、第1及び第2の回線の単位長さ当たりの抵抗値をそれぞれR、第1及び第2の回線の単位長さ当たりのリアクタンスをそれぞれLとし、瞬時値である前記電流値I11、I13及びI14の各々の変化率をdi11/dt、di13/dt、di14/dtを求め、各電流値の電流波形の波高値を用い、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
【数式2】


により求める演算手段と
を備えることを特徴とする故障点標定装置。

【請求項9】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定するプログラムであって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定処理と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14がベクトル値であり、これら電流値I11、I12、I13及びI14の位相の位相基準を前記第1又は第2の電源の電圧に統一し、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求める演算処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【請求項10】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定するプログラムであって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定処理と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれDとするとき、前記電流値I11、I12、I13及びI14が瞬時値であり、電流波形の波高値により、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
X=D・|(I11+I14)/(I11+I13)|
により求める演算処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【請求項11】
第1の回線と第2の回線の一端に第1の電源を接続し、他端に第2の電源を接続した並列き電区間の第2の回線に発生した短絡故障点を標定するプログラムであって、
短絡故障発生時に、第1の回線に第1の電源から流入する電流値をI14、第2の電源から流入する電流値をI12とし、第2の回線に第1の電源から流入する電流値をI13、第2の電源から流入する電流値をI11とを測定する測定処理と、
前記第1及び第2の回線の長さをそれぞれD、第1及び第2の回線の単位長さ当たりの抵抗値をそれぞれR、第1及び第2の回線の単位長さ当たりのリアクタンスをそれぞれLとし、瞬時値である前記電流値I11、I13及びI14の各々の変化率をdi11/dt、di13/dt、di14/dtを求め、各電流値の電流波形の波高値を用い、第1の電源から短絡故障点までの距離Xを、
【数式3】


により求める演算処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【請求項12】
請求項9から請求項11のいずれか1項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
産業区分
  • 試験、検査
  • 電力応用
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2005002568thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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