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酸化物超電導バルク体の製造方法

国内特許コード P07A010837
整理番号 /NO31184
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2005-151580
公開番号 特開2006-306692
登録番号 特許第4690774号
出願日 平成17年5月24日(2005.5.24)
公開日 平成18年11月9日(2006.11.9)
登録日 平成23年2月25日(2011.2.25)
優先権データ
  • 特願2005-093066 (2005.3.28) JP
発明者
  • 尾作 仁司
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 酸化物超電導バルク体の製造方法
発明の概要

【課題】 本発明は、トップシード溶融凝固法においてファセットの成長が失敗した試料を再度処理し、最終的にファセットを成長させた高品質の酸化物超電導バルク体を製造することができる方法の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明は、トップシード溶融凝固法によってファセットが生成しないか、ファセットが生成したとしても前駆体中心部で生成停止した状態の未発達ファセット状態の試料に対し、結晶成長のための処理を複数段のステップで徐々に温度降下させるとともに、各ステップにおいては等温保持する段階降温等温処理を施すことを特徴とする。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


大型の酸化物超電導バルク体を製造する方法の一例として溶融法が知られている。
この溶融法とは、REBaCu7-X(REは希土類元素を示す)なる組成の酸化物超電導バルク体を製造するに際し、REBaCu相またはREBaCu10相と、Ba-Cu-Oを主成分とした液相とが共存する温度領域まで加熱した後、REBaCu7-X相が生成する包晶温度直上の温度まで冷却し、その温度から徐冷することにより結晶成長させ、核生成と結晶方位の制御を行い、酸化物超電導バルク体を得る製造方法である。



また、1つの種結晶を使用し、結晶成長開始温度が異なる材料を順次組み合わせて核生成、結晶方位および結晶成長方向を制御して酸化物超電導バルク体を製造するトップシード溶融凝固法(Top Seeding Melt Growth)が知られている。(特許文献1参照)
この特許文献1に記載されたトップシード溶融凝固法では、酸化物超電導バルク体を構成する元素の化合物粉末を混合してなる原料粉末を圧密して前駆体を得た後、この前駆体を利用してREBaCu7-X(REは希土類元素を示す)なる組成の酸化物超電導体を製造するに際し、REBaCu相またはREBaCu10相と、Ba-Cu-Oを主成分とした液相とが共存する温度領域まで前駆体を加熱して半溶融状態とした後、半溶融状態の前駆体上に種結晶を設置し、REBaCu7-X相が生成する包晶温度直上の温度まで冷却し、その温度から徐冷することにより半溶融状態の前駆体の内部で種結晶に沿わせて徐々に結晶成長を行い、前駆体全体を酸化物超電導バルク体とする方法の一例として記載されている。



更に、先のトップシード溶融凝固法を用いて希土類酸化物超電導バルク体を製造する方法において他の文献も知られている。(特許文献2参照)
この特許文献2に記載されたトップシード溶融凝固法は、REBaCu7-x系超電導体(ここでREはYを含む希土類元素の1種類又はその組み合わせ)の原料成形体を溶融加熱処理し、これを冷却してREBaCu7-x相中にREBaCuO相又はREBaCu10相が分散した酸化物超電導体を製造する方法において、前記原料成形体上に種結晶を載置してから溶融加熱処理を行う方法として開示されている。
この特許文献2の実施例1においては、原料粉末から形成した円盤状成形体を1150℃に加熱した後に、1080℃において種結晶を設置し、1060℃まで30分で降温し、更にここから1040℃まで120時間かけて徐冷し、結晶成長を行ったと記載されている。次にこの特許文献2の実施例2においては、970℃まで110時間かけて徐冷したと記載され、実施例3では960℃まで110時間かけて徐冷したと記載され、実施例4では1045℃まで120時間かけて徐冷したと記載され、実施例5では970℃まで110時間かけて徐冷し結晶成長を行ったと記載され、実施例6では960℃まで110時間かけて徐冷したと記載され、実施例7では970℃まで110時間かけて徐冷し、結晶成長を行ったと記載されている。

【特許文献1】特開平5-170598号公報

【特許文献2】特開2001-233696号公報

産業上の利用分野


本発明は、トップシード溶融凝固法に基づいて酸化物超電導バルク体を製造する方法に関し、ファセットが十分に成長した状態の大型かつ高品質の酸化物超電導バルク体を容易に得ることができるようにした技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸化物超電導体の前駆体を加熱して半溶融状態とした後に冷却し、前記前駆体上に設置されている種結晶の結晶構造を基に先の半溶融状態の前駆体を結晶化して酸化物超電導バルク体とするトップシード溶融凝固法によってファセットを成長させた酸化物超電導バルク体を製造する方法であって、
1回目のトップシード溶融凝固法によってファセットが生成しないか、ファセットが生成したとしても前駆体中心部で生成停止した状態の未発達ファセット状態の試料に対し、
2回目のトップシード溶融凝固法を実施するとともに、この2回目のトップシード溶融凝固法を実施するにあたり、結晶成長のための処理を複数段のステップで、各ステップの温度差を2℃±1℃として徐々に温度降下させるとともに、各ステップにおいては等温保持する段階降温等温処理を施すにあたり、前駆体の組成比に応じた理論的結晶成長温度を中心としてそれよりも高い温度域から段階降温等温処理を開始し、結晶成長温度よりも低い温度域まで段階降温等温処理を施すことにより、REBaCu7-x系の酸化物超電導体(REはYを含む希土類元素の1種類又は2種以上を示す。)または前記組成にAg、PtまたはAuのいずれかを含む組成系の酸化物超電導体からなる酸化物超電導バルク体を得ることを特徴とする酸化物超電導バルク体の製造方法。

【請求項2】
前記段階降温等温処理を施し、その後、常温まで冷却することを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導バルク体の製造方法。

【請求項3】
前記結晶成長のための保持温度の段階的ステップ数を3~8の範囲することを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物超電導バルク体の製造方法。

【請求項4】
前記酸化物超電導体の前駆体として、得ようとする酸化物超電導バルク体を構成する元素を含む原料粉末を混合して仮焼きした後、この仮焼物を圧密した圧密成形体を用いることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化物超電導バルク体の製造方法。

【請求項5】
前記REが、Yを含む希土類元素La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種または2種以上を示すことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の酸化物超電導バルク体の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2005151580thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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