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交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置

国内特許コード P07A010901
整理番号 /NO33562
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2005-270575
公開番号 特開2007-076608
登録番号 特許第4745000号
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
登録日 平成23年5月20日(2011.5.20)
発明者
  • 佐竹 信彦
  • 山崎 修司
  • 上村 修
  • 伊藤 健治
  • 久水 泰司
  • 兎束 哲夫
  • 持永 芳文
出願人
  • 株式会社東芝
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
  • 株式会社ジェイアール総研電気システム
発明の名称 交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置
発明の概要

【課題】上下線タイ開閉器の結合-分離に影響されることなく、区間境界の近傍で発生する故障は勿論、区間内に発生する故障と故障種別を確実に検知することにある。
【解決手段】交流ATき電回路の任意距離区間毎に配置された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障を検知する交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、前記AT区間の両端の電気量をそれぞれ取り込んで任意形態の電気量情報に変換するアナログ入力変換手段2と、このアナログ入力変換手段2により取り込まれたAT区間両端の電気量情報のベクトル合成値を算出する電気量演算手段3と、この電気量演算手段3で算出したAT区間両端のベクトル合成値から故障発生と故障種別とを判定する故障検知手段4とを備える。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


一般に交流電気鉄道におけるATき電回路は、図12に示すような系統構成となっている。



図12において、鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源をき電区分所SPで区分している。更に、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。これら変電所SS及びそれぞれのき電区分所SP,SSPには単巻変圧器ATを備えている。



ここで、き電区分所SPで双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電といい、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電という。



上記電車線には下り線と上り線があり、上下線は変電所及び各区分所に備える上下線タイ開閉器により分離または結合して運用する。



ATき電回路は、図13に示すようにトロリ線T、フィーダ線(き電線)F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。また、変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。さらに、トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とフィーダ線に帰還し、変電所SSの電源に流れる。



ところで、このようなATき電回路の系統構成において、故障点の標定は、次のようにして行われている。



まず、変電所SSでは、一般的に図14に示すような電車線の線路短絡インピーダンスを検出している。



図14に示すように、T-F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T-R短絡、T-PW短絡、F-PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールと保護線PWの渡り地点を節として上部に膨らむインピーダンス特性を有している。このため、線路リアクタンスから求める故障点標定は、T-F短絡以外の故障に対し、標定精度が著しく低下する。また、電車線路の構成からT-F短絡は発生頻度が少なく、故障の多くは碍子せん絡や飛来物によるT-R短絡、T-PW短絡、F-PW短絡かT及びFの地絡である。



そこで、線路インピーダンスが上部に膨らむ故障については、AT区間の故障電流がレールRと保護線PWとで接続される区間両端のAT中性点に流れることを利用して故障点の標定を行っている。



次に図15にT-R短絡故障の一般的な故障電流分布を示す。



図15において、トロリ線TとレールRに流れる故障点電流は、故障区間両端のAT中性点に吸上げられ、ATによってき電電圧基準に変換(1/2)された電流が変電所(SS)に帰還するので、故障区間両端のATは電気車電圧基準の電源として作用する。



また、図16に故障電流のAT吸上げ原理図を示す。図16は簡略のため両端AT,ATを同じ電圧、位相の電源とし、き電電圧基準系を無視している。



図16に示す原理図から故障区間両端ATの吸上げ電流(I1,I2)は次式で求まる。



1=V・(Z2)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (1)
2=V・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、V:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT-F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。



図17は上述した従来の故障点標定における故障標本量測定装置の構成図である。



図17は電車線路の上下線に配置される複数のAT区間の任意AT区間ATnを代表例として示している。ATn区間両端の故障標本量測定装置13は、両端ATn、ATn+1のき電電圧と中性点電流を上下線ともに電気量入力として取り込み、故障発生時には装置外部の保護装置13aが検知した故障検知信号を保護遮断までの短時間に、事故検知トリガ同期通信回路13bと専用通信線13cを介して同一電源領域のき電区間に配置されている全ての標本量測定装置13が同時に標本量を測定するように構成している。



上記標本量測定装置13において、故障相検知ブロック13dはき電電圧とAT中性点電流の位相関係から図18に示すように電圧と電流の位相(θ)関係から故障種別(故障相)を判別している。つまり電圧と電流位相θが同位相領域であればトロリ線故障、逆位相領域であればフィーダ線故障とする故障相検知を行っている。



なお、位相角θは図18に示す一般的な数式例による電圧と電流の有効・皮相電力の比からも求めることができる。



また、電流実行値演算ブロック13eは、AT中性点電流の1サイクル波形演算から実行値を算出し、AT中性点電流標本量を常時測定している。



標定情報記憶・送信ブロック13fは事故検知トリガ時点の故障相情報と電流標本量測定情報を保存して、図示しない遠隔の事故点標定演算装置に保存した情報を2桁のディジタル符号に変換して送信する。



図示しない遠隔の故障点標定演算装置は、電車線路の各AT区間の両端から送信された故障発生時の標本量情報、つまりそれぞれのATの中性点電流の値から上述の図16に示した原理に基づいて故障点距離を算出している。

産業上の利用分野


本発明は、電気鉄道における交流ATき電回路に発生する地絡故障や短絡故障の故障種別と故障個所を特定するための交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
交流AT(単巻変圧器)き電回路の任意距離区間毎に配置された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間に発生する故障を検知する交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記AT区間の両端の電気量をそれぞれ取り込んで任意形態の電気量情報に変換するアナログ入力変換手段と、
このアナログ入力変換手段により取り込まれたAT区間両端の電気量情報のベクトル合成値を算出する電気量演算手段と、
この電気量演算手段で算出したAT区間両端のベクトル合成値から区間内に発生する故障発生と故障種別とを判定する故障検知手段と、
を備えたことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項2】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の変化量から故障発生と故障種別を判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項3】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の比率値から故障発生と故障種別を判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項4】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間の各端のトロリ電流とフィーダ電流とをそれぞれベクトル合成した区間端合成電流であり、
前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求めた区間端合成電流の変化率から故障発生と故障種別を判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項5】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
前記故障検知手段は、前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項6】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化量から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項7】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流比率値から故障発生と故障種別とを判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。

【請求項8】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置において、
前記電気量演算手段で求められるベクトル合成値は、AT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値であり、
前記故障検知手段は前記電気量演算手段で求められたAT区間両端のトロリ電流ベクトル合成値とフィーダ電流ベクトル合成値の電流変化率値から区間内に発生する故障と故障種別とを判定する
ことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置の故障検知装置。
産業区分
  • 電力応用
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2005270575thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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