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交流ATき電回路用故障標定装置

国内特許コード P07A010902
整理番号 /NO33563
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2005-270576
公開番号 特開2007-078645
登録番号 特許第4693564号
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
登録日 平成23年3月4日(2011.3.4)
発明者
  • 佐竹 信彦
  • 山崎 修司
  • 上村 修
  • 伊藤 健治
  • 久水 泰司
  • 兎束 哲夫
  • 持永 芳文
出願人
  • 株式会社東芝
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
  • 株式会社ジェイアール総研電気システム
発明の名称 交流ATき電回路用故障標定装置
発明の概要

【課題】区間境界の近傍で発生する故障や、上下線タイ開閉器の結合-分離に影響されることなく、故障種別と故障発生区間を確実に判定することにある。
【解決手段】複数のAT区間の両端にそれぞれ配置された標本量測定装置より送信される標本量情報を受信してこれら標本量情報から同一電源グループのAT区間を分類して記憶し、故障発生当該グループの標本量情報を選別して記憶する区間グループ標定情報取得手段1bと、この区間グループ標定情報手段により選別して記憶された故障当該グループの標定情報から故障点区間比標定に必要な故障区間両端の標定情報を選別して記憶する故障当該区間情報選別手段1cと、この故障当該区間情報選別手段により選別された故障当該区間両端の標本量情報に基づいて故障点区間比を算出する故障点区間比標定手段1dと、この故障点区間比標定手段で求めた故障区間距離における故障点標定値に基づいて電車線路の起点から故障点までの絶対距離長を算出する故障点距離算出手段1eとを備える。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


一般に交流電気鉄道におけるATき電回路は、図14に示すような系統構成となっている。



図14において、鉄道沿線には、き電電源を供給する変電所SSを数10km間隔で備え、双方の変電所電源間をき電区分所SPで区分している。さらに、同一電源区間を限定区分するための補助き電区分所SSPを設けている。これら変電所SS及びそれぞれのき電区分所SP,SSPには単巻変圧器ATを備えている。



ここで、き電区分所SPで双方向の異なる電源を付き合わせる運転方式を突き合せき電といい、一方の電源を反対方面へ延ばした運転方法を延長き電という。



上記電車線には下り線と上り線があり、上下線は変電所及び各区分所に備える上下線タイ開閉器により分離または結合して運用する。



ATき電回路は、図15に示すようにトロリ線T、フィーダ線(き電線)F、レールR及び保護線PWから構成され、約10km間隔で単巻変圧器ATが配置される。また、変電所SSのき電電圧は単巻変圧器ATでトロリ線とレール間電圧を1/2に降圧して電気車に供給している。さらに、トロリ線とレールに流れる電気車電流は単巻変圧器ATで1/2の値に変換されてトロリ線とフィーダ線を帰還し、変電所SSの電源に流れる。



ところで、このようなATき電回路の系統構成において、故障点の標定は、次のようにして行われている。



まず、変電所SSでは、一般的に図16に示すような電車線の線路短絡インピーダンスが検出される。



図16に示すように、T-F短絡インピーダンスは線路長に対し直線であるが、T-R短絡、T-PW短絡、F-PW短絡及び図示しないT、Fの地絡故障は、レールと保護線(PW)の渡り地点を節として上部に膨らむインピーダンス特性を有している。このため、線路リアクタンスから求める故障点標定は、T-F短絡以外の故障に対し、標定精度が著しく低下する。また、電車線路の構成からT-F短絡は発生頻度が少なく、故障の多くは碍子せん絡や飛来物によるT-R短絡、T-PW短絡、F-PW短絡かT及びFの地絡である。



そこで、線路インピーダンスが上部に膨らむ故障については、AT区間の故障電流がレールRと保護線PWとで接続される区間両端のAT中性点に流れることを利用して故障点の標定を行っている。



次に図17にT-R短絡故障の一般的な故障電流分布を示す。



図17において、トロリ線TとレールRに流れる故障点電流は、故障区間両端のAT中性点に吸上げられ、ATによってき電電圧基準に変換(1/2)された電流が変電所(SS)に帰還するので、故障区間両端のATは電気車電圧基準の電源として作用する。



また、図18に故障電流のAT吸上げ原理図を示す。図18は簡略のため両端AT1,AT2を同じ電圧、位相の電源とし、き電電圧基準系を無視している。



図18に示す原理図から故障区間の両端ATの吸上げ電流(I1,I2)は次式で求まる。



1=V・(Z2)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (1)
2=V・(Z1)/(Z1・Z2+Z2・Z3+Z3・Z1) …… (2)
ただし、V:電車線系基準電圧、Z1:AT1と故障点間のインピーダンス、Z2:AT2と故障点間のインピーダンス、Z3:故障点インピーダンス、D:AT区間距離長、X:故障点距離長
実回路では、変電所SSにき電電圧系基準の電流がATのT-F間に流れることと、Z1とZ2にはATの漏れインピーダンスが含まれることから補正を行うが、上述した(1)、(2)式は、故障電流に対するATの吸上げ電流と故障点距離が直線的な関係となることを示している。



図19は上述した従来の故障点標定における故障標本量測定装置の構成図である。



図19は電車線路の上下線に配置される複数のAT区間における任意AT区間ATnを代表例として示している。ATn区間両端の故障標本量測定装置bは、区間両端の単巻変圧器ATn、ATn+1のき電電圧と中性点電流を電気量入力としてそれぞれ取り込み、故障発生時の電気量入力を標定情報として測定し、これらの標定情報を遠隔の故障点標定装置aに標定情報通信ラインを介して送信する。



この故障点標定装置aは、各AT区間の両端から送信された故障発生時の標定情報(区間両端のATの中性点電流の値)を取得し、これら取得した標定情報から各区間における両端の標定情報量和を求め、区間両端の標定情報量和の最大値区間を故障当該区間と判定し、この故障区間の両端標本情報から図18に示した原理に基づいて故障点距離を算出する。



図20は、図19に示す従来の故障点標定装置aにおける故障当該区間の両端の標定情報処理ブロック図である。



また、図21は、ATn区間で発生するトロリ~レール短絡故障における区間両端の単巻変圧器ATn,ATn+1の中点吸上電流の状態を示している。つまり、故障当該区間両端の標定情報である。



故障点標定装置aは、(3)式を用いて故障当該区間(ATn区間)の両端の単巻変圧器ATn、ATn+1の中点吸上電流IATn、IATn+1の電流比(Hi)をそれぞれ算出する。これら算出された電流比(Hi)は、図18に示す原理図で説明したように、故障点から区間両端の単巻変圧器ATの中点との区間インピーダンスに比例するが、AT漏れインピーダンスに応じた誤差を含むため、求めた電流比(Hi)を定数(k)を用い区間距離との直線比例関係に補正して、ATn区間長(D)、起点(絶対基準点)から単巻変圧器ATnでの距離(Ln)それぞれの定数を用いた(4)式により、起点から故障点までの距離(Ls)を算出する。



Hi=(IATn+1/(IATn+IATn+1)…… (3)
Ls=Ln+D・(Hi-k)/(1-2k)…… (4)
但し、Hi:故障区間両端のAT吸上電流比
k:AT漏れインピーダンス補正定数
D:故障区間の距離
n:起点から故障区間基準端ATまでの距離
Ls:起点から故障点までの距離
図22に(3),(4)式を用いて行う故障標定原理特性を示す。



電流比(Hi)直線には両端のAT漏れインピーダンスなどの誤差要因となる定量インピーダンスが介在するため、傾き(電流比(Hi)直線)が生じ、この傾きを定数(k)で補正した直線が区間距離(D)補正直線である。

産業上の利用分野


本発明は、電気鉄道における交流ATき電回路のAT区間に発生する地絡或いは短絡故障点距離を特定するための交流ATき電回路用故障点標定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
交流ATき電回路の任意距離区間毎に配備された単巻変圧器ATを境界とする複数のAT区間の両端にそれぞれ配置され且つ各端の電気量を取得して標本量情報として測定する標本量測定装置より通信手段を介して送信される標本量情報をそれぞれ受信して前記AT区間の故障検知と故障点標定を行う交流ATき電回路用故障点標定装置において、
前記各標本量測定装置により測定された標本量情報から同一電源グループのAT区間を分類して記憶し、故障発生当該グループの標本量情報を選別して記憶する区間グループ標定情報取得手段と、
この区間グループ標定情報手段により選別して記憶された故障当該グループの標定情報から故障点区間比標定に必要な故障区間両端の標定情報を選別して記憶する故障当該区間情報選別手段と、
この故障当該区間情報選別手段により選別された故障当該区間両端の標本量情報に基づいて故障点区間比を算出する故障点区間比標定手段と、
この故障点区間比標定手段で求めた故障区間比に基づいて電車線路の起点から故障点までの絶対距離長を算出する故障点距離算出手段と、
を備えたことを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置。

【請求項2】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置において
前記故障点区間比標定手段は、故障当該区間両端の標定情報から両端電圧差と、トロリ線及びフィーダ線の区間端通過電流及び区間流入電流とをそれぞれ算出し、これらの算出結果をもとに予め定められた関係式と定数を用いて故障点の区間距離比を求めることを特徴とする交流ATき電回路用故障点標定装置。

【請求項3】
請求項1記載の交流ATき電回路用故障点標定装置において
前記故障点区間比標定手段は、T分岐3端子区間の各端の標定情報から、3端子の各端子の両端差電圧及びトロリ線、フィーダ線の区間端通過電流及びT分岐区間流入電流とをそれぞれ算出し、これらの算出結果をもとに予め定められたT分岐の3端子間に対応する関係式とT分岐点を境界とする3区間それぞれの定数を用いて3端子間の故障点区間距離比をそれぞれ算出し、これら3端子間の故障点区間距離比からT分岐点を境界とする3区間における故障発生区間を検知し、この検知した故障発生当該区間の故障点区間距離比を標定値とすることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。

【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のATき電回路用故障点標定装置において、
前記故障点区間比標定手段は、異なるインピーダンスの線路(線種)で結合されるAT区間を線種区分毎に予め定められた線種区分上で発生する故障を前提とする関係式と線種区分定数を用いて故障点区間距離比を算出し、これら各線種区分毎の故障点区間距離比から故障発生の線種区分を検知し、この検知した故障発生当該線種区分の故障点区間距離比を標定値とすることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。

【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のATき電回路用故障点標定装置において、
前記故障点区間比標定手段は、実回路で行う人工故障試験の故障標定情報、又は実回路における過去の故障標定情報から、故障発生点の区間比率を既知数として予め定めた関係式から求め、その値を区間インピーダンス定数として定めることを特徴とするATき電回路用故障点標定装置。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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