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ロータ周波数推定装置及びロータ周波数推定方法

国内特許コード P07A010974
整理番号 /NO33575
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2006-062108
公開番号 特開2007-244082
登録番号 特許第4675264号
出願日 平成18年3月8日(2006.3.8)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
登録日 平成23年2月4日(2011.2.4)
発明者
  • 近藤 圭一郎
  • 川村 淳也
  • 松本 康
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
  • 富士電機株式会社
発明の名称 ロータ周波数推定装置及びロータ周波数推定方法
発明の概要

【課題】 極低速域におけるロータ周波数をより正確に推定すること。
【解決手段】 誘導機シミュレータ部30が誘導機シミュレータ数式モデルに従い、インバータ周波数fと電圧出力指令値V1d,V1qとに基づいて、1次d軸電流I1d及び1次q軸電流I1qを推定する。推定演算された1次q軸電流推定値I1qestから、実際に測定された1次q軸電流を引いた差が比例積分器40に入力され、比例積分器40が、入力値を比例積分して周波数補償値△frestとして出力する。そして、機械シミュレータ部20から出力されるロータ周波数推定値frest0に、比例積分器40から出力される周波数補償値Δfrestが加えられてロータ周波数推定値が補償される。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


速度センサを不要とした誘導電動機のベクトル制御では、ロータ鎖交磁束誘起電圧を介した電気的情報をステータ側(1次側)で得ることによって、ロータの回転数(ロータ周波数)を推定している。そのため、誘起電圧が低くなる極低速域では、ステータ側に現れる電流・電圧等の電気的情報だけでのロータ周波数の推定が困難になる。そこで、極低速域におけるロータ周波数の推定方式について種々の考案がなされている。例えば、非特許文献1には、鉄道車両を駆動する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御方法が記載され、車両の運動方程式に基づいてロータ周波数を推定する方法が記載されている。



この非特許文献1に開示されたロータ周波数推定に関わるブロック線図を図8に示す。
図8は、誘導電動機及び誘導電動機を駆動するインバータを備える実機システム10と、機械シミュレータ数式モデルに従ってロータ周波数を推定する機械シミュレータ部20との関係を示す図である。実機システム10は、インバータが1次側(ステータ側)の磁束及びトルクそれぞれの電圧出力指令値V1d,V1qに従って直交変換した3相電圧を誘導電動機に供給することで誘導電動機を駆動するシステムである。なお、電圧出力指令値V1d,V1qは、インバータが出力する実際の電流値が電流指令値I1d,I1qに追従するように制御される過程で求められる。このため、インバータは電圧出力指令V1d,V1qではなく電流指令値I1d,I1qに従って電動機を駆動しているともいえる。



機械シミュレータ数式モデルは、インバータ周波数が数Hz程度である極低速域領域における車輪の回転方程式に基づく数式モデルであり、その内容は次式(1)に示す通りである。
【数式1】




ここで、frestはロータ周波数推定値、I1dはステータd軸(磁束成分)電流、I1qはステータq軸(トルク成分)電流、Pは極対数、Gは歯車比、Mmsetは相互インダクタンス設定値、L2setは2次(ロータ)自己インダクタンス設定値、Jwsetは等価慣性質量設定値、rは車輪半径、Rtsetは走行抵抗設定値である。



この数式(1)による機械シミュレータ数式モデルによれば、極低速域の機械的挙動が状態方程式でモデル化されるため、実際の入力であるステータ側電流ベクトルをこの機械シミュレータ数式モデルに与えることで、ロータ周波数を推定することができる。



推定されたロータ周波数frestには、所定の演算器によってトルクと磁束の比に比例したすべり周波数fが所定の演算器によって算出・加算され、インバータ周波数fとして実システム10にフィードバックされる。



なお、1次電流ベクトル値の磁束成分I1d及びトルク成分I1qは、電流検出器によってインバータのu,v,wの3相出力電流が検出され、検出された3相電流がd-q軸座標系へ座標変換されることによって求められる。この座標変換は公知技術であるため、詳細な説明を省略する。




【非特許文献1】近藤、結城「誘導電動機速度センサレスベクトル制御の鉄道車両駆動への適用検討」、電気学会論文誌D、Vol.125-D、2005年1月号、p.1-8

産業上の利用分野


本発明は、出力指令値に従って制御動作を行うインバータによって駆動される誘導電動機のロータ周波数を推定するロータ周波数推定装置及びその方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
出力指令値に従った制御動作を行うインバータによって駆動される誘導電動機のロータ周波数を推定するロータ周波数推定装置であって、
前記誘導電動機の回転方程式に基づいて予め定められた機械シミュレータ数式モデルに従って、前記誘導電動機の1次電流ベクトル値からロータ周波数を推定して周波数推定値として出力する機械シミュレータ手段と、
前記誘導電動機の電圧方程式に基づいて予め定められた誘導機シミュレータ数式モデルに従って、前記出力指令値と、前記周波数推定値と、前記誘導電動機のすべり周波数とから1次トルク電流を推定して1次トルク電流推定値として出力する誘導機シミュレータ手段と、
を備え、前記1次トルク電流推定値に基づいて、前記機械シミュレータ手段の推定誤差を補償するロータ周波数推定装置。

【請求項2】
所定の検出手段によって検出される前記誘導電動機の1次トルク電流と、前記1次トルク電流推定値との差異に基づいて所定の比例積分演算をすることで補償値を算出する補償値算出手段と、
前記補償値算出手段によって算出された補償値を前記周波数推定値に加えて前記機械シミュレータ手段の推定誤差を補償する補償値加算手段と、
を備え、
前記誘導機シミュレータ手段は、前記出力指令値と、前記補償値加算手段により補償値が加算された周波数推定値と、前記誘導電動機のすべり周波数とから1次トルク電流を推定する、
請求項1に記載のロータ周波数推定装置。

【請求項3】
前記機械シミュレータ数式モデルは、ロータの慣性力がトルクと所与のトルク係数とを乗算したものから抵抗を減算した力と釣り合う数式モデルであり、
前記1次トルク電流推定値と前記インバータによる1次トルク電流指令値との差異が大きい程、前記トルク係数を大きくし、差異が小さい程、前記トルク係数を小さくするトルク係数変更手段を有する、
請求項1に記載のロータ周波数推定装置。

【請求項4】
出力指令値に従った制御動作を行うインバータによって駆動される誘導電動機のロータ周波数を推定するロータ周波数推定方法であって、
前記誘導電動機の回転方程式に基づいて予め定められた機械シミュレータ数式モデルに従って、前記誘導電動機の1次電流ベクトル値からロータ周波数を推定する機械シミュレータ推定ステップと、
前記誘導電動機の電圧方程式に基づいて予め定められた誘導機シミュレータ数式モデルに従って、前記出力指令値と、前記機械シミュレータ推定ステップにおいて推定された周波数推定値と、前記誘導電動機のすべり周波数とから1次トルク電流を推定する誘導機シミュレータ推定ステップと、
前記誘導機シミュレータ推定ステップにおいて推定された1次トルク電流に基づいて、前記機械シミュレータ推定ステップにおける推定誤差を補償する補償ステップと、
を含むロータ周波数推定方法。
産業区分
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006062108thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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