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だ行回転速度推定装置及びだ行回転速度推定方法

国内特許コード P07A010979
整理番号 /NO31285
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2006-069704
公開番号 特開2007-252042
登録番号 特許第4850543号
出願日 平成18年3月14日(2006.3.14)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
登録日 平成23年10月28日(2011.10.28)
発明者
  • 近藤 圭一郎
  • 若尾 真治
  • 山川 隼史
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 だ行回転速度推定装置及びだ行回転速度推定方法
発明の概要

【課題】 制御演算周期が長い場合であっても、電気車駆動用PMSMのだ行回転速度をより正確に推定すること。
【解決手段】 短絡制御部12が、電動機Mの各相端子を短絡時間Tの間短絡させる。この1回目の短絡の間に電流センサ50が検出した電流に基づいて、短絡電流ベクトル算出部14が短絡電流ベクトルの角度を求める。1回目の短絡の後、最高回転速度において電動機Mの回転子が半回転する時間よりも短い時間として予め定められた短絡間隔時間τが経過して後、短絡制御部12が、1回目と同じ短絡時間Tの間、電動機Mの各相端子を短絡させる。この2回目の短絡の間に電流センサ50が検出した電流に基づいて、短絡電流ベクトル算出部14が2回目の短絡電流ベクトルの角度を求める。そして、速度推定部16が、1回目の短絡電流ベクトルと2回目の短絡電流ベクトルとの位相差θI2-θI1と、短絡時間Tと、短絡間隔時間τとに基づいて、電動機Mの回転速度を推定する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)は誘導電動機に比べて高効率であるため、産業分野等において広く用いられており、この永久磁石同期電動機(以下、「PMSM」という。)の更なる小型軽量化等のために、回転子位置センサを除去した、いわゆる位置センサレス制御方法が研究・開発されている。



中でも、給電が停止された状態のPMSMを再給電して再起動するためには、PMSMの回転子位置及び回転子速度を正確に推定する必要がある。例えば、非特許文献1には位置センサレスによるPMSMの再起動時の制御方法が開示されており、回転子位置及び回転子の回転速度を推定する方法が記載されている。以下、非特許文献1に記載の推定方法について簡単に説明する。



PMSMのd-q軸座標系(磁極座標系)における電圧方程式は以下の式(1)で表される。
【数式1】




ここで、v,vはd-q軸電機子電圧、i,iはd-q軸電機子電流、Rは巻線抵抗、L,Lはd-q軸インダクタンス、Kは速度起電力係数、pは微分演算子(d/dt)である。



式(1)においてq軸時定数L/Rに対して短絡時間Tが十分短いとしてR≒0と近似した場合に、初期電流i(0)=0で、三相短絡(v=0,v=0)した後の時刻Tにおける電流ベクトルi(T)は次式(2)となる。



【数式2】




式(2)において、電流ベクトルi(T)の大きさを|I|とし、更にsinθT≒θT、cosθT≒1と近似することで次式(3)となる(θの下線は、数式中のドットを便宜的に表したものであり、θは位置θの時間微分、即ち速度を表す。他の式も同様である。)。



【数式3】




式(3)によれば、式(3)の電流ベクトルi(T)の大きさ|I´|は速度θに比例し、方向はθ>0の時にq軸の負方向であるから、i(T)の大きさから速度θが、方向から回転子位置θが、それぞれ推定できる。推定速度をθとすると、推定速度の大きさ|θ|は次式(4)で得られる。



【数式4】




また、速度の正負の特定については、適当な時間をおいて推定操作を2回行うことで、電流ベクトルi(T)の回転方向より判明できる。



ここで、図13に、式(2)による電流ベクトルと、式(3)による電流ベクトルとを示す。図13において実線が式(2)による電流ベクトルIで、破線が式(3)による電流ベクトルI´である。推定速度θは、式(3)の近似した電流ベクトルI´に基づき求められるが、実際に検出される電流ベクトルは式(2)に示したものである。より正確な推定を行うためには、式(2)と式(3)それぞれの電流ベクトル間の関係に基づく補正を行う必要がある。



式(2)と式(3)それぞれの電流ベクトルの大きさ|I|、|I´|の大小関係はモータ定数によって異なる。|I|と|I´|との比nは次式(5)で求まる。



【数式5】




式(5)を用いて、推定速度の大きさを求める式(4)を補正したのが次式(6)である。
【数式6】





【非特許文献1】竹下隆晴、臼井明、渡辺淳一、松井信行「再給電時のセンサレス永久磁石形同期電動機の制御」、電気学会論文誌D、Vol.118-D、No.12、平成10年、p.1443-1449

産業上の利用分野


本発明は、所定の最高回転速度である永久磁石同期電動機のだ行回転速度推定装置及びだ行回転速度の推定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定の最高回転速度である車両駆動用の永久磁石同期電動機のだ行回転速度推定装置であって、
前記電動機の各相端子を所定の短絡時間の間短絡させる制御を行う第1の短絡制御手段と、
所定の電流検出手段によって検出される前記第1の短絡制御手段による短絡時の短絡電流に基づいて、所定座標系における当該短絡電流の電流ベクトルの角度を求める第1の角度算出手段と、
前記最高回転速度による前記電動機の半回転時間より短い時間として予め定められた所定の間隔時間が、前記第1の短絡制御手段による短絡制御から経過した後、前記電動機の各相端子を前記短絡時間と同一時間の間短絡させる制御を行う第2の短絡制御手段と、
前記電流検出手段によって検出される前記第2の短絡制御手段による短絡時の短絡電流に基づいて、所定座標系における当該短絡電流の電流ベクトルの角度を求める第2の角度算出手段と、
前記第1及び第2の角度算出手段により求められたそれぞれの角度の差を、前記間隔時間に前記短絡時間を加えた時間で除算することで前記電動機の回転速度を推定する回転速度推定手段と、
を備えるだ行回転速度推定装置。

【請求項2】
所定の最高回転速度である車両駆動用の永久磁石同期電動機のだ行回転速度を推定するだ行回転速度推定方法であって、
前記電動機の各相端子を所定の短絡時間の間短絡する第1の短絡ステップと、
所定の電流検出手段によって検出される前記第1の短絡ステップにおける短絡時の短絡電流に基づいて、所定座標系における当該短絡電流の電流ベクトルの角度を求める第1の角度算出ステップと、
前記最高回転速度による前記電動機の半回転時間より短い時間として予め定められた所定の間隔時間が、前記第1の短絡ステップにおける短絡から経過した後、前記電動機の各相端子を前記短絡時間と同一時間の間短絡する第2の短絡ステップと、
前記電流検出手段によって検出される前記第2の短絡ステップにおける短絡時の短絡電
流に基づいて、所定座標系における当該短絡電流の電流ベクトルの角度を求める第2の角度算出ステップと、
前記第1及び第2の角度算出ステップにおいて求められたそれぞれの角度の差を、前記間隔時間に前記短絡時間を加えた時間で除算することで前記電動機の回転速度を推定する回転速度推定ステップと、
を含むだ行回転速度推定方法。
産業区分
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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