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微少変位定圧機構及び転てつ減摩器

国内特許コード P07A010992
整理番号 /NO31374
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2006-313526
公開番号 特開2007-051547
登録番号 特許第4909717号
出願日 平成18年11月20日(2006.11.20)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
登録日 平成24年1月20日(2012.1.20)
発明者
  • 櫻井 育雄
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 微少変位定圧機構及び転てつ減摩器
発明の概要

【課題】作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器を提供する。
【解決手段】きょう体に金具軸51aを介してローラー支持金具52を取り付け、そのローラー軸52aに第1ローラー53及び第2ローラー54を設け、ローラー支持金具52の動きを規制する第1ストッパー55及び第2ストッパー56を設ける。ローラー支持金具52が第1ストッパー55により抑止された状態から、第1ローラー53に対象物が乗ると、対象物の底部側面が第1ローラー53を押し、ローラー支持金具52が微少回転し、第2ローラー54が対象物の底部を押し、対象物の底部を第1ローラー53に円滑に乗せ、ローラー支持金具52が第2ストッパー56と対象物の底部によって抑止されて回転が拘束され、第1ローラー53による対象物の転動が行われるようにする。
【選択図】図10

従来技術、競合技術の概要


従来、鉄道において、鉄道車両の進路を一つの線路(以下、「本線」という。)から他の線路(以下、「分岐線」という。)へ移す分岐を行わせるために分岐器が用いられている。この分岐器は、一般に、図16に示すような構成を有している。図16に示す分岐器100は、本線側のレールR1,R2(以下、「基本レール」という。)と、分岐線側へのトングレールT1,T2と、電気転てつ機101と、伝動部108を備えている。



トングレールT1,T2が基本レールR1,R2に密着する先端部は、舌状に形成されている。また、伝動部108は、動作かん102と、リンク部材103a,103b,103c,103d,103e及び103fと、エスケープクランク104及び106と、ロッド105及び107と、転てつ棒109,110を有している。また、ロッド105,107は、転てつ棒109,110を介してトングレールT1,T2に取り付けられている。



また、電気転てつ機101は、内部に電動モーター(図示せず)を駆動力変換機構(図示せず)を有しており、電動モーターの回転駆動力が直線方向の駆動力に変換され、動作かん102が図16の右側方向又は左側方向へ駆動される。この動作かん102の動きは、伝動部108によりロッド105,107に伝えられ、転てつ棒109,110を介してトングレールT1,T2を動かす。



例えば、動作かん102が図16における右側方向に移動した場合には、ロッド105,107が例えば図16における下方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端(図16における左端)が基本レールR2に密着し、かつトングレールT1の先端(図16における左端)が基本レールR1から離れる。また、動作かん102が図16における左側方向に移動した場合には、ロッド105,107が例えば図16における上方へ移動し、これに伴いトングレールT2の先端が基本レールR2から離れ、かつトングレールT1の先端が基本レールR1に密着する。



上記のような動作により、分岐器100は、進路を本線側又は分岐線側に切り換えるトングレール転換動作を行うことができる。この場合、トングレールが本線側レールに密着する位置のうちの一方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1から離れトングレールT2の先端が基本レールR2に密着する位置を「定位」といい、他方の位置、例えばトングレールT1の先端が基本レールR1に密着しトングレールT2の先端が基本レールR2から離れる位置を「反位」という。これらは、列車運行上の取決めであり、これらの逆の位置を定位又は反位としてもよい。また上記の電気転てつ機101には、手動ハンドル(図示せず)が設けられており、動作かん102の駆動は人力により手動で行うことも可能である。



従来のトングレールにおける上記の転換動作は、鋼製の床板上を摺動させて行われていた。しかし、トングレールと床板との摺動摩擦抵抗は、摺動部分に給油等の摩擦低減対策を行ったとしても、ローラーによる転動摩擦抵抗に比べて非常に大きかった。分岐器は屋外で使用されるため、床板の摺動面に錆等が発生したり塵埃等が付着し易く、摺動面を摩擦の少ない状態に保持するには多くの労力や経費が必要であった。



このため、ローラーの転動を利用してトングレール転換時の転換力を減少させる転てつ減摩器が開発され戦前から実用化されていた。転てつ減摩器を、図16において201~204で示す。



しかし、初期の転てつ減摩器は、トングレールの側面に穴を開け、転動用ローラーとローラー支持金具をその穴にボルト締結する必要があり、トングレールの強度に与える影響や、転てつ減摩器の設置が煩雑になる等の問題があった。



この問題を解決するため、特許文献1に記載の転てつ減摩器が開発され、トングレールの側面に穴を開ける必要はなくなった。特許文献1に記載の転てつ減摩器は、本体を基本レール側に取付けて、そこからローラー支持金具を出し、ローラー支持金具の先端にローラーを取付けた構造のものである。この特許文献1に記載の転てつ減摩器によれば、トングレールが転換を開始すると、初めは床板上を摺動するものの、ある位置からはローラーに乗り移り、ローラーを利用して転動しトングレール転換ができるようになっている。



現在では、特許文献1に記載の転てつ減摩器を基本として、さらにローラーの上下・左右方向の位置を調整し易くした構造の転てつ減摩器(特許文献2参照)が開発され、普及している。



図17に、ローラーの転動を利用した転てつ減摩器の一例の構成を示す。図17に示すように、この転てつ減摩器は、本体210と、ローラー支持金具211と、ローラー212と、ボルト213と、ナット214と、ばね緩衝器215と、ボルト216と、ナット217を備えている。本体210は、ボルト216とナット217により基本レールRに取付けられている。ローラー支持金具211は、本体210の軸210aに取付けられている。ローラー212は、ローラー支持金具211の先端の軸211aに取付けられている。ボルト213は、ばね緩衝器215を介して本体210に取付けられ、ローラー支持金具211の後端211bを押えている。ばね緩衝器215については後述する。Tは、基本レールRに密着している時のトングレールを示している。また、T′は、転換中のトングレールを示している。



上記のような構成により、基本レールRに密着しているトングレールTは、初めは床板(図示せず)上に乗っている。次に、T′に示すように、トングレールが転換を開始してある位置にくると、それ以降はローラー212の上に乗り移り、ローラー212上を転動する。これにより、トングレール転換時の摩擦抵抗が軽減されるようになっている。



上記したようなローラーの転動を利用した転てつ減摩器においては、初め床板上にあるトングレールを途中からローラーに乗り移らせることが必要である。もし、ローラーの上面の高さが床板よりも低いと、トングレール底面がローラー上面と接触しないためトングレールは床板上を摺動してしまう。このため、ローラー上面の高さは、トングレール底面の位置よりも高い位置に設定する必要がある。しかし、ローラー上面の高さが床板よりも高くなると、トングレールがローラーに乗り移る際に抵抗力を受ける。このため、ローラー上面の高さが床板よりもかなり高くなると、トングレール転換力が非常に大きくなる。そして、さらにローラー上面の高さが高くなると、トングレールはローラーに乗り移ることができず、分岐器が転換不能となり、列車運行に支障を生じる原因となるおそれがある。



そこで、従来は、経験上から、転てつ減摩器のローラーの高さ設定の目安として、トングレール先端と床板間に名刺が1枚挿入可能な程度に高くなるように設定するとトングレール転換力を軽減する減摩効果が有効に発揮されるとされてきた。




【特許文献1】特開昭48-15203号公報

【特許文献2】実開昭60-45701号公報

産業上の利用分野


本発明は、作用力の作用する作用点の変位に対してほぼ一定又は緩やかな増加若しくは緩やかな減少となるように変化させる微少変位定圧機構と、この微少変位定圧機構を組込んだ転てつ減摩器に関するものである。転てつ減摩器は、鉄道における分岐器を転換する転てつ装置において、ポイント部とクロッシング部の可動レール(ポイント部の可動レールは「トングレール」と呼ばれる。)を定位又は反位に転換させる際の転換力を減少させることを目的とした装置である。

特許請求の範囲 【請求項1】
きょう体の金具軸に回転可能に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられると共に前記ローラー支持金具の回転によって前記金具軸を中心に同じ旋回方向に同時に旋回可能な第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の回転を規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止された状態から、前記第1ローラー上に対象物が乗ると、前記対象物の底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支持金具が微少回転すると共に前記第1ローラー及び第2ローラーが前記金具軸を中心に同じ旋回方向に同時に旋回し、前記第2ローラーが前記対象物の底部を押すことにより前記対象物の底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記対象物の底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ローラーによる前記対象物の転動が行われるように構成されることを特徴とする微少変位定圧機構。

【請求項2】
鉄道の分岐器の可動レールの転換力を軽減するための転てつ減摩器において、きょう体の金具軸に回転可能に取付けられるローラー支持金具と、前記ローラー支持金具のローラー軸に取付けられる共に前記ローラー支持金具の回転によって前記金具軸を中心に同じ旋回方向に同時に旋回可能な第1ローラー及び第2ローラーと、前記きょう体に取付けられ前記ローラー支持金具の回転を規制する第1ストッパー及び第2ストッパーを有して構成され、前記可動レールの転換前は前記ローラー支持金具が前記第1ストッパーにより抑止され、前記可動レールが転換を開始すると、前記可動レールの底部側面が前記第1ローラーを押すことにより前記ローラー支持金具が微少回転すると共に前記第1ローラー及び第2ローラーが前記金具軸を中心に同じ旋回方向に同時に旋回し、前記第2ローラーが前記可動レールの底部を押すことにより前記可動レールの底部を前記第1ローラーに円滑に乗せ、前記ローラー支持金具が前記第2ストッパーと前記可動レールの底部によって抑止されることにより回転が拘束された状態で前記第1ローラーによる前記可動レールの転動が行われるように構成されることを特徴とする転てつ減摩器。
産業区分
  • 鉄道
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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