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超音波探傷方法及び装置 新技術説明会

国内特許コード P07A011055
整理番号 /NO31008
掲載日 2007年10月26日
出願番号 特願2004-098632
公開番号 特開2005-283379
登録番号 特許第4351568号
出願日 平成16年3月30日(2004.3.30)
公開日 平成17年10月13日(2005.10.13)
登録日 平成21年7月31日(2009.7.31)
発明者
  • 牧野 一成
  • 養祖 次郎
  • 坂本 博
出願人
  • (財)鉄道総合技術研究所
発明の名称 超音波探傷方法及び装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】 きずエコーと妨害エコーとが混在する場合に、きずエコーのみを的確に分離して検出することができ、エコー誤検出の可能性を低減することができる超音波探傷方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本方法では、中空車軸100の最も細い径(ジャーナル部109)の表面からのエコーのビーム路程からある値αを引いてトリガゲート始点Tを設定するとともに、中空車軸100の最も太い径(輪座部105)の表面からのエコーのビーム路程にある値αを加えてトリガゲート終点Tを設定する。本方法によれば、中空車軸100の斜角探傷を行う際に、きず105Xで反射したエコー(きずエコー)と、内ボス部100Xの段差部分(コーナやアール部)で反射したエコー(妨害エコー)とが混在して検出されても、きずエコーのみを的確に分離して検出することが可能である。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】鉄道車両の輪軸の探傷方法を例に採って、背景技術を説明する。 図8(A)は中実車軸を備える輪軸の探傷検査の例を説明するための図であり、図8(B)は中空車軸を備える輪軸の輪座部(車輪嵌め合い部)の探傷検査の例を説明するための図である。 図9は、中空車軸の探傷ゲートの設定例を説明するための図である。図8(A)に示す輪軸10Aは、中実車軸11を備えている。この中実車軸11は、中央平行部13の両側に、大径の輪座部15L、15R、中径部17L、17R、小径のジャーナル部(端部)19L、19Rがそれぞれ形成されている。左輪座部15Lは車輪座部15L′、ディスク座部(又は歯車座部)15L″からなり、それぞれ左車輪21L、ブレーキディスク(又は歯車)23が圧入されている。右輪座部15Rには、右車輪21Rのみが圧入されている。左右ジャーナル部19L、19Rには、それぞれ軸箱(図示されず)が外嵌される。中実車軸11の各外周面の段差部分は、アール状に形成されている。なお、左右輪座部15L、15Rの両側段差部分のうち、外側(軸端部側)を外ボス部OB、内側(軸中央側)を内ボス部IBと呼ぶ。一方、図8(B)、図9に示す輪軸10Bは、中空車軸12を備えている(これらの図には中空車軸12の左端部のみが拡大して図示されている)。この中空車軸12は、図8(A)に示す中実車軸11において、軸芯部に中空孔12a(一例で直径60mm)が形成されたものである。このような輪軸10A、10Bは、鉄道車両全体を支える重要部品である。輪軸10A、10Bについては、回転に伴う繰り返し荷重の作用により、車軸11、12表面に疲労き裂が生じていないか否かを早期に検出するため、定期的に探傷検査を行う必要がある。現在、このようなき裂チェックのための探傷検査は、超音波探触子40を用いて非破壊的に行われることがほとんどである。図8に模式的に示すように、探触子40は、ピエゾ素子等からなる振動子41を備えている。図8(B)に示すように、中空車軸12の中空孔12a内に挿入して使用される探触子40は、円筒状の探傷ヘッド45内に収容されている。図9に示すように、探傷ヘッド45は、連結パイプ47を介して、パルス発生装置や送り機構等が内蔵された探傷装置49に繋がっている。連結パイプ47内には、パルス発生装置からの電気パルスを振動子41へと伝えるケーブルや、超音波の伝わりを良くするための油を送る油管等が収容されている。探触子40の振動子41にパルス発生装置から電気パルスが加わると、超音波ビームが発生する。この超音波ビームが車軸のきず15X(図8(A)参照)で反射すると、きずエコーが再び探触子40に戻って電気信号に変換され、電気波形として検出される。探傷ヘッド45は、探傷装置49内の送り機構により、車軸の軸方向及び周回転方向に連続的又は間欠的に送ることが可能である。なお、探傷ヘッド45を手動で送るタイプの探傷装置もある。このような探触子40を用いる車軸の探傷検査手法は、大別すると、垂直探傷、局部探傷、斜角探傷がある。 垂直探傷は、図8(A)の左側に示すように、車軸端面に探触子40を垂直に当て、軸方向に沿って超音波ビームを送出するものである。この垂直探傷は、軸中心に存在するきずの探傷には適しているが、各外周面の段差部分(図8の符号B)や外ボス部OB、内ボス部IBの探傷は困難である。局部探傷は、図8(A)の右側に示すように、アクリル等の合成樹脂からなるくさび材(シュー材)43を介して、車軸端面に探触子40を当てる。探触子40は、くさび材43の傾斜面に当てられ、車軸の外ボス部OBや内ボス部IBに向けて斜めに超音波ビームを送出する。この局部探傷では、垂直探傷では困難な、各外周面の段差部分Bや外ボス部OB、内ボス部IBの探傷も行うことができる。斜角探傷は、前述のくさび材43が内装された探触子40′を用い、この探触子40′を車軸周面に当て、車軸の外ボス部OBや内ボス部IBに向けて斜めに超音波ビームを送出する。あるいは、図8(B)、図9に示すように、中空車軸12の探傷検査においては、探傷ヘッド45を中空孔12a内に挿入し、軸方向及び周回転方向に連続的又は間欠的に送りつつ、超音波ビームを斜めに(図9の例では屈折角40°に)送出する。この斜角探傷によっても、垂直探傷では困難な、各外周面の段差部分Bや外ボス部OB、内ボス部IBの探傷を行うことができる。このような典型的な車軸の超音波探傷においては、輪座部15L、15Rや中央平行部13等の探傷部位ごとに、例えば図9に示すような探傷ゲートを設定する。この探傷ゲートは、探傷時の注目部位である車軸表面までの計算上のビーム路程付近に設定する(ビーム路程=超音波の音速×注目部位までの往復の伝播時間÷2)。このような探傷ゲートを設定することで、ゲート範囲外に表示されるエコー波形は無視し、ゲート範囲内に表示されるエコー波形のみを有用な情報として検出することができ、きずの有無を的確に判定することができる。なお、この種の超音波探傷に関連する文献を以下に5件提示する。特許文献5は、本発明者等によるものであって、曲面(集束)振動子を用いて超音波ビームを探傷部位に集束させ、きずの探傷検出感度を向上して高精度の探傷検査を実現できる超音波探傷方法及び装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6-118066号公報
【特許文献2】特開平6-118067号公報
【特許文献3】特開平6-265528号公報
【特許文献4】特開平7-167840号公報
【特許文献5】特開2003-254944号公報
産業上の利用分野 本発明は、超音波を用いて試験体のきずの有無を調べる超音波探傷方法及び装置に関する。 なお、本明細書において、「中空軸」とは軸の長手方向に延びる空所を内部に有する軸のことを意味し、その空所を切削加工により形成した、いわゆる「中ぐり軸」をも含む。
特許請求の範囲 【請求項1】 段差のある外面、及び、超音波探傷用の探触子が当てられる超音波入射面を有する試験体の超音波探傷方法であって、 前記試験体の超音波入射面に前記探触子を当てて、所定のピッチで走査しつつ、該ピッチごとの点(データ記録点)でエコーを検出し、 事前に、探傷対象となる前記試験体の段差部分について、前記超音波入射面から入射した超音波の直進距離が最も短い表面におけるエコーのビーム路程からある値を引いてトリガゲート始点を設定するとともに、前記超音波入射面から入射した超音波の直進距離が最も長い表面におけるエコーのビーム路程にある値を加えてトリガゲート終点を設定し、 また、前記試験体と同一形状のきずのない試験体の妨害エコーデータ(段差部分からのエコーデータ)の、前記データ記録点での各ビーム路程及びそれらのばらつき範囲を取得しておき、 前記各データ記録点で前記トリガゲート内の検出しきい値を超えるビーム強度を有し且つ最もビーム路程の短いエコーデータについて、そのビーム強度及びビーム路程を検出・記録し、 前記検出・記録された前記試験体のビーム路程データが、前記取得された前記きずのない試験体の妨害エコーデータのばらつき範囲外であるとき、前記試験体のきずから反射したきずエコーデータであると判断することを特徴とする超音波探傷方法。
【請求項2】 径の異なる複数の外周面、及び、軸芯部の中空孔を有する中空軸の超音波探傷方法であって、 試験体となる中空軸(試験軸)の中空孔内に超音波探傷用の探触子を挿入し、該探触子を軸方向及び周回転方向に連続的又は間欠的に送りつつ、軸送り方向及び周回転送り方向の送りピッチごとの点(データ記録点)でエコーを検出し、 事前に、前記試験軸の最も細い径の段差部分表面からのエコーのビーム路程からある値を引いてトリガゲート始点を設定するとともに、前記試験軸の最も太い径の段差部分表面からのエコーのビーム路程にある値を加えてトリガゲート終点を設定し、 また、前記試験軸と同一形状のきずのない中空軸(基準軸)の妨害エコーデータ(段差部分からのエコーデータ)の、前記データ記録点での各ビーム路程及びそれらのばらつき範囲を取得しておき、 前記各データ記録点で前記トリガゲート内の検出しきい値を超えるビーム強度を有し且つ最もビーム路程の短いエコーデータについて、そのビーム強度及びビーム路程を検出・記録し、 前記検出・記録された前記試験軸のビーム路程データが、前記取得された前記基準軸の妨害エコーデータのばらつき範囲外であるとき、前記試験軸のきずから反射したきずエコーデータであると判断することを特徴とする超音波探傷方法。
【請求項3】 前記探触子の周回転送り方向の隣り合うデータ記録点でのエコーデータを比較し、これらが所定のばらつき範囲内であれば前記妨害エコーデータであると判断し、所定のばらつき範囲外であれば前記きずエコーデータであると判断することを特徴とする請求項2記載の超音波探傷方法。
【請求項4】 前記データ記録点を比較するときの開始点となるデータ記録番号Nsを設定し、 前記周回転送り方向に連続するデータ記録点の個数Cを設定し、 前記基準軸の妨害エコーデータのばらつき範囲から、前記妨害エコーデータか又は前記きずエコーデータかを識別するしきい値Vを設定し、 前記データ記録番号NsからNs+C-1までの各エコーデータを比較し、前記ばらつき範囲内でのビーム路程の最大値Dmax、最小値Dminを設定し、 Dmax-Dmin≦Vとなる場合は、以下のサブステップ(SS1)~(SS3):(SS1)比較した個数Cの各エコーデータがC個の連続する前記妨害エコーデータであると判断する(SS2)前記データ記録番号Nsを1つ増やす(SS3)前記データ記録番号Nsの設定ステップに移行するを順に経由し、 Dmax-Dmin>Vとなる場合は、以下のサブステップ(SS4)~(SS7):(SS4)比較した個数Cの各エコーデータのうちに前記きずエコーデータが存在すると判断する(SS5)Dminとして設定されたデータ記録番号のエコーデータを前記きずエコーデータと判定する(SS6)前記きずエコーデータに該当したデータ記録番号の次のデータ記録点を、新たな開始点となるデータ記録番号Nsとして設定し直す(SS7)前記データ記録番号Nsの設定ステップに移行するを順に経由し、 比較対象となる全てのデータ記録点について前記サブステップ(SS1)~(SS3)又は(SS4)~(SS7)を経由した後、前記妨害エコーデータと判定されたエコーデータを除去し、前記きずエコーデータに該当するエコーデータのみを抽出することを特徴とする請求項3記載の超音波探傷方法。
【請求項5】 段差のある外面、及び、超音波探傷用の探触子が当てられる超音波入射面を有する試験体を超音波探傷する装置であって、 前記試験体の超音波入射面に前記探触子を当てた状態で、所定のピッチで走査する手段と、 該ピッチごとの点(データ記録点)でエコーを検出する手段と、 探傷対象となる前記試験体の段差部分について、前記超音波入射面から入射した超音波の直進距離が最も短い表面におけるエコーのビーム路程からある値を引いてトリガゲート始点を設定するとともに、前記超音波入射面から入射した超音波の直進距離が最も長い表面におけるエコーのビーム路程にある値を加えてトリガゲート終点を設定する手段と、 前記試験体と同一形状のきずのない試験体の妨害エコーデータ(段差部分からのエコーデータ)の、前記データ記録点での各ビーム路程及びそれらのばらつき範囲を取得する手段と、 前記各データ記録点で前記トリガゲート内の検出しきい値を超えるビーム強度を有し且つ最もビーム路程の短いエコーデータについて、そのビーム強度及びビーム路程を検出・記録する手段と、 前記検出・記録された前記試験体のビーム路程データが、前記取得された前記きずのない試験体の妨害エコーデータのばらつき範囲外であるとき、前記試験体のきずから反射したきずエコーデータであると判断する手段と、を備えることを特徴とする超音波探傷装置。
【請求項6】 径の異なる複数の外周面、及び、軸芯部の中空孔を有する中空軸を超音波探傷する装置であって、 試験体となる中空軸(試験軸)の中空孔内に超音波探傷用の探触子を挿入した状態で、該探触子を軸方向及び周回転方向に連続的又は間欠的に送る手段と、 軸送り方向及び周回転送り方向の送りピッチごとの点(データ記録点)でエコーを検出する手段と、 前記試験軸の最も細い径の段差部分表面からのエコーのビーム路程からある値を引いてトリガゲート始点を設定するとともに、前記試験軸の最も太い径の段差部分表面からのエコーのビーム路程にある値を加えてトリガゲート終点を設定する手段と、 前記試験軸と同一形状のきずのない中空軸(基準軸)の妨害エコーデータ(段差部分からのエコーデータ)の、前記データ記録点での各ビーム路程及びそれらのばらつき範囲を取得する手段と、 前記各データ記録点で前記トリガゲート内の検出しきい値を超えるビーム強度を有し且つ最もビーム路程の短いエコーデータについて、そのビーム強度及びビーム路程を検出・記録する手段と、 前記検出・記録された前記試験軸のビーム路程データが、前記取得された前記基準軸の妨害エコーデータのばらつき範囲外であるとき、前記試験軸のきずから反射したきずエコーデータであると判断する手段と、を備えることを特徴とする超音波探傷装置。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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