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車両駆動用全閉型電動機

国内特許コード P07A011105
整理番号 /NO33464
掲載日 2007年11月2日
出願番号 特願2004-200604
公開番号 特開2006-025521
登録番号 特許第4772298号
出願日 平成16年7月7日(2004.7.7)
公開日 平成18年1月26日(2006.1.26)
登録日 平成23年7月1日(2011.7.1)
発明者
  • 川路 俊一
  • 木下 力
  • 八木 信行
  • 白石 茂智
  • 近藤 稔
出願人
  • 株式会社東芝
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 車両駆動用全閉型電動機
発明の概要

【課題】 機内の汚損を無くすと同時に冷却用の通風ファンの騒音を低減し、軸受部分の温度上昇を低減することにより潤滑グリースの交換周期を長くし、さらに冷却性能の向上とローカルヒートを無くすことにより小型軽量化又は容量(出力)増大が図れる車両駆動用全閉型電動機を提供する。
【解決手段】 駆動側の軸受5よりも機内側の位置においてロータシャフト13に第1の通風ファン15を取り付け、反駆動側の軸受9よりも機内側の位置においてロータシャフトに第2の通風ファン16を取り付け、第1及び第2の通風ファンの外周部と各外周ブラケット4、8の機内側に張出した部分の内周部との間に円周状の微小間隙を形成し、第1及び第2の通風ファンの機外側壁面にそれぞれ複数枚の羽根15a、16aを放射状に設け、各内周ブラケット6、10に入気口6a、10aをそれぞれ設け、各外周ブラケットに排気口4a、8aを設けた。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


一般に、鉄道車両等では、車体の下に配置された台車に車両駆動用電動機を装荷し、この電動機の回転力を歯車装置を介して車輪に伝達して車両を走行させるようにしている。従来、この種の車両駆動用電動機は図8に示した構造となっている。



この図に示した従来の車両駆動用電動機は、固定側部材である円筒状のフレーム101を有し、このフレーム101の一側にブラケット102を取り付け、フレーム101の他側の中央部にハウジング103を取り付け、このブラケット102とハウジング103それぞれの中心部に設けた軸受104、105各々によってロータシャフト106の両端部各々を回転自在に支持している。



そして、ロータシャフト106の軸方向の中央部分にロータ鉄心107を固定し、このロータ鉄心107の外周部に形成された多数の溝各々の中にロータバー108を埋め込み、各々のロータバー108の両端部をロータ鉄心107より張出させ、その張出部分をエンドリングで一体に接続して誘導電動機のかご形ロータを形成している。また、ロータ鉄心107には、軸方向に貫通した複数個の通風穴107aを設けている。



フレーム101の内周部には、円筒状のステータ鉄心110を取り付け、このステータ鉄心110の内周面に形成された多数の溝の中にステータコイル111を収納している。このステータコイル111のコイルエンド部は、ステータ鉄心110の両側に張出した形となっている。



ステータ鉄心110の内周面とロータ鉄心107の外周面との間には、一様な空隙を形成してある。ロータシャフト106の駆動側端106aは機外に突出させてある。この突出した駆動側端106aの部分には、駆動用歯車装置と結合するための継手(カップリング)を取り付ける。ロータシャフト106の機内部分には通風ファン109を固定してある。この通風ファン109は中央より放射状に配置された複数の羽根109aを有している。ブラケット102におけるこの通風ファン109の外周部に対向する部分には、複数の排気口102aが円周方向に沿って設けてある。



フレーム101の反駆動側の上方に入気口101aを設け、この入気口101aを覆うように通風ろ過器112を取り付け、通風ろ過器112の外気取入口部には、塵埃を捕捉するためのフィルター112aを取り付けてある。



図8に示した電動機全体は、フレーム101に設けられた取付腕部を台車枠にボルトで締結固定し、ロータシャフト端部106aに接続した継手を介して、電動機の回転力を歯車装置から車輪に伝達して車両を走行させる。



この電動機の運転時には、電動機のステータコイル111とロータバー108が発熱するため、外気を電動機内に流通させて冷却し、電動機の温度上昇を抑制する。この冷却作用は次の通りである。



運転時、通風ファン109がロータシャフト106によって回転し、機内の空気を排気口102aより機外に排出し、これに伴って入気口101aより外気が機内に吸引される。機内に吸引される外気は、通風ろ過器112を経て入気口101aより機内に流入した後、ロータ鉄心107の通風穴107aを通り、またロータ鉄心107の外周とステータ鉄心110の内周との間の空隙部を通って通風ファン109側に流通し、通風ファン109の回転により排気口102aより機外に排出される。



このように機内に外気を流通させることにより、ロータバー108、ステータコイル111及び機内の各部を冷却し、ロータバー108、ステータコイル111の温度上昇が許容温度を超えないようにしている。



しかしながら、電車等の床下台車に搭載される車両駆動用電動機の周囲の外気には、車両走行時に巻き上げられる塵埃が多量に存在し、取り入れる外気はひどく汚損された環境にある。そのため、図8に示した従来例の車両駆動用電動機では、機内に取り入れる外気に対して、通風ろ過器112のフィルター112aによって塵埃を捕捉して清浄化を図っているが、運転を続けることにより、次第にフィルター112aに目詰まりが生じ、機内の通風量が減少してしまう。このため、短い間隔の定期的なフィルターの清掃保守を必要とし、多大な労力を費やさねばならない技術的課題があった。



この問題を解決するために、近年では、全閉外扇冷却型の車両駆動用電動機の開発が進められている。この全閉外扇冷却型電動機の構造が図9に示してある。これについて説明すると、有底円筒形のフレーム201の駆動側端部にブラケット202を設け、反駆動側の中央部にハウジング203を設けてある。フレーム201の内周部には、ステータ鉄心204を設けてある。



ブラケット202とハウジング203とのそれぞれに取り付けられた軸受205、206によってロータシャフト207を回転自在に支持している。このロータシャフト207の軸方向中央部には、ロータ鉄心208を設けてある。ロータシャフト207の反駆動側端部は機外に張出しており、この張出部分には通風ファン209を取付けてある。



フレーム201の外周面には、軸方向に延びた形状の冷却フィン201aを多数設け、この冷却フィン201aを覆う形でカバー210を被せることにより、カバー210の内側とフレーム201の外側とに囲まれた軸方向に延びる空間を形成し、この空間を通風路211としている。



通風路211の駆動側は外部に開放され、その反駆動側は通風ファン209の外周側に向けて開口している。電動機の反駆動側端部にはカバー212を取り付けてあり、このカバー212の中心部には、通風ファン209のために外気取入口212aを形成してある。



この図9に示した全閉外扇冷却型電動機は、電動機内部が外部と遮断された全閉型となっているので、その内部で発生した熱は、主に、フレーム201の外周面に多数設けられた冷却フィン201aから放出される。そして、運転時には、通風ファン209の回転により外気をフレーム201の外周部の通風路211に送り込んで軸方向に流通させることにより、この通風路211内に配置された多数の冷却フィン201aから機内の熱を外気に放出させる。



この全閉外扇冷却型電動機は、外気を機内に流通させないため外気に混入している塵埃で機内が汚損されることがなく、さらに機外部分を外気で冷却するので外気の塵埃を除去するフィルターも不要になる利点がある。

産業上の利用分野


本発明は、鉄道等の車両を駆動するための車両駆動用全閉型電動機に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ステータフレームの内周側にステータ鉄心を取り付け、当該ステータ鉄心の内周側にロータ鉄心を配置し、当該ロータ鉄心の中心部にロータシャフトを結合し、前記ステータフレームの長手方向の両端部に軸受を支持するブラケットを取り付け、前記各軸受によって前記ロータシャフトを回転自在に支持するように構成した車両駆動用全閉型電動機において、
駆動側の前記軸受よりも機内側の位置において前記ロータシャフトに第1の通風ファンを取り付け、反駆動側の前記軸受よりも機内側の位置において前記ロータシャフトに第2の通風ファンを取り付け、前記第1及び第2の通風ファンの外周部と前記各ブラケットの機内側に張出した部分の内周部との間に円周状の微小間隙を形成するように遊嵌状態で噛み合ってラビランス部を構成し、前記第1及び第2の通風ファンの機外側壁面にそれぞれ複数枚の羽根を放射状に設け、
前記第1の通風ファンと前記第2の通風ファンのいずれか一方又は両方の機内側壁面に複数枚の羽根又は熱交換用のフィンを設け、
前記各ブラケットにおける前記各通風ファンの羽根よりも内径側位置に複数個の外気の入気口をそれぞれ設け、前記各ブラケットにおける前記各通風ファンの羽根の外周部よりも外径側位置に複数個の外気の排気口を設け、
前記各ブラケットにおける前記ステータ鉄心に対向する内壁面に複数の吸熱フィンを設けると共に、前記各ブラケットにおける前記排気口の出口付近の外壁面に複数の放熱フィンを設け、
前記各入気口から取り込まれた外気は、前記第1及び第2の通風ファンの壁面部分で、前記第1及び第2の通風ファンの壁面により仕切られた機内空間との熱交換を行った後、前記各排気口から略径方向に排出されることを特徴とする車両駆動用全閉型電動機。

【請求項2】
ステータフレームの内周側にステータ鉄心を取り付け、当該ステータ鉄心の内周側にロータ鉄心を配置し、当該ロータ鉄心の中心部にロータシャフトを結合し、前記ステータフレームの長手方向の両端部に軸受を支持するブラケットを取り付け、前記各軸受によって前記ロータシャフトを回転自在に支持するように構成した車両駆動用全閉型電動機において、
前記各ブラケットは、前記ステータフレームの長手方向の端部に取り付けられた外周ブラケットと、この外周ブラケットの内周側に取り付けられ前記軸受を内蔵した内周ブラケットとから成り、駆動側の前記軸受よりも機内側の位置において前記ロータシャフトに第1の通風ファンを取り付け、反駆動側の前記軸受よりも機内側の位置において前記ロータシャフトに第2の通風ファンを取り付け、前記第1及び第2の通風ファンの外周部と、前記各通風ファンと隣接した前記外周ブラケットにおける機内側に張出した部分の内周部との間に円周状の微小間隙を形成するように遊嵌状態で噛み合ってラビランス部を構成し、前記第1及び第2の通風ファンの機外側壁面にそれぞれ複数枚の羽根を放射状に設け、
前記第1の通風ファンと前記第2の通風ファンのいずれか一方又は両方の機内側壁面に複数枚の羽根又は熱交換用のフィンを設け、
前記各内周ブラケットにそれぞれ複数個の外気の入気口を設け、前記各外周ブラケットにおける前記羽根の外周部よりも外径側位置に複数個の外気の排気口を設け、前記第1の通風ファンの外径を前記ロータ鉄心の外径よりも大きく且つ前記第1の通風ファン側の前記外周ブラケットと前記内周ブラケットとの取付部径よりも小さくし、前記第2の通風ファンの外径を前記ロータ鉄心の外径よりも小さく且つ前記第2の通風ファン側の前記外周ブラケットと前記内周ブラケットとの取付部径よりも大きくし、
前記各外周ブラケットにおける前記ステータ鉄心に対向する内壁面に複数の吸熱フィンを設けると共に、前記各外周ブラケットにおける前記排気口の出口付近の外壁面に複数の放熱フィンを設け、
前記各入気口から取り込まれた外気は、前記第1及び第2の通風ファンの壁面部分で、前記第1及び第2の通風ファンの壁面により仕切られた機内空間との熱交換を行った後、前記各排気口から略径方向に排出されることを特徴とする車両駆動用全閉型電動機。

【請求項3】
前記第1の通風ファンの機内側壁面に複数枚の羽根を放射状に設け、前記ロータ鉄心に軸方向に貫通した複数個の通風穴を設け、機外に長手方向に延びる冷却風道を有する冷却器を取り付け、前記冷却風道の両端部を前記ステータ鉄心の一方の側面に対向する駆動側機内空間と前記ステータ鉄心の他方の側面に対向する反駆動側機内空間とにそれぞれ連通させ、前記冷却器の冷却風道の内壁面と外壁面に多数の熱交換用のフィンを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両駆動用全閉型電動機。

【請求項4】
前記第1の通風ファンの機内側壁面に複数枚の羽根を放射状に設け、前記ロータ鉄心に軸方向に貫通した複数個の通風穴を設け、機外に長手方向に延びる内気風道と外気風道を隣接して設けてある冷却器を取り付け、前記内気風道の両端部を駆動側機内空間と反駆動側機内空間にそれぞれ連通させ、前記外気風道の一端側を前記第2の通風ファンの機外側壁面に設けた羽根の外周側の空間に連通させ、他端側を機外の大気空間に開放した状態としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両駆動用全閉型電動機。

【請求項5】
前記第1の通風ファンと前記第2の通風ファンの各々の機外側壁面に設けた羽根の枚数を異なった枚数とし且つ互いに割り切れない値に設定したことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項記載の車両駆動用全閉型電動機。

【請求項6】
前記ブラケットと前記各通風ファンをアルミニウム合金等の熱伝導性に優れた材料で形成したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項記載の車両駆動用全閉型電動機。

【請求項7】
前記各通風ファンをアルミニウム合金等の熱伝導性に優れた材料で形成し、当該各通風ファンの外周面と対向して円周状の微小間隙を形成するプレートを前記ブラケットに取り付け、当該プレートの材料を前記各通風ファンの材料と同等又はそれに近い熱膨張係数を有するものとしたことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項記載の車両駆動用全閉型電動機。
産業区分
  • 発電、電動
  • 自動車
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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