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磁気異方性センサを用いた応力測定方法及び装置

国内特許コード P07A011232
整理番号 /NO30878
掲載日 2007年11月2日
出願番号 特願2003-084112
公開番号 特開2004-294139
登録番号 特許第4072085号
出願日 平成15年3月26日(2003.3.26)
公開日 平成16年10月21日(2004.10.21)
登録日 平成20年1月25日(2008.1.25)
発明者
  • 柏谷 賢治
出願人
  • (財)鉄道総合技術研究所
発明の名称 磁気異方性センサを用いた応力測定方法及び装置
発明の概要 【課題】磁気異方性センサを用いた応力測定において、残留応力及びリフトオフの影響を排除しつつ、磁気異方性センサから出力される測定値と被測定物の応力との関係をさらに線形に近付けて、より正確な応力測定を行うことができる応力測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】この応力測定装置は、消磁器2と、被測定物に交流磁界をかけるための励磁用コイルとリフトオフを検出するためのリフトオフ検出用コイルとが巻かれた磁芯及び被測定物における磁化の強さを測定するための磁位差検出用コイルが巻かれた磁芯を有する磁気異方性センサ3と、各部を制御する制御回路15と、演算器13とを含む。演算器13は、消磁方向を変えて得られた第1の算出値と第2の算出値との平均値を、第1の算出値と第2の算出値との差から所定の値を引いた値で割ることにより、被測定物における応力に対応する値を求める。
【選択図】 図4
従来技術、競合技術の概要 鉄鋼製品の応力測定においては、従来から磁気異方性センサを用いる方法が知られている。この方法は、短時間で測定でき、測定装置が小型で安価であり、測定自由度が大きい等、多くの利点を有する。しかしながら、その反面、被測定物の表面に塗料や被覆物、錆等が存在する場合には、測定値がリフトオフに左右され易いという短所もある。なお、ここにいうリフトオフとは、センサの磁芯から被測定物までの距離をいう。そこで、下記の特許文献1には、本発明者により開発されたリフトオフの影響を受けない電磁式応力測定装置が開示されている。この電磁式応力測定装置は、塗料や被覆物、錆等の有無にかかわらず、リフトオフと無関係に応力の測定を行えるものである。特許文献1に開示されている電磁式応力測定装置は、互いに直交する2つのコの字型磁芯を有する磁気異方性センサを備えている。磁気異方性センサの一方の磁芯には励磁用コイル及びリフトオフ検出用コイルが巻かれており、他方の磁芯には磁位差検出用コイルが巻かれている。励磁用コイルは、発振器に接続されており、この発振器から励磁用コイルに定常電流が供給される。リフトオフ検出用コイルは、増幅器を介して整流器に接続されている。磁位差検出用コイルは、増幅器を介して同期整流器に接続されている。同期整流器は、磁位差検出用コイルの出力電圧を発振器の信号に同期して整流する。同期整流器及び整流器は、演算器に接続されている。演算器は、同期整流器の出力電圧V(δ,σ)と、整流器の出力電圧V(δ)と、測定対象のない場合の整流器の出力電圧V(∞)とから、出力比V(δ,σ)/{V(δ)-V(∞)}を演算する。ここで、δはリフトオフを表し、σは応力を表す。この演算器に接続されている表示器に、演算器の出力が表示される。この電磁式応力測定装置の磁気異方性センサにおいては、励磁用コイル及びリフトオフ検出用コイルが巻かれた磁芯の先端と、磁位差検出用コイルが巻かれた磁芯の先端とのリフトオフの差を調節することができる。これにより、リフトオフ検出用コイルの出力と、磁位差検出用コイルの出力とにおいて、リフトオフ特性を一致させることができる。即ち、リフトオフの差を調節することにより、演算器により演算される出力比V(δ,σ)/{V(δ)-V(∞)}の値を、リフトオフに依存しないようにすることができる。ところで、磁気異方性センサから出力される測定値Vと被測定物の応力σとの関係は、一般に非線形であり、グラフに描くと曲線になる。Vとσとの関係が曲線であると、曲線の各部位において応力感度χ(=dV/dσ)が異なる。未知の残留応力が存在する被測定物に外力が作用している場合には、応力感度χが定まらないため、外力による応力σapが正確に測定できない。そこで、下記の特許文献2には、本発明者により開発された残留応力及びリフトオフの影響を受けない応力測定装置が開示されている。この応力測定装置は、消磁器と、磁気異方性センサと、演算器等を含んでいる。演算器は、消磁方向を変えて得られた第1の測定値と第2の測定値に基づき、これらの値の平均値から、被測定物の寸法・形状で定まる見かけの値を引き算して、その結果を第1の測定値と第2の測定値との差で割ることにより、上記被測定物における応力に対応する値を求める。これにより、残留応力及びリフトオフの影響が排除される。
【特許文献1】特公平6—95052号公報 (第2-3頁、第1図及び第2図)
【特許文献2】特開2001-281073号公報 (第1頁、図8)
産業上の利用分野 本発明は、磁気異方性センサ(Magnetic Anisotropy Sensor:MAS)を用いて、鉄道レール等の鉄鋼製構造物あるいは鉄鋼製機械部品における応力を非破壊的に測定する方法及び装置に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 被測定物に対して交流磁界をかけるための励磁用コイルとリフトオフを検出するためのリフトオフ検出用コイルとが巻かれた磁芯、及び、前記被測定物における磁化の強さを測定するための磁位差検出用コイルが巻かれた磁芯を有する磁気異方性センサを用いた応力測定方法であって、 前記被測定物に対して第1の方向に減衰交流磁界をかけて消磁するステップ(a)と、 前記励磁用コイルにより前記被測定物に対して所定の方向に交流磁界をかけて前記磁位差検出用コイル及び前記リフトオフ検出用コイルから出力される電圧を検出して第1の測定値及び第1のリフトオフ検出値をそれぞれ得るステップ(b)と、 前記被測定物に対して第1の方向と直交する第2の方向に減衰交流磁界をかけて消磁するステップ(c)と、 前記励磁用コイルにより前記被測定物に対して所定の方向に交流磁界をかけて前記磁位差検出用コイル及び前記リフトオフ検出用コイルから出力される電圧を検出して第2の測定値及び第2のリフトオフ検出値をそれぞれ得るステップ(d)と、 少なくとも第1の測定値及び第1のリフトオフ検出値に基づいて第1の算出値を得ると共に、少なくとも第2の測定値及び第2のリフトオフ検出値に基づいて第2の算出値を得るステップ(e)と、 残留応力のない試験片を用いた場合に、第1の算出値と第2の算出値との平均値を、第1の算出値と第2の算出値との差から所定の値を引いた値で割った値が、負荷による一軸応力に対して直線となるような前記所定の値を用いて、前記被測定物について得られた第1の算出値と第2の算出値との平均値を、第1の算出値と第2の算出値との差から前記所定の値を引いた値で割ることにより、前記被測定物における応力に対応する値を求めるステップ(f)と、を具備する応力測定方法。
【請求項2】 ステップ(b)が、前記被測定物に対して第1及び第2の方向と異なる第3の方向に交流磁界をかけて第1の方向における磁化の強さを測定することを含み、 ステップ(d)が、前記被測定物に対して第3の方向に交流磁界をかけて第1の方向における磁化の強さを測定することを含む、請求項1記載の応力測定方法。
【請求項3】 磁気異方性センサを用いた応力測定装置であって、 被測定物に対して互いに直交する第1の方向と第2の方向に減衰交流磁界をかけて消磁するための消磁手段と、 前記被測定物に対して所定の方向に交流磁界をかけるための励磁用コイルとリフトオフを検出するためのリフトオフ検出用コイルとが巻かれた磁芯、及び、前記被測定物における磁化の強さを測定するための磁位差検出用コイルが巻かれた磁芯を有する磁気異方性センサと、 前記消磁手段に電流を供給して減衰交流磁界を発生させ、前記励磁用コイルに電流を供給して交流磁界を発生させる発振手段と、 前記磁気異方性センサの前記磁位差検出用コイル及び前記リフトオフ検出用コイルから出力される電圧を検出する検出手段と、 前記被測定物を第1の方向に消磁した後で、前記励磁用コイルにより前記被測定物に対して交流磁界をかけて前記磁位差検出用コイル及び前記リフトオフ検出用コイルから出力される電圧を検出して第1の測定値及び第1のリフトオフ検出値をそれぞれ得ると共に、前記被測定物を第2の方向に消磁した後で、前記励磁用コイルにより前記被測定物に対して交流磁界をかけて前記磁位差検出用コイル及び前記リフトオフ検出用コイルから出力される電圧を検出して第2の測定値及び第2のリフトオフ検出値をそれぞれ得るように、各部を制御する制御手段と、 少なくとも第1の測定値及び第1のリフトオフ検出値に基づいて第1の算出値を得ると共に、少なくとも第2の測定値及び第2のリフトオフ検出値に基づいて第2の算出値を得て、残留応力のない試験片を用いた場合に、第1の算出値と第2の算出値との平均値を、第1の算出値と第2の算出値との差から所定の値を引いた値で割った値が、負荷による一軸応力に対して直線となるような前記所定の値を用いて、前記被測定物について得られた第1の算出値と第2の算出値との平均値を、第1の算出値と第2の算出値との差から前記所定の値を引いた値で割ることにより、前記被測定物における応力に対応する値を求める演算手段と、を具備する応力測定装置。
【請求項4】 前記検出手段が、 前記第1の検出用コイルから出力される電圧を増幅する第1の増幅器と、 前記第1の増幅器から出力される電圧を整流する第1の整流器と、 前記第2の検出用コイルから出力される電圧を増幅する第2の増幅器と、 前記第2の増幅器から出力される電圧を、前記励磁用コイルに供給する電流に対して同期整流する第2の整流器と、を含む、請求項3記載の応力測定装置。
【請求項5】 前記磁気異方性センサが、前記被測定物に対して第1及び第2の方向と異なる第3の方向に交流磁界をかけて第1の方向における磁化の強さを測定する、請求項3又は4記載の応力測定装置。
産業区分
  • 測定
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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