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亀裂監視システム

国内特許コード P07A011403
整理番号 /NO30957
掲載日 2007年11月9日
出願番号 特願2003-422393
公開番号 特開2005-181109
登録番号 特許第4137781号
出願日 平成15年12月19日(2003.12.19)
公開日 平成17年7月7日(2005.7.7)
登録日 平成20年6月13日(2008.6.13)
発明者
  • 田中 誠
  • 江成 孝文
出願人
  • (財)鉄道総合技術研究所
発明の名称 亀裂監視システム
発明の概要 【課題】 検査費用を節減し検査の確実性を向上させ現場施工が容易で検知機能を長時間維持することができる亀裂監視材及び亀裂監視システムを提供する。
【解決手段】 鋼構造物1に亀裂C1が発生すると、この鋼構造物1の表面に塗布され形成された亀裂監視材3が部分的に破断して亀裂C1が発生する。各監視領域A1~A49内の導電層4aの電気抵抗を通電状態測定部7が測定して、この電気抵抗の変化を評価部9が評価すると亀裂C1の発生した監視領域A1が特定される。監視領域A1内に亀裂C1が発生すると、亀裂C1の進展方向と同一方向の電極間の抵抗値の変化に比べて、亀裂C1の進展方向と交差する方向の電極間の抵抗値の変化が大きくなる。このため、縦方向、横方向及び斜め方向で対向する監視領域A1内の電極間の電気抵抗を通電状態測定部7が測定して、この電気抵抗の変化を評価部9が評価すると亀裂C1の進展方向が特定される。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】鋼構造物には、繰り返し荷重を受けることで引張荷重のかかる部位に疲労亀裂が発生したり、接合部のリベットやボルトの緩みや脱落などの重大変状が発生したりする。このような重大変状が構造物の耐力に影響するほどの大きさに成長すると構造物の破壊に至るため、変状部位別に許容される変状程度を超えるおそれがある場合には補修や補強のための工事が行われている。鋼構造物の重大変状は、通常の状態では複数年かけて進展するため変状発生時に直ちに補修や補強を行う必要はない。また、変状の中には進展が途中で止まる場合もあるため、補修や補強の必要性を判定するためには変状発生後の進展を監視する必要がある。
【表1】
表1は、鋼構造物に発生する重大変状として直ちに補修や補強が必要になる場合の例である。例えば、表1に示すように、主桁フランジ、縦桁、横桁引張り側フランジの亀裂は20mmに達した場合には、直ちに補修や補強が必要な状態であると判定される。ここで、表1に示す一群とは、継手を構成する一枚の母材に用いられるリベット又はボルトの全体を意味する。重大変状は、リベットやボルトの緩みや破断による接合力の低下、部材の疲労亀裂による破断強度の低下、地盤沈下による構造物全体の変位による走行安定性の低下に大きく分けられる。疲労亀裂は、繰り返し荷重の載荷時に引っ張り力が作用する部位に発生するため、発生箇所は構造形式によってある程度想定できる。また、発生した亀裂の構造物に与える影響が部位で異なることが知られている。鋼構造物の検査には、2年を超えない範囲で行われる定期検査と、地震などの異常時に大きな荷重を受けた場合に行われる不定期検査と、定期検査などで異常が想定された場合に実施される詳細検査とがある。定期検査と不定期検査は、巡回による検査通路からの目視検査が主体であり、この目視検査では亀裂の発生が想定される箇所に近接して防食塗膜の破断箇所を目視で観察する。鋼材の亀裂発生に伴う塗膜破断は、応力集中箇所と想定される部位から直線的に成長しているので、他の塗膜破断原因と容易に区別することができる。また、過去の経験から鋼材の疲労亀裂時に防食塗膜が破断に至ることが知られている。リベットやボルトの破断は、接合部が観察できれば双眼鏡などを用いて容易に発見することができる。リベットやボルトの緩みは、これらの周りの塗膜の破断状況を近接して観察し、ハンマーなどで叩き音の変化を確認する打音検査によって発見することができる。一方、詳細検査は、検査目的によって異なるが検査のために足場の架設を伴うことがある。巡回による目視によって変状が発見されるのは検査通路に近い部位のみであり、多くの場合には足場を架設して接近観察が必要になるが、足場の架設には多くの費用が必要になる。このため、緊急性の高い詳細検査以外では、10~15年毎に実施されている塗替え塗装工事の塗装足場を活用して検査されている。従来の亀裂検知方法には、超音波式や磁粉探傷式による亀裂検知と長さの計測方法がある。この方法では、極めて小さい亀裂の発見と長さの高精度な評価は可能であるが、従来の目視による検査で亀裂が発見された後に近接して測定することになるため、亀裂の発見の目的に適さないとともに、目視による観察以上の高精度な計測の必要性も少ない。また、従来の亀裂検知方法には、鋼構造物に加わる繰返し応力を素子によってモニタして疲労寿命を予測する方法がある。この方法では、構造物の適当な箇所に設置した素子に加わる繰返し応力をモニタし、使用鋼材の経験的に知られる破壊までの繰返し数によってマイナー則を用いて期間を予測することができる。しかし、この方法では、亀裂の発生時期の確定や亀裂の成長に関する情報が得られず、構造物に補修や補強が必要であるか否かを判定することができず、補修や補強の時期も知ることができない。さらに、従来の亀裂検知方法には、鋼構造物の電気抵抗などの特性変化から亀裂の発生と進展を検知する方法がある。この方法では、鋼構造物自体の電気特性の変化をモニタして、鋼材の抵抗値の変化から亀裂の発生を求めることができる。しかし、この方法では、鋼材自体の抵抗が極めて低いため、印加した電流の流れる経路が短い小型試験片や小型構造物では検知が可能であるが、大型構造物では電流の経路が大きいため、亀裂による抵抗の減少量が極僅かになり、抵抗の変化を効果的に検知することが困難になる。近年、導電性薄膜を構造物に配置しこの構造物に亀裂が発生したときにこの導電性薄膜が破断することで亀裂を検知する方法が提案されている。例えば、従来の亀裂検知材(従来技術1)は、防水性を有する絶縁塗料をトンネルの壁面に塗布して形成された下地層と、線状模様の電気回路を形成するように下地層の表面に導電性塗料を塗布して形成された導電層と、下地層と同様の絶縁塗料を導電層及び下地層に塗布して形成されこれらを被覆する保護層とを備えている(特許文献1参照)。このような従来の亀裂検知材では、壁面にひび割れが発生して異常が発生するとこの異常箇所の周辺が剥離して導電層が断線し導電層が非通電状態になるため、センサが導電層の非通電状態を検出して壁面の異常を検出することができる。
【特許文献1】特開2001-201477号公報(段落番号0010~0015及び図2)
また、従来の亀裂検知材(従来技術2)は、加工対象物や試験片に取り付けられる誘電体層と、この誘電体層に亀裂が発生し進展したときに破壊される抵抗層と、この抵抗層の表面に形成されこの抵抗層に電流を流す2つの湾曲状の電極とを備える(特許文献2参照)。このような従来の亀裂検知材では、亀裂の進展方向に対して略均一な感度を有するように電極層が湾曲状に形成されているため、2つの電極間の抵抗値の変化から亀裂の成長を評価することができる。
【特許文献2】特開平11-094787号公報(段落番号0021~0048及び図1)
産業上の利用分野 この発明は、亀裂の発生が予測される監視対象物の表面に形成され、この監視対象物に発生する亀裂を監視する亀裂監視材、並びに亀裂を監視する亀裂監視システムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 亀裂を監視する亀裂監視システムであって、 前記亀裂の進展に応じて電気抵抗が変化する導電層と、この導電層に電流を流す電極層とを有する亀裂検出部を、この亀裂の発生が予測される監視対象物の表面に形成し、この監視対象物に発生した亀裂の位置をこの亀裂検出部によって検出して、この監視対象物に発生する亀裂を監視する亀裂監視材と、 前記導電層の通電状態を測定する通電状態測定部と、 前記通電状態測定部の測定結果に基づいて前記監視対象物に発生する亀裂を評価する評価部とを備え、 前記導電層及び前記電極層は、導電性塗料を塗布して形成されており、 前記導電層は、被固定部材とこの被固定部材を固定する固定部材とが接合する接合部を被覆する前記監視対象物の表面に塗布されており、 前記電極層は、前記導電層の表面に複数行及び複数列形成されており、かつ、各行及び/又は各列に複数個形成されており、 前記評価部は、前記導電層に亀裂が発生したときに、この導電層の通電状態の測定結果に基づいて前記固定部材の緩みを検出すること、 を特徴とする亀裂監視システム。
【請求項2】 請求項1に記載の亀裂監視システムにおいて、 前記評価部は、複数の前記固定部材によって前記被固定部材が固定されているときに、前記導電層の通電状態の測定結果に基づいてこれらの固定部材の緩んだ数を検出すること、 を特徴とする亀裂検出システム。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の亀裂監視システムにおいて、 前記導電層は、前記電極層によって複数の監視領域に区画されており、隣接する前記電極層によって囲まれる領域が一つの監視領域を形成すること、 を特徴とする亀裂監視システム。
【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の亀裂監視システムにおいて、 前記通電状態測定部は、前記電極層によって前記導電層が複数の監視領域に区画されているときに、前記監視領域毎に通電状態を測定し、 前記評価部は、前記監視領域毎の通電状態の測定結果に基づいて亀裂の発生した監視領域を特定すること、 を特徴とする亀裂監視システム。
【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の亀裂監視システムにおいて、 前記通電状態測定部の測定結果を補正する補正部を備え、 前記評価部は、補正後の測定結果に基づいて前記亀裂を評価すること、 を特徴とする亀裂監視システム。
【請求項6】 請求項5に記載の亀裂監視システムにおいて、 前記通電状態測定部は、前記電極層によって前記導電層が複数の監視領域に区画されているときに、前記監視領域毎に通電状態を測定し、 前記補正部は、前記導電部に亀裂が発生したときに、亀裂の発生していない監視領域の通電状態の測定結果に基づいて、亀裂の発生した監視領域の通電状態の測定結果を補正すること、 を特徴とする亀裂監視システム。
産業区分
  • 試験、検査
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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