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微小分析装置及び微少試料の分析方法

国内特許コード P07A011415
掲載日 2007年11月6日
出願番号 特願2006-089429
公開番号 特開2007-259762
登録番号 特許第4660768号
出願日 平成18年3月28日(2006.3.28)
公開日 平成19年10月11日(2007.10.11)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
発明者
  • 鈴木 博章
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 微小分析装置及び微少試料の分析方法
発明の概要

【課題】 酵素活性等を利用して各種の検量を行なう微小分析装置において、測定に際しての試料や基質の取り扱い作業を大幅に軽減し、分析データに高い信頼性を付与できるようにする。
【解決手段】 本発明の微小分析装置は、基板上に微小流路を形成し、該微小流路に臨むように酵素を担持させる酵素担持部とその近傍に凍結乾燥された基質を配置させ、微小流路に試料液を流すことで基質に対応する試料中の酵素活性を分析すること、或いは微小流路に臨むように酵素Aを担持させる酵素A担持部を形成し、該酵素A担持部の近傍の前記微小流路中に凍結乾燥された酵素Bを配置させ、前記微小流路に試料液を流すことで試料液中の酵素Bに対応する基質を分析することを特徴とする。このような本発明の装置では、微小流路内で凍結乾燥された基質または酵素材料の多孔質による毛細管現象との相乗効果が得られ、極めて短い時間での酵素反応による検量も実現される。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


現在、化学センサの分野では、マイクロマシーニングの技術や、フォトリソグラフィーなどの半導体技術を利用して分析システムを微小化、集積化する研究が盛んに行われている。これらは微小化学物質分析システム(Micro Total Analysis System :μTAS)と呼ばれている。μTASの利点としては、装置が小さいため場所をとらずにどこでも測定ができ、検体が微量で済み、迅速な分析が可能であることである。μTASの持つこれらの利点はまさに現在の医療の現場で求められているものであり、医療用としてのμTASの実現に向けた研究の意義は非常に大きい。



ところで、医療診断に必要な測定を患者近傍で行なうベッドサイド診断用の分析(POC(point of care)分析)可能なデバイスの一例として、一対の平板状部材間にキャピラリを形成し、該キャピラリ内に液体状の試薬と試料を流し、その混合液体中の所定成分を分析するチップ型の分析装置(例えば特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。また、肝臓機能の検査に特化した装置としては、チップ上でサンプルと基質を混合し、センシングを行なうGOT、GPT測定用のバイオセンサアレイも知られており(例えば非特許文献1参照。)、このバイオセンサにおいては、サンプルの入り口、混合のためのミアンダ状に引き回される流路、及びガラス基板に形成されたセンサチップからなり、サンプルの入り口からサンプルと基質を流し、センサチップでGOT、GPTの測定を行なう。



このようなGOT、GPT測定が可能なバイオセンサーとしては、基板上にY字状の基質溶液の流路と試料液の流路が合流される微小流路を形成し、その微小流路の合流部に臨んで形成される複数の電極からなる電極系と、前記電極系の中の1つの電極の近傍に配置され所要の酵素を前記合流部で合流した前記基質溶液及び前記試料液と反応させる酵素供給手段とを設け、前記電極系に生ずる電流値によって前記試料液の酵素活性を検量するデバイスも知られている(例えば、特許文献3参照。)。




【特許文献1】特開2001-165939号公報

【特許文献2】特開2000-2677号公報

【特許文献3】特開2005-351882号公報

【非特許文献1】I.Moser, G. Jobst, P Svasek, M Varaham, G Urban "Rapid Liver Enzyme Assay with Miniaturized Liquid Handling System Comprising Thin Film Biosensor Array" Sensors and Actuators B, 1997, vol. 44, 377-380



ところで、肝臓機能の検査項目であるγ-GTP、GOT、GPTは、いずれも同じ反応生成物であるL-グルタミン酸を検出することで測定可能となり、グルタミン酸オキシダーゼを使用した酵素センサーを用いれば、これらγ-GTP、GOT、GPTの3項目を1つの分析システムで検出することができる。詳しくは、



【化学式1】




また、L-グルタミン酸オキシダーゼを用いた反応は次のようであり、L-グルタミン酸を酸化的に脱アミノ化する酵素であって、反応生成物としては過酸化水素やアンモニアが生成される。この過酸化水素によって生ずる酸化電流値を測定することでL-グルタミン酸濃度が測定され、この測定からγ-GTP、GOT、GPTの値も検出可能となる。



【化学式2】


産業上の利用分野


本発明は微量な試料の分析や検出に用いられる微小分析装置及び微少試料の分析方法に関し、特に酵素活性を用いた測定を行なう微小分析装置及び微少試料の分析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に、試料液が注入される注入開口部に接続された微小流路を形成し、該微小流路に臨むように酵素を担持させる酵素担持部を形成し、該酵素担持部の近傍の前記注入開口部に隣接する前記微小流路中に凍結乾燥された基質を含み前記試料液に溶解する多孔質担体を配置させ、前記注入開口部を介して前記微小流路に前記試料液を流すことで測定可能な酵素活性を生じさせ、基質に対応する試料液中の酵素活性を分析する微小分析装置。

【請求項2】
前記酵素担持部には電極が形成され、酵素は該電極の表面若しくは近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載の微小分析装置。

【請求項3】
前記基板上には流路形成層が形成され、前記基板上の前記酵素担持部の周囲で該流路形成層を開口して前記微小流路を形成することを特徴とする請求項1記載の微小分析装置。

【請求項4】
前記担持させる酵素は酸化還元酵素であり、前記試料液中のガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)、グルタミック・オキサロアセテック・トランスアミナーゼ(GOT)、又はグルタミック・ピルビック・トランスアミナーゼ(GPT)のいずれかを分析することを特徴とする請求項1記載の微小分析装置。

【請求項5】
前記基質は、タンパク質及び架橋剤を混ぜた媒体により前記微小流路に臨むように配置されることを特徴とする請求項1記載の微小分析装置。

【請求項6】
試料液が注入される注入開口部に接続された微小流路を形成すると共に該微小流路に臨むように酵素を担持させる酵素担持部を形成する工程と、該酵素担持部の近傍の前記注入開口部に隣接する前記微小流路中に凍結乾燥された基質を含み前記試料液に溶解する多孔質担体を配置させる工程と、前記注入開口部を介して前記微小流路から前記凍結乾燥された基質に試料液を供給する工程とを有し、基質に対する試料液の酵素活性を分析することを特徴とする微小試料の分析方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2006089429thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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