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地震被害推定方法及びその装置、並びにプログラム記録媒体

国内特許コード P07A011643
整理番号 /NO30671
掲載日 2007年11月22日
出願番号 特願2001-127590
公開番号 特開2002-323571
登録番号 特許第4015821号
出願日 平成13年4月25日(2001.4.25)
公開日 平成14年11月8日(2002.11.8)
登録日 平成19年9月21日(2007.9.21)
発明者
  • 室野 剛隆
  • 芦谷 公稔
出願人
  • (財)鉄道総合技術研究所
発明の名称 地震被害推定方法及びその装置、並びにプログラム記録媒体
発明の概要 【課題】 各構造物の耐震性能に応じて地震時構造物被害の程度を個別にきめ細かくかつ簡易に判断し得る地震被害推定方法等を提供する。
【解決手段】 過去の地震動波形が構造物モデルに加えられた場合の構造物被害程度関数曲線をあらかじめ求めておき、実際の地震動波形の卓越周期T1を実際の構造物の降伏加速度aSy1で除算して正規化周期を得るとともに、実際の地震動波形の最大加速度aGM1を実際の構造物の降伏加速度aSy1で除算して正規化加速度を得て、これらを各直交座標とする実際データ点を正規化座標平面上にプロットし、構造物被害程度関数曲線と実際データ点との関係に基づき、実際の地震動波形が実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度を推定する。
従来技術、競合技術の概要 従来、地震が発生した場合に、鉄道や道路等のコンクリート高架橋、橋梁、トンネル等の構造物にどの程度の被害が加わるか(以下、「加害性」という。)については、地盤の地震動の変位、速度、加速度等、振動の一般的な物理的指標を用いて推定しようとする試みが種々検討されてきた。しかし、現在では、これらの指標単独では、地震による構造物の被害(以下、「地震時構造物被害」という。)の程度を明確に評価することは非常に困難である、と考えられている。また、地震動の大きさを表す指標には、震度(計測震度を含む)や、SI(スペクトル強さ:設定された周期範囲での速度応答スペクトルの面積)といった耐震工学的指標があり、これらは地震時構造物被害との相関が高い、と考えられている。けれども、これらの指標は、地震時構造物被害の発生のメカニズムとの関係が明確ではないため、一般的に用いられるには至っていない。このように、地震時構造物被害の推定については、現在まで、信頼できる評価指標がなく、構造物への地震の加害性の判断基準は、もっぱら過去の被災事例等を参考にして専門家等が経験的に推定を行い総合的に判断していた。近年では、耐震設計や耐震補強技術などにより、各構造物の耐震性能は多様化している。このため、地震時構造物被害の程度の推定にあたっても、各構造物の耐震性能に即した個別のきめ細かい判断が求められるようになってきた。
産業上の利用分野 本発明は、地震時の地盤振動波形が構造物に加わった場合の被害程度を推定するための地震被害推定方法、及びこの方法を用いて被害程度を推定して出力する地震被害推定装置に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】降伏点応力に達するときの構造物の振動加速度である降伏加速度aSyと、前記降伏点応力に達するときの振動周期である降伏周期TSyを有する構造物モデルに、振動加速度の最大値である最大加速度aGMと、フーリエ変換により周波数領域に変換した場合に振幅が最大となるときの周期である卓越周期Tを有するモデル地震動波形を入力した場合の前記構造物モデルのモデル応答波形を、n1個の前記構造物モデルとn2個の前記モデル地震動波形について、非線形時刻歴動的解析により算出し、前記算出されたモデル応答波形に基づくモデルデータ点を、前記卓越周期Tを前記降伏周期TSyで除算した正規化周期(T/TSy)を一方の直交座標軸にとるとともに、前記最大加速度aGMを前記降伏加速度aSyで除算した正規化加速度(aGM/aSy)を他方の直交座標軸にとった座標平面である正規化座標平面の上にn3個プロットし、前記モデル地震動波形が加わった場合の前記構造物モデルの応答変位波形の最大振幅をδmaxとし、静的荷重が加えられた場合の前記構造物モデルが静的に降伏するときの変位量をδyとしたとき、δmax/δyで求められる値を応答塑性率μとしたとき、前記正規化座標平面の上にプロットされたn3個のモデルデータ点を、前記応答塑性率μが0<μ<μ1の範囲となる場合、前記応答塑性率μがμ1≦μ<μ2の範囲となる場合、…、前記応答塑性率μがμi-1≦μ<μiの範囲となる場合、のようにi個のグループにグループ分けを行い、1つのグループのモデルデータ点を1つの前記正規化座標平面の上にプロットするようにして各グループごとのグラフを作成し、前記各グループのグラフにおいて、前記モデルデータ点の集合が示す領域の下限輪郭線を描くことにより、その応答塑性率範囲における前記構造物モデルの被害程度を表す関数曲線である構造物被害程度関数曲線を求め、観測された実際の地震動波形の前記最大加速度がaGM1で、かつ前記卓越周期がT1で、被害推定を行う対象となる実際の構造物の前記降伏加速度がaSy1で、かつ前記降伏周期がTSy1の場合に、正規化周期をT1/TSy1により算出するとともに、正規化加速度をaGM1/aSy1により算出し、算出された正規化周期と正規化加速度を各直交座標とした場合の実際データ点を前記正規化座標平面上にプロットし、前記応答塑性率の値ごとに得られた前記構造物被害程度関数曲線と前記実際データ点との関係に基づき、前記実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度を推定することを特徴とする地震被害推定方法。
【請求項2】請求項1記載の地震被害推定方法において、異なる応答塑性率の場合の前記構造物被害程度関数曲線をそれぞれ求め、前記正規化座標平面上に、異なる応答塑性率の場合の前記構造物被害程度関数曲線を同時に表示することにより、構造物被害推定ノモグラムを作成し、前記構造物被害程度関数曲線に対する前記実際データ点の位置関係に応じて、前記実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度を視覚的に推定することを特徴とする地震被害推定方法。
【請求項3】請求項1記載の地震被害推定方法において、前記卓越周期Tは、実際の地震動波形の振動速度の最大値をvGM1としたとき、下式T1=2π×(vGM1/aGM1)により求められることを特徴とする地震被害推定方法。
【請求項4】降伏点応力に達するときの構造物の振動加速度である降伏加速度aSyと、前記降伏点応力に達するときの振動周期である降伏周期TSyを有する構造物モデルに、振動加速度の最大値である最大加速度aGMと、フーリエ変換により周波数領域に変換した場合に振幅が最大となるときの周期である卓越周期Tを有するモデル地震動波形を入力した場合の前記構造物モデルのモデル応答波形を、n1個の前記構造物モデルとn2個の前記モデル地震動波形について、非線形時刻歴動的解析により算出し、前記算出されたモデル応答波形に基づくモデルデータ点を、前記卓越周期Tを前記降伏周期TSyで除算した正規化周期(T/TSy)を一方の直交座標軸にとるとともに、前記最大加速度aGMを前記降伏加速度aSyで除算した正規化加速度(aGM/aSy)を他方の直交座標軸にとった座標平面である正規化座標平面の上にn3個プロットし、前記モデル地震動波形が加わった場合の前記構造物モデルの応答変位波形の最大振幅をδmaxとし、静的荷重が加えられた場合の前記構造物モデルが静的に降伏するときの変位量をδyとしたとき、δmax/δyで求められる値を応答塑性率μとしたとき、前記正規化座標平面の上にプロットされたn3個のモデルデータ点を、前記応答塑性率μがμ1≦μ<μ2の範囲となる場合、…、前記応答塑性率μがμi-1≦μ<μiの範囲となる場合、のようにi個のグループにグループ分けを行い、1つのグループのモデルデータ点を1つの前記正規化座標平面の上にプロットするようにして各グループごとのグラフを作成し、前記各グループのグラフにおいて、前記モデルデータ点の集合が示す領域の下限輪郭線を描くことにより、その応答塑性率範囲における前記構造物モデルの被害程度を表す関数曲線である構造物被害程度関数曲線を求め、前記各構造物被害程度関数曲線のデータ値を記憶する記憶手段と、観測された実際の地震動波形の前記最大加速度がaGM1で、かつ前記卓越周期がT1で、被害推定を行う対象となる実際の構造物の前記降伏加速度がaSy1で、かつ前記降伏周期がTSy1の場合に、正規化周期をT1/TSy1により算出するとともに、正規化加速度をaGM1/aSy1により算出し、算出された正規化周期と正規化加速度を各直交座標とした場合の実際データ点を前記正規化座標平面上にプロットし、前記応答塑性率の値ごとに得られた前記構造物被害程度関数曲線と前記実際データ点との関係に基づき、前記実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度の値を推定して出力する演算推定手段を備えることを特徴とする地震被害推定装置。
【請求項5】請求項4記載の地震被害推定装置において、前記演算推定手段は、異なる応答塑性率の場合の前記構造物被害程度関数曲線をそれぞれ求め、前記正規化座標平面上に、異なる応答塑性率の場合の前記構造物被害程度関数曲線を同時に表示することにより、構造物被害推定ノモグラムを作成し、前記構造物被害程度関数曲線に対する前記実際データ点の位置関係に応じて補間を行い、前記実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度の推定値を出力することを特徴とする地震被害推定装置。
【請求項6】請求項4記載の地震被害推定装置において、前記実際の構造物の前記降伏加速度aSy1及び前記降伏周期TSy1は、あらかじめデータベースとして前記記憶手段に格納されており、前記観測された実際の地震動波形又は前記観測された実際の地震動波形から抽出されたデータは、地震発生箇所から前記演算推定手段の設置箇所まで通信回線によって送られた後に前記演算推定手段に入力され、前記演算推定手段は、前記観測された実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度の推定値をリアルタイムで出力することを特徴とする地震被害推定装置。
【請求項7】データを入力するための入力手段と、データを格納するデータ格納手段と、データを処理するとともに各手段を制御する主制御手段と、前記入力手段に入力されたデータ又は前記主制御手段が処理したデータを一時的に記憶する一時記憶手段と前記主制御手段が処理したデータを出力する出力手段を備えたコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能なプログラム記録媒体であって、前記プログラムは、地震動波形が構造物に加わった場合の構造物被害程度を推定する地震被害推定方法を実施するものであり、前記地震被害推定方法は、降伏点応力に達するときの構造物の振動加速度である降伏加速度aSyと、前記降伏点応力に達するときの振動周期である降伏周期TSyを有する構造物モデルに、振動加速度の最大値である最大加速度aGMと、フーリエ変換により周波数領域に変換した場合に振幅が最大となるときの周期である卓越周期Tを有するモデル地震動波形を入力した場合の前記構造物モデルのモデル応答波形を、n1個の前記構造物モデルとn2個の前記地震動波形について、前記主制御手段が、非線形時刻歴動的解析により算出し、前記算出されたモデル応答波形に基づくモデルデータ点を、前記卓越周期Tを前記降伏周期TSyで除算した正規化周期(T/TSy)を一方の直交座標軸にとるとともに、前記最大加速度aGMを前記降伏加速度aSyで除算した正規化加速度(aGM/aSy)を他方の直交座標軸にとった座標平面である正規化座標平面の上に、前記主制御手段が、n3個プロットし、前記モデル地震動波形が加わった場合の前記構造物モデルの応答変位波形の最大振幅をδmaxとし、静的荷重が加えられた場合の前記構造物モデルが静的に降伏するときの変位量をδyとしたとき、δmax/δyで求められる値を応答塑性率μとしたとき、前記正規化座標平面の上にプロットされたn3個のモデルデータ点を、前記応答塑性率μがμ1<μ<μ2の範囲となる場合、…、前記応答塑性率μがμi-1<μ<μiの範囲となる場合、のように、前記主制御手段が、i個のグループにグループ分けを行い、1つのグループのモデルデータ点を1つの前記正規化座標平面の上にプロットするようにして各グループごとのグラフを作成し、前記各グループのグラフにおいて、前記モデルデータ点の集合が示す領域の下限輪郭線を描くことにより、その応答塑性率範囲における前記構造物モデルの被害程度を表す関数曲線である構造物被害程度関数曲線を前記主制御手段が求め、観測された実際の地震動波形の前記最大加速度がaGM1で、かつ前記卓越周期がT1で、被害推定を行う対象となる実際の構造物の前記降伏加速度がaSy1で、かつ前記降伏周期がTSy1の場合に、正規化周期をT1/TSy1により算出するとともに、正規化加速度をaGM1/aSy1により算出し、算出された正規化周期と正規化加速度を各直交座標とした場合の実際データ点を前記正規化座標平面上に前記主制御手段がプロットし、前記応答塑性率の値ごとに得られた前記構造物被害程度関数曲線と前記実際データ点との関係に基づき、前記実際の地震動波形が前記実際の構造物に加わった場合の構造物被害程度を前記主制御手段が推定することを特徴とするプログラム記録媒体。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 権利存続中
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