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トンネル構造体、トンネル構造体の損傷診断方法、損傷検出材、トンネルの建設方法およびトンネルの補修方法 UPDATE

国内特許コード P07A011714
整理番号 /NO33224
掲載日 2007年11月22日
出願番号 特願2001-339900
公開番号 特開2003-138892
登録番号 特許第3905354号
出願日 平成13年11月5日(2001.11.5)
公開日 平成15年5月14日(2003.5.14)
登録日 平成19年1月19日(2007.1.19)
発明者
  • 松原 秀彰
  • 奥原 芳樹
  • 石田 積
  • 岩崎 昌浩
  • 小西 真治
  • 柳田 博明
出願人
  • 一般財団法人ファインセラミックスセンター
  • 電気化学工業株式会社
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 トンネル構造体、トンネル構造体の損傷診断方法、損傷検出材、トンネルの建設方法およびトンネルの補修方法 UPDATE
発明の概要 【課題】トンネル構造体などにおける劣化や損傷等の健全性を診断する技術を提供する。
【解決手段】導電性粒子8,28の連続的な接触形態を有する導電経路4,24を備えるトンネル構造体とする。この導電経路4,24によれば、トンネル構造体における損傷・劣化の早期検出、損傷部位特定、損傷履歴の記憶などに有効であり、トンネル構造体の健全性診断システムとして適用できる。
従来技術、競合技術の概要


近年、鉄道や道路のトンネル構造体におけるコンクリート部材の急速な劣化が顕在化し、コンクリート崩落事故等の社会的な問題が勃発している。このような状況下、コンクリートにおける損傷、破壊、劣化を診断する健全性モニタリング技術が注目されている。
現在まで、トンネル構造体の健全性診断に用いられている技術はシユミットハンマー法と呼ばれる人間の経験に依存した打音検査法であるが、この技術は検査に要する時間・費用が膨大となるだけでなく客観性に乏しいという問題を抱えている。



これに対し、一般的な健全性診断システムとしては、金属泊ゲージ、光ファイバー、炭素繊維型FRP(Fiber Reinforced Plastics)、炭素粒子分散型FRPなどが知られている。
汎用品である金属箔歪ゲージは、ポイント型のセンサであって、構造物全体の健全性診断には多数のゲージが必要となること、長期安定性に乏しいことなどの理由から長期的な診断期間を要する構造体には適していない。
種々の光フアイバーによる健全性診断システムは、設置の難しさ、耐久性の問題、高コスト、計測時間の問題などにより、実構造物への適用には解決すべき課題が多い。
炭素繊維型FRPでは、補強機能を有するものの最低歪み検出限界、歪み感度が不十分である。炭素粒子分散型では、最低歪み検出限界、歪み感度、コストパフォーマンスに優れるという利点がある。炭素粒子分散型FRPについては、特開平9-100356号公報および特開2001-41774号公報に記載されている。なお、これらはいずれも本出願人による関連出願である。



しかしながら、トンネル構造体は、基本的にアーチ構造を有しており、そのような構造体においては、アーチ方向に沿って生じる荷重負荷およびアーチの上方や側方からの荷重が負荷されることなどを始めとして各種の応力が発生することが予測される。したがって、トンネル構造体は、一般的な構築物を構成する柱や壁面などの躯体とは異なる特殊な歪み発生環境にある。
トンネル構造体は、その用途から、通常は、列車通過等による振動や空気圧変動、激しい温度変化などに常に曝されていること、そして、多くの場合、地山の緩みなどの影響を大きく受けるといった、他の構築物とは異なる劣化環境に曝されている。
また、トンネル構造体は、長期にわたって健全性の確保が要求される構造体であり、また、安全性確保の観点から、小さい歪みから大きい歪みまで幅広い範囲で歪みを検知することが要求される。
さらに、トンネル構造体において発生した損傷や破壊部分を早期にかつ高精度で検出するとともに、具体的な補修作業を考慮した場合には、構造体の大きさゆえに損傷箇所の特定が必要であるという特徴を有する。したがって、広範囲なモニタリングが要求される。
さらに、損傷部位には、例えば地震などの災害時に高い応力・ひずみが作用してひび割れが開口し、その災害が沈静化した後にはそのひび割れが閉じてしまうものも想定される。このような損傷に対して、これらの健全性診断システムによりそのひび割れの開閉の履歴を調べるためには常時モニタリングが前提となる。ただし、炭素繊維型FRPおよび炭素粒子分散型FRPに関しては、このひび割れの開閉の履歴を記憶でき、必ずしも常時モニタリングを必要としない可能性がある。



上記各種の健全性診断システムのいずれが機能的にトンネル構造体に有効であるかということは現在確認されていない。また、上記したようにトンネル構造体における健全性診断の特殊性を鑑みると、いずれの健全性診断システムが使用できるか否かを判断することも極めて困難である。
また、損傷履歴を調べるための常時モニタリングは全ての計測箇所へのセンサデバイスおよび計測装置の設置を必要とし、コスト面や作業効率の面から非現実的な手法であり、健全性診断システムの実用化を遅らせている要因の一つとなっている。



一方、トンネル構造物をより長く安全に使用するために、構成するコンクリート部材における各種の補強技術が開発されており、新設構造物に対してはコンクリート打設時に金属や高分子の短繊維を混入させる手法がある。既設構造物に対しては、例えばコンクリート表面にひび割れが発生および進展した場合には、そのひび割れ箇所の樹脂封入やコンクリート表面への鉄鋼板貼付による固定などの技術が採用されている。これらの技術は基本的に補強効果のみをもたらすものであるが、この補強効果と上記の健全性モニタリング機能を同一の材料システムで達成できれば、健全性をチェックしながら損傷を抑制することができる理想的な安全構造システムを構築することができる。また、この機能の融合は安全性の向上だけでなくコストの低減などの効果をもたらすものと期待できる。上記の金属箔歪ゲージや光ファイバーを構造体に適用した場合、それによる補強効果は見込めない。これに対して、炭素繊維型FRPおよび炭素粒子分散型FRPは、コンクリート補強筋として実用化されているFRPという基本構造を有していることから補強効果が期待できる。

産業上の利用分野


本願発明は、トンネル構造体における劣化や変形を検出する技術に関し、詳しくは、圧縮、引張りなどの荷重の変化を導電率等の変化により検出することのできる破壊検知材をトンネル構造体に備えることにより、トンネル構造体における劣化・変形などを検出する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性粒子の連続的な接触形態を有する導電経路を有するトンネル構造体であって、
前記導電経路は、長繊維強化プラスチック材の絶縁性のマトリックス中において、コンクリート補強作用を有する繊維に沿って備えられた導電性粒子によって構成されておりており、
複数の前記マトリックスを三次元状に配設することで、前記トンネル構造体のアーチ方向および長手方向に沿った三次元状の前記導電経路を備えるトンネル構造体。

【請求項2】
請求項1に記載のトンネル構造体に備えられる前記導電経路に生じる電気抵抗の変化から、トンネル構造体の損傷を検出する、トンネル構造体の損傷診断方法。

【請求項3】
請求項1に記載のトンネル構造体に備えられる前記導電経路に生じる電気抵抗の変化から、トンネル構造体における損傷の履歴を検出する、トンネル構造体の損傷診断方法。

【請求項4】
外部から変形を受けると電気抵抗が変化する、導電性粒子の連続的な接触形態を有する導電経路と、この導電経路を保持し、外力によって変形可能なマトリックスとを備え、
前記マトリックスは、検知しようとする構造体の変形量あるいは荷重の範囲内で、かつ設置しようとする構造体の三次元状に倣うような弾性変形あるいは塑性変形可能であり、
前記導電経路の電気抵抗が定常状態から低下することより圧縮変形による損傷を、前記導電経路の電気抵抗の増加により引張変形による損傷を、それぞれ検出するトンネル構造体用の損傷検出材。

【請求項5】
前記マトリックスは、絶縁性のプラスチックである請求項に記載のトンネル構造体用の損傷検出材。

【請求項6】
前記マトリックスは、絶縁性の繊維で強化されている請求項に記載のトンネル構造体用の損傷検出材。

【請求項7】
前記導電経路は、前記マトリックス中の繊維に沿って備えられる請求項6に記載のトンネル構造体用の損傷検出材。

【請求項8】
トンネルの建設方法であって、トンネルを建設する工程において、請求項4~7のいずれかに記載の損傷検出材を、履工コンクリートの一部に設置する、方法。

【請求項9】
トンネルの建設方法であって、トンネルを建設する工程において、請求項4~7のいずれかに記載の損傷検出材を、吹付けコンクリートの一部に設置する、方法。

【請求項10】
トンネルの補修方法であって、履工コンクリートの補修工程において、請求項4~7のいずれかに記載の損傷検出材を履工コンクリートの一部に設置する、方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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