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スペクトラム拡散通信波受信装置及び方法

国内特許コード P07A011731
整理番号 2036
掲載日 2007年11月16日
出願番号 特願2000-385367
公開番号 特開2002-185369
登録番号 特許第3710122号
出願日 平成12年12月19日(2000.12.19)
公開日 平成14年6月28日(2002.6.28)
登録日 平成17年8月19日(2005.8.19)
発明者
  • 上家 和幸
  • 小林 雅志
  • 石井 寛之
出願人
  • 防衛装備庁長官
  • 日本電気株式会社
発明の名称 スペクトラム拡散通信波受信装置及び方法
発明の概要 【課題】 周波数ホッピング波を受信する場合、複数の局部発振器を必要とせず、装置の小型簡略化を図るを提供することである。
【解決手段】 受信した周波数ホッピング波をサンプリングすることで、サンプリングにより生ずる折り返し効果を利用し、受信信号のコピーを周波数軸上に生成させ、その信号より受信周波数に対応した信号のみを抽出することで逆拡散処理を実現する。
従来技術、競合技術の概要


従来、周波数ホッピング通信波受信装置において、通信波復調のためには、拡散符号を受信側が有するとともに、同期捕捉回路および同期追跡回路にて同期処理を行う必要があった。例えば、特開平10-163926には、周波数ホッピング波同期追跡方式として、逆拡散のための局部発振周波数のホッピングパターンの位相を2乗処理、マルチプレクサ、加算、ラッチ、位相制御による相関検出部を設けることで実現する技術が記載されている。



図7は、山内雪路著「スペクトラム拡散通信」1994年11月20日東京電機大学出版局発行、第118項~第122項に示された、従来の周波数ホッピング通信波を受信・復調するための回路の一例を示すブロック図である。



上記した従来の技術の構成について図7を参照して説明する。図7において、受信空中線101は、実空間より周波数ホッピング通信波を受信する。高周波増幅器102は、受信信号を内部で処理するのに必要なところまで増幅する。周波数変換器103は、周波数シンセサイザ104の発振周波数の信号と、受信FH通信波とを乗算処理し、周波数変換処理を行う。周波数シンセサイザ104は、高速に発振周波数が可変可能な信号発生器である。符号変調器105は、周波数の拡散符号(ホッピングパターン)が記憶され、これに基づき、周波数シンセサイザ104より信号を発生させる。



同期捕捉回路は、狭帯域のBPF(バンドパスフィルタ)106と、その出力の包絡線を検出する包絡線検出器107と、その出力を一定時間積分する積分器108と、積分の結果、同期捕捉が完了したかをスレッショルドレベルにより判定するスレッショルド判定器109と、同期捕捉が出来なかった場合、逆拡散の為の信号発生位相を変化させる発生位相制御器110によりなる。同期追跡回路は、FH通信波の同期確立状態を維持するための回路であり、同期追跡状態を確認するためのクロックを発生するVCO(Voltage Control Oscillator)111と、周波数変換器112と、LPF(Low Pass Filter)113よりなる。復調回路114は逆拡散処理後の1次変調波信号を復調処理するための回路である。



次に動作について、図7を参照して説明する。受信空中線101より受信されたFH通信波は、高周波増幅器102にて受信された微弱な信号を、内部処理に必要なまで増幅する。増幅された信号は、周波数変換器103にて符号変調器105の拡散符号に基づき、周波数シンセサイザ104より発振された信号と乗算されることで、逆拡散処理が行われる。同期不確立な場合、すなわち、周波数シンセサイザの発振信号と、受信信号の位相が一致していない場合、BPF106を通過し、包絡線検出器107により検出される信号は、雑音だけがごくたまに受信信号として検出される。



そこで、復調に際し、同期捕捉が第一に必要であり、スレッショルド判定器109で一定レベル以上の信号が検出されるまで、発生位相制御器110より、符号変調器105からの周波数発生位相をずらし、スレッショルド判定器109の出力が連続して検出されるまで検索を行うことにより同期捕捉を実現する。同期捕捉後、復調処理を安定して行うために、同期追跡が実施される。図7ではVCO111からクロック信号を出力し、周波数変換器112にて同期捕捉後の信号と乗算処理を行い、LPF113の出力を検出することで、その出力の同期はずれ状態を検出する。検出結果は、VCO111にフィードバックされ、その出力がゼロとなるようにVCO111にて符号変調器105からの周波数発生位相制御することで同期追跡を行う。このように従来の技術では、FH通信波の復調処理には、同期捕捉、追跡処理が必要であった。



一方、同期捕捉回路及び同期追跡回路を必要としない周波数ホッピング波用非同期受信方法としては、周波数ホッピング波のホッピング周波数に対応した複数の発振周波数を同時に出力することで、ホッピング周波数のパターンを知らずに逆拡散を行う手法が考えられる。図8を参照して、同期捕捉回路及び同期追跡回路を必要としない周波数ホッピング波用非同期受信方法を実現する装置の構成について説明する。図8にて、101は受信空中線、102は高周波増幅器、103は周波数変換器、104aからeまでは個々の送受信周波数(ホッピング周波数)に対応した局部周波数(f1~f5)を発振する局部発振器(単一周波数)である。115は中間周波フィルタ、114は復調回路である。



次に図9にて、その動作について説明する。送信側より任意のパターンで発振された周波数の信号(図では、f1r、f2r、f3r、f4r、f5r)が空中線101で受信される。局部発振器104からは、送信された全ての周波数パターンに対応した全ての局部発振周波数が合成された信号が、周波数変換器に入力され、周波数変換器103からは、ホッピング周波数に依存せず、中間周波フィルタ115を見通した復調出力が得られる。この動作をより詳細に説明すると、送信周波数f1rが受信された期間は、送信周波数f1rに対応する復調出力f1dが出力され、送信周波数f3rが受信された期間は、送信周波数f3rに対応する復調出力f3dが出力される。送信周波数f2r、f4r、f5rについても同様である。復調出力f1d,f2d,f3d,f4d,f5dは、全て同一周波数(fIF)である。すなわち、送信側でばらばらの周波数で送信された送信周波数(f1r~f5r)は全て同一の周波数に逆拡散される。これにより、送信側の情報を再生できる。しかもこの受信機では、局部発振周波数を切り替えていないので、理想となる送信側の周波数シーケンス、及びその変化タイミングが不正確であっても非同期で受信可能であるが、逆拡散には、複数の局部発振器を対象とする周波数ホッピング周波数の数を、並列に接続する必要があった。

産業上の利用分野


本発明は、周波数ホッピング(FH)通信波受信装置に関し、特に拡散符号が未知のFH通信波を復調処理する手法と、復調処理において、装置の小型化・軽量化を実現する手段と、同期捕捉処理及び同期追跡処理を不要とするための手法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
受信空中線により、実空間の周波数ホッピング(FH)通信波を受信する受信手段と、
FH通信波周波数チャネル間隔に基づき、入力信号のサンプリングを行い、拡散された前記FH通信波を逆拡散する逆拡散処理手段と、
その逆拡散処理された信号より、復調対象信号帯域の信号を抽出する信号抽出手段と、
この抽出された信号を復調する復調手段と、
前記逆拡散処理手段に入力する信号の周波数をシフトさせ、受信した周波数ホッピング通信波の周波数と、前記復調手段の同調周波数及び信号抽出手段の出力周波数とにオフセットが生じていた場合に、前記可変局部発振器からオフセット周波数の信号を入力することで前記オフセットを解消するための周波数変換器及び可変局部発振器
を有することを特徴とするスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項2】
前記逆拡散処理手段にて逆拡散処理された受信信号をディジタル信号からアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換回路を前記信号抽出手段の入力側に設けたことを特徴とする請求項1記載のスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項3】
前記逆拡散処理手段として、受信した信号をディジタル信号へと変換するサンプリング回路を用い、受信信号周波数より低い拡散チャネル間隔周波数でサンプリングがなされ、送信側で任意のパターンの周波数で発振した周波数ホッピング通信波が、受信機側で全て同じ周波数につなぎ合わされ、送信側の情報が復調されることを特徴とする請求項1又は2記載のスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項4】
信号抽出手段として帯域制限フィルタを用い、復調しようとする周波数の信号以外に生じた不要信号(他の周波数の折り返し信号)を除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項5】
受信空中線により、実空間の周波数ホッピング(FH)通信波を受信する受信手段と、
FH通信波周波数チャネル間隔に基づき、入力信号のサンプリングを行い、拡散された前記FH通信波を逆拡散する逆拡散処理手段と、
この逆拡散処理された受信信号から復調対象信号帯域の信号を抽出し、この抽出された信号を復調するDSP(Digital Signal Processor)と、
復調信号をディジタル信号からアナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換回路と、
前記逆拡散処理手段に入力する信号の周波数をシフトさせ、受信した周波数ホッピング通信波の周波数と、前記復調手段の同調周波数及び信号抽出手段の出力周波数とにオフセットが生じていた場合に、前記可変局部発振器からオフセット周波数の信号を入力することで前記オフセットを解消するための周波数変換器及び可変局部発振器
を有することを特徴とするスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項6】
前記逆拡散処理手段として、受信した信号をディジタル信号へと変換するサンプリング回路を用い、受信信号周波数より低い拡散チャネル間隔周波数でサンプリングがなされ、送信側で任意のパターンの周波数で発振した周波数ホッピング通信波が、受信機側で全て同じ周波数につなぎ合わされ、送信側の情報が復調されることを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項7】
前記サンプリング回路の入力側に外部可変クロック回路を設け、該外部可変クロック回路のクロック周波数を変更することにより、対象とする周波数ホッピング波の拡散チャネル間隔周波数が異なる通信波に対しても逆拡散処理を可能とすることを特徴とする請求項2記載のスペクトラム拡散通信波受信装置。

【請求項8】
送信側より拡散チャネル間隔上の任意の周波数で送信された周波数ホッピング波を受信手段で受信すると共に、サンプリング手段に入力する信号の周波数をシフトさせるために、前記サンプリング回路の入力側に設けられた周波数変換器と可変局部発振器によって、受信した周波数ホッピング通信波の周波数と、前記復調手段の同調周波数及び信号抽出手段の出力周波数とにオフセットが生じていた場合に、前記可変局部発振器からオフセット周波数の信号を周波数変換器に入力することで前記オフセットを解消し
オフセット解消後の受信信号を高周波増幅手段により増幅し、
この増幅された受信信号をサンプリング手段にて受信信号周波数より低い拡散チャネル間隔周波数でサンプリングして逆拡散処理を施し、
この逆拡散処理された受信信号を帯域制限フィルタで不要な信号成分を除去して、復調対象信号帯域の信号を抽出し、
この抽出された信号を復調手段にて復調する
ことを特徴とするスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項9】
前記サンプリング手段にて逆拡散処理された受信信号を、ディジタル/アナログ変換回路にてディジタル信号からアナログ信号に変換することを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項10】
前記サンプリング手段を用い、受信信号周波数より低い拡散チャネル間隔周波数でサンプリングを行い、送信側で任意のパターンの周波数で発振した周波数ホッピング通信波を、受信機側で全て同じ周波数につなぎ合わせ、送信側の情報を復調することを特徴とする請求項8又は9記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項11】
受信空中線により、実空間の周波数ホッピング(FH)通信波を受信すると共に、サンプリング手段に入力する信号の周波数をシフトさせるために、前記サンプリング回路の入力側に設けられた周波数変換器と可変局部発振器によって、受信した周波数ホッピング通信波の周波数と、前記復調手段の同調周波数及び信号抽出手段の出力周波数とにオフセットが生じていた場合に、前記可変局部発振器からオフセット周波数の信号を周波数変換器に入力することで前記オフセットを解消し
オフセット解消後の受信信号を逆拡散処理手段にて、FH通信波周波数チャネル間隔に基づき、入力信号のサンプリングを行い、
拡散された前記FH通信波を逆拡散し、
DSP(Digital Signal Processor)にて、前記逆拡散処理された受信信号から復調対象信号帯域の信号を抽出して、この抽出された信号を復調し、
ディジタル/アナログ変換回路にて、復調信号をディジタル信号からアナログ信号に変換する
ことを特徴とするスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項12】
前記サンプリング回路にて、受信信号周波数より低い拡散チャネル間隔周波数でサンプリングを行い、送信側で任意のパターンの周波数で発振した周波数ホッピング通信波を、受信機側で全て同じ周波数につなぎ合わせ、送信側の情報を復調することを特徴とする請求項11記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項13】
前記サンプリング回路の入力側に設けられた外部可変クロック回路にて、該外部可変クロック回路のクロック周波数を変更することにより、対象とする周波数ホッピング波の拡散チャネル間隔周波数が異なる通信波に対しても逆拡散処理を可能とすることを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項14】
拡散符号が未知のFH通信波に対しても、入力信号をサンプリング処理することにより逆拡散が可能であることを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項15】
逆拡散処理を、入力信号の周波数よりもアンダーサンプリング手法により、信号の折り返しを利用して実現することを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項16】
FH通信波の受信、復調処理において、同期捕捉及び同期追跡処理を必要としないことを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項17】
FH通信波の受信、復調処理において、高速周波数シンセサイザ、及びFH通信波拡散符号を必要としないことを特徴とする請求項記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。

【請求項18】
FH通信波受信装置の装置構成を簡略化するととともに、小型・軽量化を実現できることを特徴とする請求項15記載のスペクトラム拡散通信波受信方法。
国際特許分類(IPC)
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