TOP > 国内特許検索 > 高性能活性炭およびその製造方法

高性能活性炭およびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P07A011756
掲載日 2007年11月16日
出願番号 特願2006-117411
公開番号 特開2007-290878
登録番号 特許第4035622号
出願日 平成18年4月21日(2006.4.21)
公開日 平成19年11月8日(2007.11.8)
登録日 平成19年11月9日(2007.11.9)
発明者
  • 小島 昭
出願人
  • 国立高等専門学校機構
発明の名称 高性能活性炭およびその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】繭を用い、板状、筒状、棒状のほか、活性炭の使用形態に合わせて任意の形状に加工することができる、高比表面積をもつ高性能活性炭等を提供する。
【解決手段】本発明の高性能活性炭は、繭を炭化処理した炭化材料からなり、比表面積が3000m/g超えであることを特徴とする。本発明の高性能活性炭の製造方法は、繭を300~400℃の低温域内の所定温度に加熱して炭化する低温炭化工程と、該低温炭化工程で炭化した繭の少なくとも表面に、塩基性水溶液を染み込ませた後、750~850℃の高温域にある所定温度に加熱して炭化する賦活・高温炭化工程とを具えることを特徴とする。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】活性炭は、高い表面積をもつ炭素材料である。木材、ヤシ殻、石炭などを原料として作られ、様々な分野で使用されている。液相用活性炭は、浄水、排水処理、脱色・精製、醸造などに、気相用活性炭は、空気浄化、脱臭用、空気中の窒素分離、ガス分離、溶剤回収、排ガス処理などに使用されている。その他にも、活性炭は、触媒、使い捨てカイロなどにも用いられている。最近、活性炭の新用途として、VOC規制への対応品、ダイオキシン類、環境ホルモンおよび地下汚染物質の除去、エネルギー分野では電気二重層キャパシタなどにも使われている。活性炭は、環境からハイテク分野まで幅広く使用されることから、要求は、年々厳しくなっており、新しい機能を持った活性炭の登場が期待されている。活性炭は、様々な炭素を含む物質を原料にして製造されている。高性能の活性炭をつくるには、比表面積を高めることと、精密な細孔分布を持つことである。市販活性炭の比表面積は、一般的には500~1000m/gである。特に、3000m/gの高比表面積をもつ活性炭は、スーパー活性炭と呼ばれている。また、活性炭の細孔は、主に3種類に大別される。すなわち、2nm以下の微細孔であるミクロ孔、2~50nmの細孔であるメソ孔、50nm以上の孔であるマクロ孔である。これら孔の制御を明確にし、高表面積をもつ、より精度の高い、活性炭の開発が強く望まれている。原料の有機物の化学構造をナノサイズで制御することができれば、活性炭の微細孔も、ナノスケールで制御できるものと思われる。そこで、本発明者は、原料物質として炭素、水素および窒素を構成原子とする繭に注目した。繭は、2種類のタンパク質(セリシンとフィブロイン)から構成され、窒素原子や水素原子を含む。この窒素原子や水素原子は、外部からのエネルギーを受けることによって化学結合が切断され、低分子化合物となり、炭素を主体とした、いわゆる炭化繭とすることができる。繭を構成する絹タンパク中の窒素を完全に除去することや、一部残留させることは、炭化条件の調節で可能である。繭の炭化条件は、炭化処理温度、処理時間、昇温速度、雰囲気ガスなどである。繭は、セリシンを溶解していない生糸であることから、水酸基を含むセリン、カルボキシル基を含むグルタミン酸、アスパラギン酸、アミノ基を含むリジン、ヒスチジン、アルギニン等の高活性アミノ酸が30%存在する。これらのアミノ酸を含むことで、高い表面積をもつ活性炭となることが予測できる。同時に、原子サイズの大きさをもつ、微細孔の構築も可能となる。繭を炭にする文献は少なく、本発明者は、特許文献1において、廃棄繭を電気炉あるいは電子レンジで加熱することで、炭化繭をつくり、シックハウス症候群の原因物質と言われるアンモニア、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、メルカプタン、酢酸およびイソ吉草酸などの生活臭や、不快感を引き起こすガスを吸着する性能を備えた炭化繭の製造方法を提案した。しかしながら、特許文献1には、活性炭を高比表面積にするための技術については開示していない。また、繭ではなく、セリシンを除いた生糸を炭にする技術としては、例えば、特許文献2に、精練絹糸を無酸素状態で炭化し電磁波シールド材を提供する方法が記載されている。特許文献3には、絹織物で作られた布材を真空中で加熱し炭化させた絹繊維の炭化物からなる電磁波シールド材が記載されている。特許文献4には、屑繭や絹屑を炭化処理し、1000~2300℃で焼成して電磁波シールド用の炭化物の製造方法が記載されている。特許文献5には、廃棄された絹製品や屑絹を230~350℃で加熱炭化して微細な炭化処理粉末があるが、比表面積に関しては記載されていない。特許文献6には、絹素材を炭素化し、超微粒子化し、人体外皮用塗布材料として利用することが記載されている。特許文献7には、蚕クリームを製造するために、繭からの精製生糸を薫蒸炭化する方法がある。さらに、絹を素材として作った織物を炭化し、電磁波遮蔽性をもつシルクカーボン布や、シルクカーボンにカーボンナノチューブを結合させたハイブリット複合材も知られている。特許文献8には、絹素材を不活性雰囲気中で600℃~2000℃にて炭素化し、粒子径3~90μmに超微粒子化し、人体外皮用塗布材料や濾過剤として利用する方法が記載されている。特許文献9には、絹の表面に均一に金属粒子を担持させた炭素材の製造が記載されているが、活性炭としての機能は追求していない。特許文献10には、絹粉末を炭化した活性炭の製造方法が記載されている。しかしながら、上記特許文献はいずれも、繭を原料にして、比表面積が3000m/gであるスーパー活性炭はもとより、比表面積が3000m/gを超える新たな活性炭を作る試みはない。
【特許文献1】特開2005-273077号公報
【特許文献2】特開2002-76686号公報
【特許文献3】特開2002-220745号公報
【特許文献4】特開2002-363572号公報
【特許文献5】特開平10-266010号公報
【特許文献6】特開平8-59219号公報
【特許文献7】特開平7-330621号公報
【特許文献8】特許第2950729号公報
【特許文献9】特開2005-139586号公報
【特許文献10】特開平11-217210号公報
産業上の利用分野 この発明は、繭を用い、板状、筒状、棒状のほか、活性炭の使用形態に合わせて任意の形状に加工することができる、高比表面積をもつ高性能活性炭およびその製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】繭糸を相互に絡み合わせて所定形状に形成された繭を、炭化処理により形状凍結したバインダ非含有炭化材料からなり、比表面積が5000m/g以上であることを特徴とする高性能活性炭。
【請求項2】炭化材料は、活性炭の使用形態に合わせた、板状、筒状および棒状のいずれかのバルク形状を有する請求項1記載の高性能活性炭。
【請求項3】繭を300~400℃の低温域内の所定温度に加熱して炭化する低温炭化工程と、該低温炭化工程で炭化した繭の少なくとも表面に、塩基性水溶液を染み込ませた後、750~850℃の高温域にある所定温度に120.8~160℃/hの昇温速度で加熱して炭化する賦活・高温炭化工程と、該高温炭化工程後に行う酸洗浄工程とを具え、比表面積が3250m/g超えである高性能活性炭を製造することを特徴とする高性能活性炭の製造方法。
【請求項4】前記繭は、吐糸する複数匹の蚕を平板上に置き、これらの蚕が平板上で任意の方向に吐糸しながら移動することで、これらの繭糸が相互に絡み合いながら形成される平面状繭である請求項3記載の高性能活性炭の製造方法。
【請求項5】前記繭は、吐糸する複数匹の蚕を平板上に置き、これらの蚕が平板上で任意の方向に吐糸しながら移動することで、これらの糸が相互に絡み合いながら形成される平面状繭の複数枚を積層した後、180~250℃の温度で加熱プレスすることにより形成される平板状繭である請求項3記載の高性能活性炭の製造方法。
【請求項6】平面状繭または平板状繭は、活性炭の使用形態に合わせた形状に加工された後、その加工された形状のまま、低温炭化工程で炭化されて凍結形状を得る請求項4または5記載の高性能活性炭の製造方法。
【請求項7】前記塩基性水溶液は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液である請求項3~6のいずれか1項記載の高性能活性炭の製造方法。
【請求項8】前記高温炭化工程は、所定温度での保持時間が0.5~2時間である請求項3~7のいずれか1項記載の高性能活性炭の製造方法。
【請求項9】前記酸洗浄工程で用いる酸は、塩酸、硫酸または酢酸の水溶液である請求項3~8のいずれか1項記載の高性能活性炭の製造方法。
産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close