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核酸導入方法 コモンズ

国内特許コード P07S000044
整理番号 440
掲載日 2007年11月22日
出願番号 特願2005-514533
登録番号 特許第4534043号
出願日 平成16年8月20日(2004.8.20)
登録日 平成22年6月25日(2010.6.25)
国際出願番号 JP2004012004
国際公開番号 WO2005035755
国際出願日 平成16年8月20日(2004.8.20)
国際公開日 平成17年4月21日(2005.4.21)
優先権データ
  • 特願2003-349343 (2003.10.8) JP
発明者
  • 岩田 博夫
  • 加藤 功一
  • 山内 文生
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 核酸導入方法 コモンズ
発明の概要

エレクトロポレーション法により細胞に核酸を導入する方法であって、(A)電極の表面に核酸を担持させる工程;(B)得られた核酸担持電極の表面に細胞を接着させる工程;および(C)接着した細胞に電気パルスを印加する工程、からなる方法。本方法により、接着性細胞に障害を与えることなく、遺伝子を効率よく細胞に導入できるとともに、望ましい時期に望ましい位置で遺伝子を導入できる。

従来技術、競合技術の概要


細胞への遺伝子導入方法は、遺伝子の機能や遺伝子にコードされているタンパク質の性質を解明したり、組み換えタンパク質を多量に生産する場合に利用されている。また、細胞への遺伝子導入法は、目的の酵素やサイトカインの遺伝子を患者の細胞内に導入し、その遺伝子により体内に目的とする物質を生産させて疾患の治療を行う場合にも利用されている。



ヒトゲノムのDNA塩基配列の解読がほぼ終了し多くの機能未知の遺伝子の存在が予測され、今後、これらの新規ヒト遺伝子の機能解析が研究の大きなターゲットとなるが、数万種類に及ぶ遺伝子の機能解析を行うには、網羅的かつ高速に遺伝子の過剰発現やノックアウトできる手法が必要である。



細胞内に遺伝子を導入する技術としては、生物学的手段、すなわちアデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス由来のウイルスベクターを利用する導入方法と、リポフェクション法(リポソーム法)、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法などの物理的手段を用いる導入方法とに大別される。



これらのうち、ウイルスベクターを利用する方法は、遺伝子導入効率は高いが、ウイルスベクターの作製が煩雑である、安全性に問題があるなどの難点がある。リポフェクション法は、安全性は高いが、ウイルスを利用する方法に較べて、遺伝子導入効率が低い、細胞毒性が強いなどの難点がある。



マイクロインジェクション法、パーティクルガン法などの直接導入法は、細胞の障害が大きく、効率よく遺伝子を導入するための最適化条件の検討が煩雑であり、また技術的操作に関しても特殊な技能や装置が必要であるなどの難点がある。



また、従来のエレクトロポレーション法は、遺伝子と細胞とを懸濁させた媒体を平行板などの電極間に配置し、両電極間に電気パルスを印加して細胞の細胞膜に小孔を生じさせ、それが修復される前に細胞外の遺伝子を細胞内に取り込ませる方法がとられていた(非特許文献1、2)。この方法は、遺伝子導入効率は高いものの、細胞の障害が大きい、遺伝子導入する時期や場所を自由に選択し難いなどの難点がある。



さらに、近年、遺伝子の機能を高速に解析するため、発現プラスミドをプリントしたガラス基板上で細胞を培養し、細胞に遺伝子をリポフェクション法により導入するトランスフェクショナルアレイが開発された(非特許文献3)。この方法は、トランスフェクションにリポフェクション法を用いるものであるため、リポフェクション法に起因する前記した難点が依然として存在している。



一方、核酸やタンパク質などの生体分子を、その活性を維持した状態で基材表面に固定化する方法として交互吸着法が報告されている(非特許文献4)。この方法は、基板上に電荷の異なる高分子を交互に吸着させ、静電的な相互作用(ポリイオンコンプレックス形成)により、逐次的に高分子薄膜を積層する方法であるが、遺伝子導入法に適用された例は報告されていない。

【非特許文献1】EMBO ジャーナル、1982年、第1巻、841~845頁

【非特許文献2】バイオエレクトロケミストリー アンド バイオエネルゲティクス(Bioelectrochem. Bioenerg.) 1999年、第48巻、3~16頁

【非特許文献3】ネイチャー、2001年、第411巻、107~110頁

【非特許文献4】バイオセンサーズ アンド バイオエレクトロニクス(Biosensors & Bioelectronics)、1994年、第9巻、677~684頁

産業上の利用分野


本発明は核酸導入方法に関し、さらに詳しくは、エレクトロポレーション法により核酸を細胞に導入する方法に関する

特許請求の範囲 【請求項1】 エレクトロポレーション法により細胞に核酸を導入する方法であって、
(A)電極の表面に核酸を担持させる工程;
(B)得られた核酸担持電極の表面に細胞を接着させる工程;および
(C)接着した細胞に電気パルスを印加する工程;
からなる方法。
【請求項2】 エレクトロポレーション法により細胞に核酸を導入する方法であって、
(a)以下の(a1)、(a2)または(a3)のカチオン性表面電極基板を提供する工程;
(a1)電極基板の表面に、
式(1):
(CH-SH (1)
(式中、Rはアニオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表す。)
で示されるチオール化合物、
式(1A):
(CH-S-S-(CH-R (1A)
(式中、Rはアニオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表し、mは1~40の整数を表す。)
で示されるジスルフィド化合物、または
式(1B):
(CH-S-(CH-R (1B)
(式中、Rはアニオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表し、mは1~40の整数を表す。)
で示されるスルフィド化合物の単分子膜が形成されており、かつ該単分子膜の表面にカチオン性高分子が吸着されてなるカチオン性表面電極基板
(a2)電極基板の表面に、
式(2):
(CH-SH (2)
(式中、Rはカチオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表す。)
で示されるチオール化合物、
式(2A):
(CH-S-S-(CH-R (2A)
(式中、Rはカチオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表し、mは1~40の整数を表す。)
で示されるジスルフィド化合物もしくは
式(2B):
(CH-S-(CH-R (2B)
(式中、Rはカチオン性官能基を表し、nは1~40の整数を表し、mは1~40の整数を表す。)
で示されるスルフィド化合物または
式(3):
(CH-Si(OR) (3)
(式中、Rはカチオン性官能基を表し、pは1~40の整数、ORはアルコキシ基を表す。)
で示されるシラン処理剤の単分子膜が形成されており、かつ該単分子膜の表面にアニオン性高分子が吸着され、さらにその表面にカチオン性高分子が吸着されてなるカチオン性表面電極基板
(a3)電極基板の表面に、カチオン性高分子が吸着されてなるカチオン性表面電極基板
(b)該カチオン性表面電極基板の表面に核酸を吸着、担持させる工程;
(c)工程(b)で得られた核酸担持電極基板の表面に細胞を接着させる工程;および
(d)該細胞に電気パルスを印加する工程;
【請求項3】 工程(b)を、カチオン性表面電極基板の表面に直接核酸を1回だけ吸着させるか、あるいは該表面に核酸およびカチオン性高分子を、核酸、カチオン性高分子、核酸の順序で交互吸着法により積層させることにより行う請求項2記載の方法。
【請求項4】 電極基板が、白金、金およびアルミニウムから選ばれる金属の電極基板である請求項2記載の方法。
【請求項5】 電極基板が、金電極基板である請求項2記載の方法。
【請求項6】 金電極基板が、金蒸着したガラス基板もしくは透明プラスチック基板である請求項5記載の方法。
【請求項7】 極基板が、インジウム-スズ酸化物、酸化インジウム、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、アンチモンをドープした酸化スズを蒸着したガラス基板もしくは透明プラスチック基板である請求項2記載の方法。
【請求項8】 極基板が、インジウム-スズ酸化物を蒸着したガラス基板もしくは透明プラスチック基板である請求項2記載の方法。
【請求項9】 Rがカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基およびホスホン酸基から選ばれる基である請求項2記載の方法。
【請求項10】 式(1)で示されるチオール化合物が、11-メルカプトウンデカン酸、8-メルカプトオクタン酸および15-メルカプトヘキサデカン酸から選ばれるメルカプトアルカン酸である請求項2記載の方法。
【請求項11】 カチオン性高分子が、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、アミノアセタール化ポリビニルアルコール、1~4級アミンを側鎖末端に持つアクリル系またはメタクリル系ポリマー、酸処理ゼラチン、プロタミン、ポリリジン、ポリオルニチン、ポリアルギニン、キトサン、DEAE-セルロース、DEAE-デキストランおよびポリアミドアミンデンドリマーから選ばれる高分子である請求項2記載の方法。
【請求項12】 Rがアミノ基である請求項2記載の方法。
【請求項13】 核酸がDNA、RNA、アンチセンス核酸、siRNAまたはそれらの発現ベクターである請求項1または2記載の方法。
【請求項14】 核酸がタンパク質をコードするDNAまたはその一部である請求項1または2記載の方法。
【請求項15】 工程(B)を、核酸担持電極の表面で細胞を培養することにより行う請求項1記載の方法。
【請求項16】 工程(c)を、核酸担持電極基板の表面で細胞を培養することにより行う請求項2記載の方法。
【請求項17】 工程(C)を、細胞を介して電極基板に対峙して反対電極を設け、両電極間に電気パルスを発生させることにより行う請求項1記載の方法。
【請求項18】 工程(d)を、細胞を介して電極基板に対峙して反対電極を設け、両電極間に電気パルスを発生させることにより行う請求項2記載の方法。
【請求項19】 カチオン性表面電極基板が、ミクロパターン化表面をもつ基板である請求項2記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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