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摺動集電用チタン銅炭素複合材料、及び摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法

国内特許コード P07A011962
整理番号 /NO32963
掲載日 2007年12月7日
出願番号 特願平11-088329
公開番号 特開2000-281446
登録番号 特許第3987656号
出願日 平成11年3月30日(1999.3.30)
公開日 平成12年10月10日(2000.10.10)
登録日 平成19年7月20日(2007.7.20)
発明者
  • 久保 俊一
  • 池内 実治
  • 土屋 広志
  • 冨山 嘉孝
  • 斎藤 浩次郎
  • 森田 好信
  • 中川 隆夫
  • 吉原 芳男
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
  • 株式会社ファインシンター
  • 株式会社CFCデザイン
発明の名称 摺動集電用チタン銅炭素複合材料、及び摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法
発明の概要 【課題】 導電性が良く、トロリー線等との摩擦が小さく、摺動時の摩耗が少なく、十分な強度を有し、かつ製造工程が簡易な銅炭素複合材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 炭素からなる炭素基材と、炭素基材に対し1~70重量%の比率で含まれるチタンと、炭素基材に対し1~75重量%の比率で含まれる銅又は銅合金が融合される。
従来技術、競合技術の概要


電車や電気機関車などの電気鉄道車両は、架線(以下、「トロリー線」という。)からパンタグラフを介して集電を行っている。このパンタグラフは、電気鉄道車両の屋根上に取り付けられる装置であり、図3に示すような構成を有している。



図3に示すように、このパンタグラフ500においては、電気鉄道車両の屋根の上に、電気絶縁用の碍子507に乗った台枠506が置かれ、台枠506の上に主軸508が軸受で支持され、この主軸508から下枠501が斜め上方に立設され、他の軸受を介して上枠502が下枠501とは逆の斜め方向に向うように支えられている。



上枠502の頂点付近には、略舟状の集電舟503が配設されている。また、この集電舟503上には、トロリー線(図示せず)の下面を摺動する摺板がネジ等によって取り付けられている。トロリー線から摺板504が離れる「離線現象」が生じないようにパンタグラフ500をつねにトロリー線に追随させるため、主ばね505により主軸508が軸まわり回転方向に付勢され、下枠501,上枠502が集電舟503を上方へ押し上げるようになっている。



上記したパンタグラフ500の構成要素のうち、摺板504は、硬質銅材からなるトロリー線の下面と接触しつつ互いに摺動しながら大電流を集電する。このため、摺板504は、
▲1▼ 導電性が良いこと
▲2▼ 摩擦抵抗が小さく、トロリー線表面上を滑りやすいこと
▲3▼ 摺板自身の摩耗が少なく、かつ相手のトロリー線も摩耗させにくいこと
▲4▼ 使用により厚みが薄くなっても破損等を生じないような強度を有すること▲5▼ アーク(火花)による損耗や溶損等が少ないこと
等の条件を満足するような材料(以下、「摺動集電用材料」という。)である必要がある。



上記のような条件から、近年、摺板504に適した材料として、炭素(C)からなる焼結体の中に銅(Cu)を含浸させた材料(以下、「銅含浸炭素焼結体」という。)が注目されている。

産業上の利用分野


本発明は、炭素からなる炭素基材中に銅とチタンを含ませた摺動集電用チタン銅炭素複合材料、及びこの摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材に、
複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が融合されており、
前記チタンと銅及び/又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度向上し、融点低下し、耐腐食性向上し、及び耐摩耗性向上しており
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。

【請求項2】
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材に、
複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅/又は銅合金とが融合されており、
前記チタンと銅又は銅合金が融合されるにあたり、炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、マグネシウムを除く第2族典型金属元素、第5族遷移金属元素、マンガンを除く第7族遷移金属元素、鉄を除く第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、ニッケルを除く第10族遷移金属元素、銅を除く第11族遷移金属元素、亜鉛を除く第12族遷移金属元素、ホウ素を除く第13族元素、ゲルマニウム、ヒ素又はビスマスである第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度向上し、融点低下し、耐腐食性向上し及び耐摩耗性向上しており
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。

【請求項3】
炭素からなる炭素基材と、炭素繊維からなり全長が5ミリメートル以上で前記炭素基材中に配設されて前記炭素基材を強化する炭素繊維補強部材に、
複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンと、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金とが融合されており、
前記炭素繊維を含む予形成部材の段階でチタンを含有させた後に炭化処理工程を行うようにしかつ銅又は銅合金は予形成工程と同時又は前記予形成工程以後に常圧で加えられるようにし、
前記銅合金は、第5族遷移金属元素及び第9族遷移金属元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度向上し、融点低下し、耐腐食性向上及び耐摩耗性向上しており
鉄道用パンタグラフの摺動集電用材料として用いることを特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料。

【請求項4】
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維と炭素からなる炭素基材を所定の形状に形成して予形成部材を得るとともに当該予形成部材に常圧で、複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンを介在させつつ、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金を含有させる予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。

【請求項5】
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成しかつ銅又は銅合金が前記シート状部材の表面に常圧で配設され予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。

【請求項6】
全長が5ミリメートル以上の炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し当該糸状部材を製織又は絡み合わせてシート状部材を作製し当該シート状部材を積層して積層体を形成し予形成部材を得る予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。

【請求項7】
炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填し、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金からなる粉末が、前記糸状部材とともに前記型内に充填されることにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行う摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。

【請求項8】
炭素繊維に炭素からなる炭素基材と、複合材料の全重量に対し3~53重量%の比率となるチタンを含有させて糸状部材を作製し、前記糸状部材を長さが5ミリメートル以上に切断して型に充填することにより予形成部材を形成する予形成工程を行い、
次いで前記予形成部材を第1温度で加熱しつつ第1圧力で加圧する成型処理工程を行い、
次いで第2温度で加熱する炭化処理工程を行い、
次いで必要に応じて第3温度で加熱する黒鉛化処理工程を行い、
前記炭化処理工程又は前記黒鉛化処理工程では、複合材料の全重量に対し4~68重量%の銅含有率となる銅又は銅合金が、被処理部材の上に常圧で乗せられ、溶融した銅又は銅合金が前記被処理部材中に含浸される摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法であって、
前記銅合金は、第2族典型金属元素、第4族遷移金属元素、第5族遷移金属元素、第6族遷移金属元素、第7族遷移金属元素、第8族遷移金属元素、第9族遷移金属元素、第10族遷移金属元素、第11族遷移金属元素、第12族遷移金属元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のうちのいずれか又はこれらの適宜の組み合わせを、銅に対して0.1~30.0重量%の比率で含有させることにより構成され、
前記銅合金の含有元素により、銅合金の硬度が向上し、融点が低下し、耐腐食性が向上し、及び耐摩耗性が向上していること
を特徴とする摺動集電用チタン銅炭素複合材料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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