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特性維持性能に優れた酸化物超電導体及びその製造方法

国内特許コード P07A011986
整理番号 /NO32988
掲載日 2007年12月7日
出願番号 特願平11-175290
公開番号 特開2001-010879
登録番号 特許第3100375号
出願日 平成11年6月22日(1999.6.22)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
登録日 平成12年8月18日(2000.8.18)
発明者
  • 富田 優
  • 村上 雅人
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 特性維持性能に優れた酸化物超電導体及びその製造方法
発明の概要 【課題】 熱歪等の内外力や腐食環境に影響されずに高い捕捉磁場の確保や長期にわたる性能維持が可能を酸化物超電導体及びその製造法を提供する。
【解決手段】 酸化物超電導体を、「その外表面に“樹脂含浸された布の密着被覆層”を有した酸化物超電導バルク体から成る構成」とするか、あるいはこれに加えて「酸化物超電導バルク体の表層部に樹脂又は線膨張係数の小さいフィラ-材を分散して含有する樹脂の含浸層を設けた構成」とする。この酸化物超電導体は、酸化物超電導バルク体の表面を布で包んで覆った後、これを減圧雰囲気下に保持して液状樹脂やフィラ-入り液状樹脂と接触させる方法等により作成することができる。
従来技術、競合技術の概要


常電導材料に比べて臨界電流密度が高く、大電流を損失なく流すことが可能な超電導材料については、従来から核融合実験装置,医療診断用超電導MRI,磁気浮上列車,発電機,エネルギ-貯蔵装置,脳磁計等への応用研究が盛んに行われているが、近年、 LiTi23, Ba(Bi,Pb)O3 ,(Ba,K) BiO3 等といった比較的臨界温度(Tc)の高い酸化物超電導材料が見出され、更に従来の予想を超える高い臨界温度(Tc)を持った(La,Sr)2CuO4 ,REBa2Cu37 (REは希土類元素),Bi2Sr2Ca2Cu310,Ti2Ba2Ca2Cu310,HgBa2Ca2 Cu38 等の銅酸化物超電導材料が次々と生み出されるに至ってからは、その研究には一段と拍車がかかっている。
ところで、上述のように超電導材料は常電導材料に比べて臨界電流密度が高いために大電流を損失なく流すことが可能であるが、このように大電流を流した場合には、超電導体に大きな電磁力が働くので材料強度によっては材料が破壊してしまうおそれのあることが知られている。また、最近、バルク高温超電導体(特に銅酸化物超電導体)の特性向上と大型化に伴ってバルク体に捕捉できる磁場の大きさが飛躍的に向上し、5テスラを超える磁場が捕捉されるようにまでなっているが{「Superconductor Science andTechnology」11 (1998), 第1345~1347頁}、このように捕捉磁場が増加するとそれに伴って材料にかかる電磁力も増大するため、最近では材料強度によって捕捉磁場が制限されざるを得ないという問題が持ち上がっている。そのため、捕捉磁場を利用したバルク超電導磁石の性能向上のためには、捕捉磁場の更なる向上よりもむしろ材料の機械的特性向上が重要となってなっている{「Physica C」Vol.7, No.9(1991), 第4989~4994頁}。
そこで、バルク酸化物超電導体の強化方法として、次の2つの方法が提案されている。1つは「材料へのAg添加」という手法であり、この方法を講じることによりバルク酸化物超電導体の機械的強度が著しく改善されるとされている{「JapaneseJournal of Applied Physics」Vol.70, No.9 (1991) の第4989~4994頁、 並びに「Superconductor Science and Technology 」11(1998), 第1345~1347頁}。他の1つは「バルク超電導材料の回りを金属リングで囲むことによって材料に予め“圧縮の歪”を付加しておく」という手法である{「Extened Abstract ofISTEC International Workshop」(1998),第 115~ 118頁}。なお、この方法によると、予付加の圧縮歪により磁場を捕捉させた時に生じる引張応力が緩和されるので材料の破壊が抑えられ、捕捉磁場が向上するとされている。
しかしながら、上記「Ag添加による強化」や「金属リングによる補強」といった方法は作業性やコストの面での更なる改善が望まれるものであり、また腐食性環境での長期使用によって強化性能が劣化するという問題も認められた。
このようなことから、本発明が目的としたのは、大きな電磁力に起因した機械的歪や使用時の急激な昇温・冷却に伴う熱歪等による割れを生じることがなく、長期にわたって高い捕捉磁場を発揮できる酸化物超電導体の容易かつ安価な提供手段を確立することであった。

産業上の利用分野


この発明は、電磁力や熱歪等の内外力や腐食環境に影響されずに高い捕捉磁場を確保すると共に長期にわたってその性能の維持を可能とした酸化物超電導体に関し、更にはその製造方法をも提供するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
外表面に“樹脂含浸された布の密着被覆層”を有すると共に、バルク体の表層部に樹脂の含浸層を有した溶融法による酸化物超電導バルク体から成ることを特徴とする、酸化物超電導体。

【請求項2】
密着被覆層を構成する布が、ガラス繊維,炭素繊維,セラミック繊維,金属繊維又はポリアミド系合成高分子繊維である、請求項1に記載の酸化物超電導体。

【請求項3】
樹脂がエポキシ系樹脂である、請求項1又は2に記載の酸化物超電導体。

【請求項4】
樹脂が線膨張係数の小さいフィラ-材を分散させたものである、請求項1乃至の何れかに記載の酸化物超電導体。

【請求項5】
溶融法による酸化物超電導バルク体の表面を布で包んで覆った後、これを減圧雰囲気下に保持して液状樹脂と接触させることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の酸化物超電導体を製造する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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