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耐割れ性に優れた酸化物超電導体及びその製造方法

国内特許コード P07A012008
整理番号 /NO33000
掲載日 2007年12月7日
出願番号 特願平11-238477
公開番号 特開2001-064016
登録番号 特許第3090658号
出願日 平成11年8月25日(1999.8.25)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
登録日 平成12年7月21日(2000.7.21)
発明者
  • 富田 優
  • 村上 雅人
出願人
  • 公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明の名称 耐割れ性に優れた酸化物超電導体及びその製造方法
発明の概要 【課題】 大きな電磁力や使用時の急激な昇温・冷却に伴う熱歪といった外力や内部応力に十分に耐え、長期にわたって高い捕捉磁場を安定して発揮できる酸化物超電導体を提供する。
【解決手段】 例えば“希土類元素を含む銅酸化物超電導体”等の酸化物超電導体を、低融点金属が含浸した酸化物超電導バルク体、あるいは低融点金属が含浸しかつ外表面に低融点金属の薄層を有した酸化物超電導バルク体からなる構成とする。これら酸化物超電導体は、減圧雰囲気下に保持した酸化物超電導バルク体と溶融状態の低融点金属とを接触させることによって製造することができる。なお、予め酸化物超電導バルク体に孔を設けておくことによって溶融状態の低融点金属との接触面を酸化物超電導バルク体の外表面と前記孔の内表面の両方とすれば、製造能率や製品性能の更なる向上が期待できる。
従来技術、競合技術の概要


近年、 LiTi23, Ba(Bi,Pb)O3 ,(Ba,K) BiO3 等の比較的臨界温度(Tc)の高い酸化物超電導材料が見出されて以来、酸化物超電導材料の研究に拍車がかかり、それまで予想もされなかったほどの高い臨界温度(Tc)を持つ(La,Sr)2CuO4 ,REBa2Cu37 (REは希土類元素),Bi2Sr2Ca2Cu310,Ti2Ba2Ca2Cu310,HgBa2Ca2 Cu38 等といった銅酸化物超電導材料が次々と生み出されている。
ところで、超電導材料は常電導材料に比べて臨界電流密度が高いために大電流を損失なく流すことが可能であるが、このように大電流を流した場合には超電導体に大きな電磁力が働くので材料強度によっては材料が破壊する場合が知られている。特に、最近では溶融法によるバルク高温超電導体(特に銅酸化物超電導体)の特性向上と大型化が進んでバルク体に捕捉できる磁場の大きさが飛躍的に向上し、5テスラを超える磁場が捕捉されるようにまでなっているが、このように捕捉磁場が増加するとそれに伴って材料にかかる電磁力も増大するため、最近では材料強度によって捕捉磁場が制限されてしまうといった事態に至っている。そのため、捕捉磁場を利用したバルク超電導磁石の性能向上のためには、捕捉磁場の更なる向上よりもむしろ材料の機械的特性向上が重要となっている。
更に、上述のような超電導体に所望する特性を発現させるためには超電導体を極低温度(少なくとも液体窒素温度以下の温度)に冷却する必要があるが、バルク酸化物超電導材の場合にはその際の熱衝撃も割れ発生の大きな原因となっている。
そこで、溶融法によるバルク酸化物超電導体の強化方法として、次の2つの方法が提案されている。1つは「Agを添加した原材料からバルク酸化物超電導体を育成する手法」であり、この方法によって得られたバルク酸化物超電導体は優れた機械的強度を示すとされている{例えば「Japanese Journal of Applied Physics 」Vol.70, No.9(1991) の第4989~4994頁や、 「Superconductor Science and Technology 」11(1998), 第1345~1347頁等を参照}。また、他の1つは、「バルク超電導材料の外周に金属リングを嵌め込み、 該バルク材料に予め“圧縮の歪”を付加しておく方法」であり{「Extened Abstractof ISTEC International Workshop」(1998),第 115~ 118頁}、この方法によると、予付加の圧縮歪により磁場を捕捉させた時に生じる引張応力が緩和されるので材料の破壊が抑えられ、捕捉磁場が向上するとされている。
しかしながら、前記「Ag添加による強化法」では、コスト面の不利を余儀なくされるだけでなく、材料に加わる力がより大きい使用状態に置かれた場合の割れ防止効果が十分でないと懸念が拭えない上、長期にわたって使用した際の割れ発生を抑えるのは非常に難しかった。一方、「外周に金属リングを嵌め込む方法」では、金属リングの嵌め込み作業に意外な手間を要するほか、材料の全面を金属リングで覆うことが困難であるなど金属リングの嵌め込み面にも制限を受けるので、やはり意図する十分な割れ防止効果を得るのは難しかった。
このようなことから、本発明が目的としたのは、大きな電磁力や使用時の急激な昇温・冷却に伴う熱歪といった外力や内部応力に十分に耐え、長期にわたって高い捕捉磁場を安定して発揮できる溶融法により製造された酸化物超電導体の容易かつ安価な提供手段を確立することであった。

産業上の利用分野


この発明は、電磁力や熱歪等の内外力による割れの発生が抑えられ、長期にわたって高い捕捉磁場を維持することが可能な耐割れ性に優れた酸化物超電導体、並びにその製造方法に関するものである。そして、本発明により提供される酸化物超電導体は、磁気浮上列車,エネルギ-貯蔵装置等の広範囲な用途に供することができ、それらの性能向上に大きな役割を果たすことが期待される。

特許請求の範囲 【請求項1】
低融点金属が含浸した溶融法による酸化物超電導バルク体からなることを特徴とする、耐割れ性に優れた酸化物超電導体。

【請求項2】
低融点金属が含浸し、かつ外表面に低融点金属の薄層を有した溶融法による酸化物超電導バルク体からなることを特徴とする、耐割れ性に優れた酸化物超電導体。

【請求項3】
酸化物超電導バルク体が希土類元素(Y,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,Er,Tm及びYbのうちの1種以上)を含む銅酸化物超電導体である、請求項1又は2記載の耐割れ性に優れた酸化物超電導体。

【請求項4】
減圧雰囲気下に保持した酸化物超電導バルク体と溶融状態の低融点金属とを接触させることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の耐割れ性に優れた酸化物超電導体の製造方法。

【請求項5】
予め酸化物超電導バルク体に孔を設けておくことにより、溶融状態の低融点金属との接触面を酸化物超電導バルク体の外表面と前記孔の内表面の両方とすることを特徴とする、請求項4記載の耐割れ性に優れた酸化物超電導体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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