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ハイブリッド型直動案内装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P07A012056
整理番号 H16-017
掲載日 2007年11月30日
出願番号 特願2005-085721
公開番号 特開2006-266404
登録番号 特許第4235734号
出願日 平成17年3月24日(2005.3.24)
公開日 平成18年10月5日(2006.10.5)
登録日 平成20年12月26日(2008.12.26)
発明者
  • 小幡 文雄
  • 上原 一剛
出願人
  • 学校法人鳥取大学
発明の名称 ハイブリッド型直動案内装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】すべり案内を主体としたハイブリッド型直動案内装置において、すべり案内の摺動面ところがり案内の転動体に作用する負荷のそれぞれの分担率を簡便に調整できる直動案内装置を提供する。
【解決手段】鏡面仕上げした摺動面を有するすべり案内方式直動案内と転動体を利用した転がり案内方式直動案内との組み合わせであって、高硬度に仕上げた鏡面の摺動面を有する保持器9と、保持器を装着する移動体2と、摺動面を高硬度に仕上げた基台4と、保持器の摺動面と基台の摺動面の間に供給する潤滑油と、保持器に転動体を配置したときに転動体を保持器の摺動面から突出させて摺動面間の隙間を調整する手段とを備え、転動体を保持器に配置したときに転動体の一部が保持器から突出するように配置して、摺動時に摺動面間に供給される潤滑液による潤滑油膜圧力の作用によって摺動面と転動体に作用する荷重の負荷分担率を変更できるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


基台と移動体から構成される直動案内は、移動体が基台に対して往復運動することによって移動体に設置した対象物の位置決めを行う装置であり、機械加工を行う工作機械の案内装置として用いられている。工作機械に用いられる直動案内には主として転がり案内方式とすべり案内方式があり、工作機械の仕様によっていずれかが選択される。



転がり案内方式の直動案内は、移動体に設けた無限軌道に挿入した転動体が基台および移動体と接触した状態で転動し、移動体を相対運動させる。この転がり案内方式の直動案内は、基台と移動体の間に発生する摩擦力が小さいという利点を有しているため、被削材や切削工具を高速で位置決めする工作機械に広く用いられる。しかし、転がり案内方式の直動案内は、転動体を無限軌道内で循環させるため、その構造が複雑になり、特に、直動案内のサイズが大きくなるといった問題があった。また、転動体同士の干渉や転動体と基台および移動体の接触によって発生する音が高速運転時に顕著になるといった問題や、基台または移動体と転動体の接触が点または線接触であることに起因して移動体の振動減衰性が悪いといった問題もあるため、重切削対応の工作機械に用いる案内としては適していない。



一方、すべり案内方式の直動案内は、図1に示すように、移動体22と基台24の双方に設けた摺動面23、25が対向して面接触し、移動体22に作用する荷重を基台24の摺動面で支持して摺動する案内方式であるため、転がり方式直動案内に比べて剛性および振動減衰性が高く、難削材料の切削に用いられる工作機械の案内として好適である。尚、図1中、21は工作物、26は送りねじを示す。



高精度なすべり案内方式直動案内を提供するため、一般に基台の摺動面に数ミクロン程度の油溜まりを設けるキサゲ加工が行われている。このキサゲ加工の目的は、摺動面の平面度を確保することと、摺動時に摺動面に潤滑油膜を確保することであるが、熟練工によって手仕上げ加工されているため、生産効率が悪く、工作機械の製造コストを増大させる一因となっている。さらに、キサゲ加工した摺動面を有するすべり案内方式直動案内の摺動摩擦係数は、転がり案内方式の直動案内に比べて高く、かつ摺動速度によっても変化する。



図2は、すべり案内方式直動案内の摺動摩擦係数と摺動速度の関係を示すが、摺動面同士が直接金属接触し境界潤滑状態となる極低摺動速度域では摺動摩擦係数は高く、摺動速度の増大によって摺動面間に潤滑油膜が形成されるようになれば摺動摩擦係数は小さくなり、さらに摺動速度が増大すれば潤滑油膜の粘性抵抗の増大によって摺動摩擦係数は大きくなる。こういった摺動摩擦係数の摺動速度依存性は、摺動時にスティック-スリップによる振動が発生する原因となり、工作機械の高精度化の妨げとなっている。



金型加工の高能率化、高精度化への要求が近年益々厳しくなり、難削材料を高能率に切削できる工作機械の開発への期待が高まるとともに、重切削に対応できる高速送り可能なすべり案内方式直動案内の開発が望まれるようになってきた。



重切削対応の工作機械を高精度、高能率化するには、高性能な直動案内を開発すること
が必要不可欠である。一般に重切削に対応した工作機械に搭載されるすべり案内方式直動案内は、摺動摩擦係数が高く、かつ摺動速度に対して摺動摩擦係数が変化するため、工作機械の送り系の高速化に対応できないという問題があった。また、転動体を利用した転がり方式直動案内は、送り速度によらず低摺動摩擦係数であるが、剛性が低く振動減衰性が悪いため、重切削やびびり振動が発生しやすい難削材料の切削に対応できないという問題があった。



このように、従来のいずれの直動案内方式でも解決すべき技術的課題があったが、一方で、最近、直動案内のこういった欠点を補完するため、転がり案内方式とすべり案内方式を併用したハイブリッド型直動案内が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。



特許文献1のハイブリッド案内装置は転がり案内を主体とし、振動減衰性を付与するためにすべり案内を併用するものであるが、転動体と案内面は金属同士の点接触または線接触する案内機構であるためウェービングなどの振動の問題がある。一方、特許文献2の移動体の案内機構はすべり案内を主たる構成とした案内で、転がり案内とすべり案内の荷重分担を調整することによってすべり案内の高速化を図ることを目的としたものであり、転がり案内部に設けたアクチュエータによって、摺動速度や加工条件に応じてその押し付け力を変化させて、すべり案内方式直動案内と転がり案内方式直動案内のそれぞれに作用する負荷の分担を調整することを特徴としている。しかし、このハイブリッド型直動案内では、すべり案内およびころがり案内に作用する荷重の負荷分担率を調整するために油圧源やアクチュエータなどの外部機器を必要とするため、装置の機構や送り系の制御が複雑になるといった問題があった。また、工作機械の摺動速度に対するアクチュエータなどの外部機器の追従性については明らかにされておらず、急激な速度変化や負荷変動に対応できるか否かは不明である。

【特許文献1】特開2004-204917号公報

【特許文献2】特開平9-131634号公報

産業上の利用分野


本発明は、往復摺動する直動案内装置に関するものであり、工作機械のテーブルや主軸ユニットの案内機構として用いられる。

特許請求の範囲 【請求項1】
鏡面仕上げした摺動面を有するすべり案内方式直動案内と転動体を利用した転がり案内方式直動案内との組み合わせからなる直動案内装置であって、転動体を保持するための軌道および高硬度に仕上げた鏡面の摺動面を有する保持器と、前記保持器を装着する移動体と、摺動面を高硬度に仕上げた基台と、前記保持器の摺動面と前記基台の摺動面の間に供給する潤滑油とを備え、前記保持器に前記転動体を当該転動体の運動面を摺動面と同一面となるように配置するとともに前記転動体の一部を前記保持器の摺動面から突出させることによって前記保持器の摺動面と前記基台の摺動面間に隙間を保持するようになして、前記保持器の摺動時に摺動面間に供給される潤滑液による潤滑油膜圧力の作用によって摺動面と転動体に作用する荷重の負荷分担率を変更できるようになすとともに、転動体を保持するための前記軌道は前記転動体が循環移動する無限軌道であり、更に前記基台の一部に当該基台と前記転動体との接触を防ぐための溝が設けられていることを特徴とするハイブリッド型直動案内装置。
産業区分
  • 機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005085721thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 超高精度位置決めを実現するハイブリッド型直動案内
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